Operation vs Strategy

先日,ある会合で,アジア共同治験について講演があった.演者は二人で,一人がオペレーション,もう一人がストラテジーという役割分担だったわけだが,お恥ずかしいことに,その日,生まれて初めて,オペレーションとストラテジーの役割分担が腑に落ちた.そして,特に四十代後半以降,自分の興味がストラテジーの方に傾いていったことがわかった.

月2回の発達障害集団面接会(*)で,なぜ気持が萎えるのかといえば,もちろんそこで展開されているのが,発達障害者同士の=「耳の聞こえない者同士の会話」だからなのだが,もう一つ原因がある.agendaがオペレーションの話ばかりでストラテジーをどうするかという話が皆無だからだ.

ハードエンドポイント,アウトカムを意識しないとストラテジーの話はできない.ハードエンドポイント,アウトカムを考えれば,オペレーションの話だけするなんてことは不可能なのに,それができるってことは,ハードエンドポイント,アウトカムを全く意識していないってことだ.

ストラテジーを踏まえた上での,オペレーションの話なら,まだわかる(でも,それにもあまり比重はかけたくない.この年になったら,オペレーションの話は,オペレーションが好きな人に任せたい).

先日,日本人のvaccine literacyについて,ある製薬企業の社長さんと,EFPIAのメンバーと議論したが,その時に,まず理念の共有があって,その次にストラテジーのブレストがあって,それから初めてオペレーションについて話したから,非常に効率がよかったし,議論した後の,爽快感・充実感があった.あの爽快感・充実感を求めて僕は仕事をしている.

もとものせっかち,outcome-basedの性格が,年を取って,さらにひどくなって,オペレーションよりもストラテジーへの比重配分がどんどん高くなっていることをひしひしと感じる今日この頃.

*:別名医学部教授会と呼ばれる会議.この会議に出ると,医学部の教授職が発達障害者の雇用枠になっていることがよくわかる.

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