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すべての喫煙者には、はじめて吸ったタバコがあります。タバコを吸うと数秒でニコチンが脳内に供給されます(BMJ 328:277-279, 2004、禁煙学:南山堂)。喫煙という吸引する方法は、注射と同じくらい一気にニコチンを体内に摂取することが可能です。ニコチンは、「一気に」さらに「間欠的に」摂取するのが最も依存を形成しやすく、吸引という方法は、依存の形成のために、最も適していると言えます(禁煙学、南山堂)。
さて、初めてタバコを吸ったときから「うまい!」と思う人はまずいません。「気持ち悪かった」という感覚の人がほとんどではないでしょうか。この「気持ち悪さ」は人体の自然な反応です。タバコの煙をかいで気持ちがよいという子どもはいません。依存性のある薬物であるニコチンを受け取る神経(「ニコチン受容体」と呼ばれます)が脳内にないからです。
しかし、我慢してタバコを吸っていると、徐々にタバコを「うまく」感じるようになります。なぜでしょうか。