宋・王継先等校 宋紹興二十九年上進 江戸〔中期〕写 毎冊29.0×20.5p
当本に序文はなく、全書は日本紙で計四二四葉ある。毎巻首行に「紹興校定経史証類備急本草画図巻之一」、あるいは「紹興校定経史証類備急本草画巻之二」などと記されている。各紙に匡郭は引かれず、目録は十二行二段に記される。第五巻末葉に「右校定本草画巻全部、余偶訪於富士亭/談笑之余得看之、故請主人以写之/京師□□□蔵書」の識語があるが、□□□の部分は切り取られている。また巻五の象牙条下に「享保十六年六月ジャガタラ国より日本へ献ず。云々」、同巻虎骨条にも「享保十九年阿蘭陀献、日本謝帰」と記入されている。これより当本の書写が享保十九年(一七三四)以降と知れるが、江戸後期までは下らないだろう。
本書は清代に中国で佚伝したが、もと二十二巻のうち十九巻が日本に伝存し、それよりさらに二十八巻本系と五巻本系が派生し、計三十点の日本写本が日本と国外に所蔵される。当本はその五巻本系で、十九巻本より主に図を抄撮したもの。写字台文庫には二十八巻本(021-543-24)もあり、本書の成立・著者等についてはその解題に記した。