理事長あいさつ of 日本甲状腺外科学会

日本甲状腺外科学会解散にあたって

 日本甲状腺外科学会は2018年10月26日に解散いたしました。第51回日本甲状腺外科学会学術集会理事会・評議員会・総会で解散が承認され、学会員は10月27日から一般社団法人日本内分泌外科学会会員となりました。1968年(昭和43年)に設立された甲状腺外科検討会から数えて50年の歴史に幕を閉じましたが、これからは一般社団法人日本内分泌外科学会として新たな歴史を刻んでいきます。
本学会は、甲状腺外科検討会として発足した当初から外科・耳鼻科などの外科系診療科のみならず、内科・病理・放射線科・核医学科など診療科の枠を超えた会員の参加により甲状腺・副甲状腺外科を常にリードしてきました。1998年に甲状腺外科研究会と名前が変更になりましたが、施設会員が中心である形態はそのまま引き継がれました。2006年に日本甲状腺外科学会に発展し、施設会員ではなく個人会員中心の学会となりました。学会となりましたが、甲状腺外科に関して熱く議論するという伝統は脈々と受け継がれてきました。1989年(平成1年)に日本内分泌外科学会が発足し、21世紀になって内分泌外科専門医制度、日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌の発行、NCDデータ登録など、本学会と共同で行ってきた事業が多くありました。新専門医制度の発足がきっかけとなり、内分泌外科専門医が日本外科学会、日本耳鼻咽喉科学会、日本泌尿器科学会のサブスペシャルティとして認められ、学会の法人化という課題も一挙に解決すべく両学会の発展的統合にむけて準備を進めてきました。本年6月に日本内分泌外科学会が解散し一般社団法人日本内分泌外科学会が発足しました。このたび本学会が解散し一般社団法人日本内分泌外科学会に合流したことによって両学会の統合が完了しました。これまで統合に関わっていただいた多くの関係者のみなさまに厚く御礼申し上げます。
 日本甲状腺外科学会は甲状腺・副甲状腺に特化した学会でしたが、これからは一般社団法人日本内分泌外科学会として副腎・膵内分泌といったより幅広い分野をカバーする学会となります。日本甲状腺外科学会の特徴であった診療科の枠を超えた交流を継続するため、役員選挙では専門分野ごとに定数を定め、会員数の少ない診療科からも役員が選出され学会運営に関わっていける仕組みを構築しました。
これからも甲状腺外科に卓越した医師を育成すること、甲状腺外科技術のさらなる発展を目指していくことは、一般社団法人日本内分泌外科学会としての社会的責任であると考えます。会員の皆様、学会支援者の皆様には、これまでにも増して一層のご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

2018年10月
日本甲状腺外科学会
理事長 今井常夫
国立病院機構 東名古屋病院 院長

2017年11月 理事長挨拶
2016年7月  理事長挨拶
2014年11月 理事長挨拶