2001年8月2日昼食 カフェテリア特餐
                 (台北故宮博物院レストラン「上林賦」にて、80元=約300円弱)
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 故宮内のレストランはここしかないので、昼をはさんで故宮に来た人は、大抵ここで食事をしたことがあるだろう。もちろん故宮職員の多くもここで食事をしており、以下に紹介する定食用の食券が配布(買う?)されている。

 十年以上前は普通のレストランで、料理を注文して来るまで遅かった記憶がある。今はいわゆるカフェテリア形式で、右写真のように皿に盛られた各種料理、またスープなどを自分で選ぶようになっており、待たされることはない。最後に奥のレジの前でご飯を取り、会計してからテーブルにはこんで食べるというもの。

 ここの料理は日本の台湾観光案内書にも載っているとかで、かなり美味しい部類に入ると思う。ご飯も池上米というブランド物だし。ただし一皿の量が案外あり、3人なら3種類、4人なら4種類を各一皿取ってちょうどいい。でも1人の食事には1品でも量が多いうえ、おかず1品ではバランスにも欠ける。また一品は写真右端に240元とあるように概ね二百数十元で、市内の中級レストランなみ。

 そこで採用されているのが自助餐(セルフサービス食堂)という形式。これは台湾のどこでもあるスタイルで、各種料理を適量自分で皿やパック弁当箱に取る場合と、こちらで指示して盛ってもらう場合がある。どうも日本語に直訳できないが、組み合わせ自由定食とでもいうべきか。

 故宮レストランの「特餐」もその一種で、レジの手前に左写真の専用コーナーがある。主菜は肉類と魚類の料理が1品ずつあって各40元、副菜は野菜料理や卵・豆腐料理など約5品あって各15元。写真のように皿を渡してそれらを指さし、自由に組み合わせて盛ってもらう。最後に茶碗ひとつ10元のご飯となるが、レジの小姐はそれを一瞬にらんで即座に○○元と暗算してレジに打ち込む。その早さと正確さは舌を巻く。古代から九九算があり、子供の時にそれを教え込む中国文化圏でしかありえない芸当といえよう。

 上の写真は2001年8月2日の昼食に私が組み合わせたもの。主菜1品・副菜2品・ご飯1椀で、しめて80元(=約300円弱)だった。なお写真のスープとお茶は、レストラン最奥の小部屋に行って自分でついでくる無料のタイプ。お茶はプーアル系。スープは5〜6バージョンくらいあるようで日々違うが、そこそこの味。

 主菜:皿上方。骨抜き豚リブぶつ切り・冬瓜・ニンジンの煮込み 薄醤油味とろみソース仕立て

 副菜:皿左下。雪裏菜古漬け(高菜の古漬けに似る)の辛味炒め
    皿右下。小白菜(小松菜の形で味・食感は白菜)の塩味炒め(に私が唐辛子醤油をまぶした)

 スープ:薄塩のワカメ鶏ガラスープ

 ふつうの観光客は台湾人も外国人もこの「特餐」を知らず、高いカフェテリア形式で食事している。無料スープは私も知人に教えてもらい、昨年知ったばかり。が、特餐でも十分に満足するはずなので、機会があれば利用すべきだろう。たとえ全種類にご飯2杯食べても200元を越すことはない。

 ちなみに酒も各種あり、台湾ビール・紹興酒・高粱酒・ウイスキーのほか、外国ワインが1本千元強。コーヒーはカプチーノが50元、缶が25元、各種ジュースもある。レストラン二階は喫煙可で、昼間からビールがぶ飲みして宴会気分の人もたまに見かける。また一階の壁側には個室があり、ここでもよく地元の団体がなにやら宴会している。