保健医療社会学論集  


第35巻2号 2025


目次

特集 第50回大会(2024年度)東京医療保健大学船橋キャンパス

大会長講演

弱いままで生きられる社会のために――知の開発と共有へ――・・・・・・・・・吉田 澄恵……1

教育講演

弱い立場にある人々とともに進める研究
――アイヌ民族や被爆者を対象とした研究からの教訓――・・・・・・・・・武藤 香織……7

大会記念シンポジウム

「ケアの主体を問い直す」
公衆衛生看護職(保健師)が住民に行うケアとは
――複合的な健康ニーズを持つ地域住民への支援――・・・・・・・・・安齋由貴子……14

ケアの主体を編みなおす
――ドゥーリア・境界システム・メッシュワーク――・・・・・・・・・矢原 隆行……20

ケアの主体を問い直す
――予めの排除の効果として産出される主体としての当事者――・・・・・・・・・天田 城介……27

大会連動企画

弱さを抱きしめて――あなたと私の正義論――・・・・・・・・・宮坂 道夫……39

子どもたちが弱いまま生きられる社会のために
――不登校の子どもたちの居場所作りを通して――・・・・・・・・・西尾 美里……46

「弱さの倫理学」の視点からみた医療における「強さ」と「弱さ」・・・・・・・・・櫛原 克哉……50

原著

実践の中の精神医学的診断概念――見立ての実践的推論形式――・・・・・・・・・河村 裕樹……54

脳の差異と思想の転位――日本におけるニューロダイバーシティ言説――・・・・・・・・・渡辺 翔平……65

不確実な状況における「納得のいく医療」とは
――標準治療を選択しなかったアトピー性皮膚炎の人びとの事例から――・・・・・・・・・牛山 美穂  松繁 卓哉……76

ハンセン病療養所退所者のパッシング実践
――多様な自己呈示の仕方に着目して――・・・・・・・・・千歩 弥生……86

研究ノート

「孤独/Lonelinessの医療化」論で何が問われているか?
――PubMed収載文献の動向から――・・・・・・・・・本間三恵子……96

いかにして医療従事者は「性を語る」ことができるのか
――助産師・産婦人科医師へのインタビュー調査から――・・・・・・・・・前田 絢子……106

書評

大島岳 著『HIVとともに生きる――傷つきとレジリエンスのライフヒストリー研究』
(青弓社、2023年)・・・・・・・・・新ヶ江章友……116

矢原隆行 著『リフレクティングの臨床社会学――ケアとダイアローグの思想と実践』
(青土社、2023年)・・・・・・・・・野口 裕二……118

上野彩 著『「名づけられない」病いの軌跡――希少未診断の社会学』
(生活書院、2024年)・・・・・・・・・鈴木 智之……120

柏﨑郁子 著『〈延命〉の倫理――医療と看護における』
(晃洋書房、2024年)・・・・・・・・・井口 高志……122

樋口麻里 著『精神障がいのある人を排除する社会でよいのか――国際比較調査からみる人間の価値』
(ナカニシヤ出版、2024年)・・・・・・・・・心光世津子……124

齋藤公子 著『がん患者の集団になにができるか――肺がんの罹患経験の社会学』
(現代書館、2024年)・・・・・・・・・松繁 卓哉……126

李怡然 著『遺伝について家族と話す――遺伝性乳がん卵巣がん症候群のリスク告知』
(ナカニシヤ出版、2024年)・・・・・・・・・前田 泰樹……128

Guido Giarelli and Mike Saks eds., National Health Services of Western Europe: Challenges, Reforms and Future Perspectives
(Routledge, 2024)・・・・・・・・・細田満和子……130

編集後記