第38回和漢医薬学会学術大会

ご挨拶

ワクチン接種が開始されたとは言え、パンデミックな新型コロナウイルス感染症(しかも変異株に置き換わっています)で世界中が大混乱の中ですが、持続可能で平穏な日常生活が送れる日が来るのを心よりお祈りいたします。

さて、このたび、第38回和漢医薬学会学術大会を2021年9月4日(土)〜5日(日)の2日間にわたり、Web開催する運びとなりました。当日ご参加できない方にはオンデマンド配信もあります。

和漢医薬学会の目的は、和漢薬の資源、品質管理、作用機序、臨床研究などについて科学的視点から最新の知見を討議し、基礎と臨床の橋渡しをすることにより、人類の健康と福祉の増進に貢献することであります。学術大会では、和漢薬を様々な形で研究の対象とする医学者・医師、薬学者・薬剤師などが一堂に会して研究情報を交換・共有し、和漢薬を用いた有効で安全な新たな治療学体系を構築し、その成果を社会に還元することを目的としています。

近年のさまざまな学術分野では、従来からの境界がなくなり、それまではお互いに遠い存在だった分野が実は非常に密接に関係していることが明らかになってきました。たとえば腫瘍と循環器は、がん関連血栓塞栓症という課題をめぐって連携が進み、日本腫瘍循環器学会という学会組織が立ち上がり、研究成果が臨床に反映されつつあります。和漢医薬学においても従来からの垣根を取り払い、さまざまな分野の研究者間で活発な交流が期待されます。

本学術大会のテーマを「現代医療への漢方の応用:そのサイエンスとアート」とさせて頂きました。がんや高齢医学、女性医療など各分野における漢方製剤の応用について、他の医療者にも納得してもらえるエビデンスはあるのか、また実際の診療現場でどのように使うのか、などについてご参加の皆様による熱い討議を通じて、「生存の質 Quality of Survival」を高めていくための和漢医薬学の役割を発信できればと考えております。

私ども、実りある学術大会を開催すべく、新型コロナウイルス感染から皆様の命を守るためにWeb形式での開催として、鋭意準備を進めております。

残暑の時季にご自分の自由で快適な空間からWebでご参加いただけますことを楽しみにいたしております。

2021年5月吉日

第38回和漢医薬学会学術大会
大会長 元雄 良治
医療法人社団愛康会 小松ソフィア病院 腫瘍内科部長
金沢医科大学名誉教授

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