奎章閣の研究員のKim Hoo氏は私の住んだゲストハウスから5、6分歩き下った高層マンションに住んでいる。前々から家でご馳走してくれるとのことだったが、ちょうど同じ建物内の広い部屋へ引っ越していて、引っ越して落ち着いた後に招待してくれた。奥さんは私のページを見て、私の趣味が料理と知ってビビったとのこと。しかし、真柳は酒さえ飲ませれば何でも食べることをKim氏から聞き安心したらしい。
そういう理由からか酒は焼酎・マッコリなど各種あったが、料理はメインが下写真中央の丸皿に盛られたクロダイおよびヒラメの刺身。刺身の皿には日本より色づけが濃いワサビ(韓国でもそう発音する)がある。奥さんの手料理はチジミなど小皿に盛られた各種が出され、ほとんど日本の家庭料理で美味しい。
そのうち下写真左のように、どんどんKim氏の友人が集まってくる。みな彼の同僚や同窓らしく、歴史関係の若手研究者。英語以外にも中国語や日本語を話せる人も何人かいて、盛り上がった。それで私は彼の引っ越し記念の宴会なんだろうと思って訊くと、実は私に酒を飲ませるための会だという。ならば「ナヌン スルコレ イムニダ(私は鯨飲)」と覚えたての言葉をほざき、コップで焼酎を飲むことにした。後でKim氏がいうには、みな相当に驚いたらしく、あの日本人は「ノンベーで好いヤツ」という評価とのこと。この評価には私が驚いた。なお奥の台所に立つのはKim氏の奥さんと思う。
下写真右もKim氏の娘さんを抱き上げて幸せな私、および彼の友人達とその娘さん。みな相当出来上がっている。下写真右はKim氏が大事そうに出してきたブドウで作った焼酎で、たしか北朝鮮産と言っていたと思う。Kim氏の両親は北の出身なので入手できたのだろう。写真にあるようにアルコール60%で、さすがにこれだけはお猪口でいただいた。ともあれ、この夜も途中から記憶がなくなったが、宿舎には問題なく帰着していた。