NEJMの化けの皮を剥がす意義
権威に対する無意味な信仰からの解放→権威に対する思考停止の解除→権威ある組織の行動観察→権威ある組織のシステムエラーの修正=権威の化けの皮剥がし←これにはリテラシーが必要。
今回紹介するツールは、NEJMに象徴されるトップジャーナルに限らず、検察、裁判所など、衆愚によって権威が認定されている全ての組織に対して適用できる。
「日銀は死んだ」そうだ。株屋のケツを舐めたのが死因だそうだが、それが2013年3月に総裁就任以来の黒田東彦の仕事だったのではなかったのか?それとも、黒田東彦ならずとも、誰であれ、株屋のケツを舐めることは日銀総裁の本来業務だったのだろうか?個人の責任追及と組織のシステムエラーの境界線はかくもぼやけている。
構成員個人の責任追及では組織のシステムエラーは修正できない
個人であれ組織であれ,その行動が自ら命を縮める.この場合,ネタにするのが個人の逸脱行動であれば,不良構成員のスキャンダルとして片付けられて,組織に累は及ばない.検察幹部の女性・裏金問題をいくら追求しても,医者をいくら業務上過失致死傷罪で有罪にしても,組織のシステムエラーは温存され,司法事故,医療事故は繰り返される.
マスメディアの報道,警察の捜査,検察の起訴・公判,裁判所の判決.組織の本来業務の欠陥を衝くことなしには,我々の生活・人生に重大な影響を及ぼすこれらの組織のシステムエラーを修正することは不可能である.
権威ある組織のエラー修正
権威が強ければ強いほど,その権威に対する不満も強くなる一方で,権威に対抗すれば自分が不利益を被ると感じる人間も多くなる。かくして権威に対する不満は意識下に沈み,権威を批判する思考が停止する結果,その権威に対する信仰心が相対的に浮かび上がってくる。こうして信仰の仮面の下には、信仰の対象に対するサイレントクレーマーが潜んでいる.我が国の国民的宗教となっている裁判真理教も、その例外たり得ない.
長年に渡る独裁政権の崩壊は,サイレントクレーマーが一気に過激なクレーマー行動に走った結果である.しかし独裁政権といえども,それなりの予定調和の上に成り立ってきたのだから,それを瞬時に崩壊させれば,当然大混乱が生じる.ゆえに権威ある組織のシステムエラーは,非暴力的に修正されねばならない.この非暴力的な修正=権威の化けの皮剥がしに必要な能力がリテラシーである.
ディオバン「事件」のでっち上げ再発防止
バルサルタン問題に象徴されるARBバブルを主導したのはランセットである。そしてディオバン「事件」をでっち上げたのは、ランセット信仰を基礎に生まれたバルサルタン問題の本質を理解できなかった連中だ。医師・研究者の多くがランセットに対して白紙委任状を出すことなく、JHSが掲載された当初から、ランセットのイカサマを見抜けていれば、ARBが何の略号だかも知らない自称医学ジャーナリストが何を喚こうが、ディオバン「事件」なんて能天気などんちゃん騒ぎは決して起こらなかったし、東京地検特捜部も大恥をかかずに済んだ。
インクレチン関連薬バブルを主導しているのが言わずと知れたNEJM である。だとすればディオバン「事件」の次に起こるのは、NEJM信仰を基礎にしたインクレチン関連薬バブルの本質を理解できない連中による、ジャヌビア「事件」のでっち上げである。ディオバン「事件」を生かし、ジャヌビア「事件」の悪夢を阻止するためには、NEJM の化けの皮を今から剥がしておくのが一番有効な手段だということになる。
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