能天気な早期終了
お目出度いのは会社か,それともこんなスキャンダルを真に受ける医者の方か。

デンマークのNovo Nordiskは現地時間10月10日、GLP-1受容体作動薬セマグルチド(商品名オゼンピック)の腎アウトカム試験FLOW ( Nephrol Dial Transplant. 2023;38:2041-2051. doi: 10.1093/ndt/gfad009 ) を早期中止すると発表した。中間解析の時点で、事前に設定された有効中止の基準を達成したため、独立データモニタリング委員会が中止を勧告した。(m3.com編集部 2023年10月12日 配信)
Novo Nordisk will stop the once-weekly injectable semaglutide kidney outcomes trial, FLOW, based on interim analysis

中間解析と早期終了の問題点(植田真一郎)
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2010/PA02890_09
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2010/PA02894_11

FLOW試験固有の問題点(日本人が含まれていることは言い訳にはならない)
通常用量では効かない:試験薬であるオゼンピックの用量が通常用量の0.5mgではなく最大容量の1.0mgとなっている
89対1:剤型はもちろん,バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)オゼンピック(絶対的バイオアベイラビリティ89%)より遥かに低いリベルサス(絶対的バイオアベイラビリティはたったの1%!には本試験の結果は外挿できないこと。

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