この度、第48回皮膚かたち研究学会学術大会を2022年7月9日に主催させていただくことになりました。このような貴重な機会を与えていただきましたことに心より感謝いたしますとともに、大変光栄に存じます。
皮膚かたち研究学会は、1974年に神戸で開催された第1回の「皮膚科電顕研究会」以来、1991年には「日本電顕皮膚生物学会」、そして、2006年からは、「皮膚かたち研究学会」として開催されてきた長い歴史をもつ学会です。皮膚科疾患は形態学的特徴に基づき分類され、疾患体系が確立されてきました。光学顕微鏡、電子顕微鏡、ダーモスコピー、超音波などを用いた形態学的解析技術の発展にはめざましいものがあり、皮膚科診療技術の向上のためには、関連知識の普及、アップデートは不可欠なものとなっています。その意味から、本学会の存在意義はますます増しているといっても過言ではないと考えます。
今回の学会は、石河 晃理事長、秋山真志事務総長、理事の先生方とも御相談させていただき、早々と完全WEB開催とさせていただきました。本学会の特徴を考えますと、学会場でのディスカッションが好ましいのはもちろんですし、私どもとしても是非、先生方を武蔵野の地にお招きしたかったのですが、昨今のコロナ禍の状況を考えますと、結果的にはそうせざるを得なかったかと思っております。何卒ご理解いただきたく存じます。
そうした状況にもかかわらず、実に25題もの一般演題を登録いただきました。内容も基礎から臨床まで多岐にわたるものです。誠にありがとうございました。本学会では特別講演として、ダーモスコピーの第一人者である東京女子医科大学附属足立医療センター皮膚科教授 田中 勝先生にその基礎と応用についてご解説いただきます。このご講演は皮膚科領域講習となっています。また、協賛企業各社のご支援を得て、名古屋大学医学部皮膚科講師 武市拓也先生、東京医科大学八王子医療センター皮膚科教授 加藤雪彦先生、理化学研究所生命医科学研究センター皮膚恒常性研究チーム 上級研究員 川崎 洋先生にもアトピー性皮膚炎と乾癬の「かたち」にこだわったご講演をしていただくことになっています。
少し長めの一日となりますが、事務局長である倉田麻衣子講師、また、事務的業務に関わった及川淳子教室秘書をはじめ当教室員一同力をあわせ準備を進めて参りました。皮膚科学の礎ともいえる「かたち」にこだわる充実した一日を先生方と過ごさせていただきたく存じます。
最後に、座長、演者の労をおとりいただく先生方、ご参加いただく先生方、そして、ご支援いただいた企業の方々など、本会に関わってくださるすべての皆様にこの場をお借りして深謝申し上げます。
2022年5月
第48回皮膚かたち研究学会学術大会
会長 大山 学
杏林大学医学部皮膚科学教室 教授