サマースクール2018挨拶
日本心臓血管外科学会 理事長 横山 斉
心臓血管外科サマースクールへ、ようこそ。今年は募集開始3日で満員との報告を受けました。うれしい限りです。ありがとう。
心臓血管外科のエキスパートが全国から集い、若い医学生/研修医と2日間を過ごして、心臓血管外科の魅力を伝えます。技術はもちろんのこと、手術に臨む【心の置き所】も学んでください。目の前の患者を自分の全力で必ず助けるのだという強い決意があれば、トレーニングは辛い経験ではなく君の人生に輝かしい光を与える大きな喜びとなるでしょう。心の置き所が定まっているからこそ、平常心が保てるのです。心乱れることがあっても、必ず自分の人生の基本に戻ってゆけるのです。
今回で8年目となるサマースクールでは毎回、目を輝かせてやってきた若者たちがますますその瞳を輝かせてスクールを後にします。思う存分楽しんでください。
心臓血管外科医として一生を捧げる覚悟を持ち綿々と努力を続けてきた外科医達と出会うことで、君の人生がより豊かに実り多くなることを願ってやみません。
Memento Mori
日本胸部外科学会 理事長 大北 裕
Memento Moriとは、"死を忘れるな"と邦訳されることが多い警句ですが、我々の現場は、常にこの様な緊張感にあふれています。心臓外科の臨床現場は他の外科領域に比べて"生と死のせめぎ合い"が直接目に見える所です。手術戦略の適否、手技の精確度がこれほど直截に手術成績に反映する領域は他にありません。自らの依って立つところの患者の最大幸福のために、心臓外科医は絶え間ない精神、頭脳、技術のトレーニングを要求されます。厳しい労働環境、内科医の進出、社会からの圧力などの逆風下、心臓外科領域に参入しようとする若人が及び腰になるのは理解できますが、我々は患者さんにとって最後の砦です。君たちは最近、胸の内、心ときめくことがありましたか? 急性大動脈解離や急性心筋梗塞で瀕死の患者が外科手術により生還した時の感動は当事者でないと分かち合えない至福です。また自分が教育した後進たちが大きく成長してゆくのを目の当たりにするのも幸福な瞬間です。我々の現場は厳しくはありますが、多くの感動に満ちあふれ、皆明るく頑張っています。我々は心臓血管外科領域への君たちの参入を大歓迎します。若人諸君、是非とも仲間になって一緒にやってみませんか。
サマースクール2018挨拶
日本血管外科学会 理事長 古森 公浩
心臓・血管外科サマースクールは、動物の血管やシュミレーターを使って実際に血管吻合やステントグラフトなどの心臓●血管外科手術を体験してもらうセミナーです。私自身、最初は消化器外科医をめざしていましたが、血管外科が専門の“若い先輩”が血管を吻合する姿にあこがれて、“自分も血管が吻合できる外科医になりたい”と思い、血管外科医をめざすようになりました。また血管外科領域程、治療のパラダイムシフトがおこった領域はありません。動脈瘤に対するステントグラフト、そして血管吻合、まさに血管内治療と手術どちらもこのセミナーで体験できる非常にいい機会だと思います。またこのセミナーには講師の先生として、日本中から多数の高名な心臓血管外科医の先生方が出席されます。これから心臓・血管外科医をめざそうとする若い諸君にとって直接指導が受けられるのはもちろんのことですが、心臓●血管外科医がどのようなものか、どのくらいやりがいがあるのか、直接、話が聞けるいい機会です。心臓●血管外科に興味ある初期研修医と医学部生の多数の参加を期待しています。奮ってご参加ください。
ご挨拶
第8回心臓血管外科サマースクール2018 当番幹事 坂本 喜三郎
2015年の第5回から当番幹事を拝命し、4回目となる第8回は浜松医科大学第一外科教授・椎谷教授への引き継ぎ込みで共同当番幹事を努めさせていただきます。今年も宜しくお願いします。
思い起こせば当番幹事を初めて担当した2015年は、研修医・学生のWeb募集で定員確保に約1ヶ月かかり、教育担当医師確保にも奔走する状況でした。ただ丁度その頃から新専門医制度の議論が白熱し、修練医(今は専攻医)の計画的教育と将来の修練医候補である研修医・学生への情報提供の重要性が認識されるなかで、研修医・学生と上級医師の双方にサマースクールの存在が浸透し、人気が定着して来たように感じています。結果、今年はWeb募集開始後2日で定員を超え、1週間後に受付終了としました。定員を増やせない背景もあり、本音で“嬉しい悲鳴”です。
今年も昨年以上に濃密な2日間を企画(飲み放題、 食べ放題・・超工ライ先生にも話し放題・触り放題?の懇親会も含めて)しています。Web募集・選定を生き残りサマースクールに参加される諸君、 “心臓血管外科の世界から抜けられなくなる”覚悟を持って心臓血管外科の魅力を十二分に堪能してください。
最後に一言。
『私は今年で当番幹事を卒業しますが、心臓血管外科サマースクールは永遠に不滅です!?!』
ご挨拶
第8回心臓血管外科サマースクール2018 当番幹事 椎谷 紀彦
今年度の心臓血管外科サマースクール当番幹事を坂本先生と一緒に担当させていただく、浜松医科大学の椎谷です。本スクールにご参加いただき有難うございます。
心臓血管外科は、形態と機能が一体となった、解剖学・生理学に基づく機能再建外科で、生物学(悪性腫瘍)が主の他の外科とは一線を画します。自身の技量(知識、経験、技術、判断力、人間力)は結果に直結し、患者さん・ご家族の人生を左右します。高い職業意識が要求され、心技体を磨く必要がある大変厳しい仕事です。でも、だからこそ、やり遂げた時に得られる喜びは大きいのです。この“やりがい”は、他の職種に比類ないものであり、まさに“生きがい”、すなわち人生をかけるに足る仕事であると思います。
心臓血管外科という仕事に興味がある医学生の数は、決して減少してはいないと思いますが、この厳しさが高いハードルとなり、実際に門をたたく医師は多くはありません。その中で、次代を担う医師を育成することは、先輩である私たちの責務でもあります。本スクールには第1回から7回目の参加になりますが、老若男女問わず志を同じくする沢山の仲間と交流し、心臓血管外科という仕事の魅力に触れていただくお手伝いが出来れば幸いです。