介護・医療崩壊は鴨の味?
「もっとPCR検査しろ」の大合唱が招くこと:「経済新聞」を名乗りながらデューディリ一つできなかった会社の記事から

読者が馬鹿者揃いであるとの大前提で書かれた日経記事
  厚労省は間違っていない.間違っているのは日経の方だ
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●日本国内で新型コロナウイルスの感染者が出て3カ月近くがたった。前例のない危機対応に直面する首相官邸に対し専門的知見を盾に厚生労働省が壁になる構図が目立つ。政府内の足並みの乱れはさらなる対応の遅れを招きかねない。4月上旬の首相官邸。「PCR検査はなぜ増えないんだ」。安倍晋三首相は加藤勝信厚生労働相や西村康稔経済財政・再生相らとの協議で不満を示した。(中略)今回の危機対応ではその独立性が動きを鈍くした。重度に応じ区別するしくみを早急に作り検査の数を増やす方向にいかず、軽症者の入院が増え続ければ重症患者に手が回らなくなる「医療崩壊」への懸念という以前からの姿勢が先に立った。安倍1強にも医系の「聖域」 検査・薬で厚労省と溝 日本経済新聞 2020/4/10)
●新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、日本が検査で後れをとっている。検査数は1日2千件を切っており、100万人あたりの検査数はドイツの17分の1だ。感染の実態を正確につかみ、きちんとした対応策を打ち出すには、検査の拡充が欠かせない。(下記注)
コロナ検査、世界に後れ 1日2000件弱で独の17分の1(日本経済新聞 2020/4/2)
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医療崩壊キャンペーンは朝日や毎日の専売特許かと思っていたら,COVID-19煽り報道による医療崩壊キャンペーンでは日経が最先端を行っているようだ.また,ことあるごとに首相を悪者に仕立てる悪趣味も朝日や毎日の専売特許かと思っていたら,ここでも日経が先行している.

注:2020/4/11現在,ドイツの100万人あたりのCOVID-19による死亡数は33で,日本(0.7)の47倍である.低コスト・ハイパフォーマンス原理主義を日経は何時から捨てたのか?
そうでないとしたら,日経の読者がCOVID-19の診療成績を各国間で比較するためには真のエンドポイントである100万人あたりの死亡数で比較する必要があることも知らない=命と検査のどちらが大切かも知らない,そんな大馬鹿者揃いであることを大前提に記事を書いているのか?

「もっと検査しろ」の大合唱が日本中の医療機関を相模原中央病院と同じ運命に陥れる
COVID-19は淘汰の危機に陥っていた既存の報道機関の救世主となった(感染症パニックをビジネスチャンスと捉えるメディア).しかし,この救世主にも永遠の命があるわけではない.その命を長らえさせる最も手っ取り早い手段が「もっと検査しろ」の大合唱である.検査を増やしたからといって施設利用者やCOVID-19患者を救えるわけではない.検査が増える→感染者が増える→介護施設・医療機関の負荷が増大する&介護施設や医療機関の職員の感染者も増える→介護施設や医療機関の閉鎖=介護崩壊・医療崩壊.日本全国の介護・医療機関を相模原中央病院と同じ運命に陥れる.これこそがマスコミの目指すところである.

「もっと検査しろ」報道の狙いは簡単だ.そうしないと感染者数を増やせないからだ.では感染者数のハイパーインフレを起こさないと困るのは誰か?もちろんマスコミである.マスコミが思考停止して垂れ流すのは「感染者数が増えた」というゴミ報道だけだ介護施設・医療機関でのCOVID-19感染を細大漏らさず報道し,施設長・院長の記者会見番組・記事で,閉鎖に追い込むそうして行き場のなくなった施設利用者,患者からもっと感染が広がり,もっとゴミ報道のネタが増える拡大再生産

FT買収は大失敗だったでも日経がFTを手放す可能性はゼロ
今我々の目の前で展開されているのは,かつての裁判の乱発による医療崩壊の悪夢の再来,というより悪夢を上回る現実である.なぜならば,裁判の場合には,原告となる市民や,警察,検察,裁判所といった人・組織を動かした上で,さらに被告敗訴ないし被告人有罪という結果を得る必要があったが,COVID-19感染の場合には検査を増やすだけでパニックを起こせる数字がそのまま出てくる.そして裁判のように被告勝訴,被告人無罪という「リスク」も負わずに済む.そんな安易な煽り報道依存体質では,COVID-19終息後の世界では生き残れないにもかかわらず.

そんなこともわかっていないからこそ,恥も外聞もなく煽り報道に走れるのだろう.上記はそんなゴミ報道のほんの一部に過ぎないが,それなりの利点もある.『大枚をはたいてFTを買ったのが大失敗だったそのことは,読者が大馬鹿者揃いであることを大前提にしたこの優良有料記事を読んだだけでわかる5年以内に日経がFTを手放す可能性は50%以上と予言した記事が出たのが2015年。それから5年が経った。では,これからその可能性はどうなるのだろうか?答えは明白である。50%より高くなることは決してない。どんどん低くなっていく。というか,既に日経がFTを手放せる可能性はゼロになっている。もし日経ががFT買収を失敗だと自覚できていなければ,もちろん売ない。一方,「経済新聞」を名乗りながら,買収にあたって買収先の年金コストのデューディリ一つできなかった会社が,FT買収は大失敗だったと万が一自覚できたとしても,もちろん売ない。→湯沢の新築3000万円物件が「ほぼゼロ円」の現実 凋落する「バブル時代のリゾートマンション」

高田 浩次ら.市中病院で経験した、人工呼吸器装着が必要であった重症 COVID-19 肺炎の感染対策、治療について.
岡田有花  「涙なしに読めない」コロナ論文 専門外の医師「手探りで治療」余儀なく 風評被害も…相模原中央病院(Yahoo!ニュース 2020/3/15)
木原洋美 コロナ報道「煽りにはもうウンザリ」、ニュースの中身を吟味してみた(ダイヤモンド・オンライン 2020.3.25)

患者数を偽造する-「感染者数」という名のデマ
コロナのデマに飽きた人へ
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