敵前逃亡のタイミング

14年度で既に6億弱の赤字だったわけですから,それが予想できた時点で「責任を取って辞める」形で,長谷川さんと同じように逃亡する手はあったわけです.やりたい奴はいくらでもいるんだし.でもそのチャンスを逃した.それも,長谷川さんが70で会長を退任したのに対し,近藤さんは現時点で75(1942年4月5日生).誰が見たって引っ張りすぎ.

そもそも理事長になった経緯が,東一の病院長を定年で辞めて,後はゆっくり休もうかと思っていた矢先に矢崎さんから声がかかったってことだったのだから,理事長職は「おまけ」と考えて,いつかうまく逃げてやろうと考えられたはず.それなのにこうやって醜態を晒さなくてはならないなんて,みっともないったらありゃしない.歳は取りたくないもんだ.

我々が学ぶべきは「引け際の判断は難しい」という一般論より,「引け際の判断が難しくなるような職に就かなかった(*)自分の判断は正しかった」でしょうかね.「終活」では,命の終わり以前に,仕事の引け際を考えなくちゃ.
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審査関連の経常損失、前年度の倍に  PMDA ( 日刊薬業 2017年6月26日 )
 医薬品医療機器総合機構(PMDA)は26日の運営評議会で、2016年度の審査部門関連の経常損失が前年度比およそ倍の18億8800万円だったと公表した。経常損失は14年度が5億8500万円、15年度が9億4800万円と顕著に拡大傾向にある。ただ現在は、前期中期計画時の積立金があるため、決算上は利益を計上している。
 近藤達也理事長は、審査部門関連の損益について「申請件数などの減少によって厳しい財政運営が見込まれたので、役職員一丸となって経費の効率化に取り組んだ結果、当初見込みの水準よりも経常赤字を抑え込むことができた」と述べ、当初想定の損失額約25億円から約6億円を圧縮できたと説明した。手数料収入も想定より増え、損失圧縮に寄与した.PMDAは17年度から審査手数料などを一部引き上げている。
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*近藤さんは私に向かって「お前は就けなかっただけだろ」と言うかもしれないけど,他人の人生に責任を持てると思うほど私は自信家ではないので,部下を持つ仕事を自分からやりたいと思ったことは一度だってありません.職位が下の人に助けてもらいたいと思ったことはいくらでもあるけれど.

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