A子さんの診断に関する意見書

 

池田 正行

法務技官 矯正医官(高松少年鑑別所 医務課長)

NHK 総合診療医ドクターG 企画・編集・監修担当医

香川大学医学部附属病院医療情報部 客員研究員

米国内科学会(ACP)会員

日本内科学会総合内科専門医

日本神経学会神経内科専門医

(独)医薬品医療機器総合機構 専門委員

厚生労働省 未承認薬・適応外検討会議 ワーキンググループ委員

 

 

目 次

 

 

はじめに:

医師免許を持たない裁判官らによる誤診と医学的事実の誤認の数々

 

医学の素人である裁判官達による誤診と初歩的な事実誤認の数々

1.裁判官らはCTの感度に関する事実を誤認した

2.裁判官らは脳症と脳炎の区別もつかなかった

3.裁判官らは診療録も確認しなかった、あるいは意識障害を知らなかった

4.裁判官らは診断学の基本も知らなかった

5. 裁判官らに医師の判断の是非を判断する能力はない

6.裁判官らは神経症候学も知らずにでたらめを書き連ねた

7.裁判官らは国の認定基準も間違えた

8.裁判官らはEBMも臨床推論も知らなかった

 

後藤氏の診断もミトコンドリア病以外にはない

 

おわりに:仙台地裁の裁判官らは難病患者の人権を踏みにじっている

 

参考資料

 

履歴・業績


はじめに:医師免許を持たない裁判官らによる誤診と医学的事実の誤認の数々

将 棋のルールを知らない人は、プロ棋士を相手に勝負を挑むことはできません。それと全く同様に、医師免許どころか、医学教育を一度も受けたことのない仙台地 方裁判所の河村俊哉,柴田雅司,小暮紀幸の3人の裁判官ら(以下仙台地裁の裁判官ら)には、専門医である私のミトコンドリア病という診断を斟酌する資格も 能力もありません。そのことを地裁決定書は以下のように明確に示しています。

第 一に、彼らは、基礎的な医学知識さえも持っていませんでした。地裁決定書には医学論文や医学教科書はおろか、家庭医学書さえ引用されていないのが、何より の証拠です。仙台地裁の裁判官らは医学の勉強を完全にサボタージュして再審請求を棄却したのです。第二に、彼らは、A子さんが急変し て以来、ここ15年 近くの間に起こった医学の進歩も学ぼうともしませんでした。彼らは医学の進歩どころか、肝心のミトコンドリア病の診断基準が改訂されたことにも気づかな かったのです。第三に、私の意見書に対して反論する医師がもはや一人もいなくなったにもかかわらず、あたかも橋本氏や後藤雄一氏(以下後藤氏)が私の意見 書に対して反論した事実があるかのように装い、医学的根拠の全くない揣摩憶測を決定書に書き連ね、誤診の責任を橋本氏や後藤氏に転嫁しました。誤診の一義 的責任は全て仙台地裁の裁判官らにあります。結局診断はミトコンドリア病以外にはないと結論している後藤氏(後述)はもちろん、今は自分の証言を訂正する こともできない橋本氏にも誤診の責任を問うことはできないのです。以上の三重の誤りにより、仙台地裁の裁判官らは数々の医学的事実を誤認しました。彼らは本来の職務である事実認定さえもできなかったのです。

幾 ばくかでも社会常識を持っている成人ならば、将棋のルールも知らずして、プロの棋士に戦いを挑むなどという愚かな真似は決してしません。しかし、仙台地裁 の裁判官らは、家庭医学書の知識さえ持たずに、神経内科専門医によるミトコンドリア病の診断を否定し、A子さんがベクロニウム中毒であると誤診したので す。

私 はこの意見書で、脳解剖学からミトコンドリア病の診断基準・病態、最新の臨床推論に至るまで、仙台地裁の裁判官らに懇切丁寧に説明しなければなりませんで した。それというのも、仙台地裁の裁判官らが、ミトコンドリア病の何たるかを勉強するどころか、家庭医学書さえ開かずに、事実誤認を重ねた挙げ句に、A子 さんがベクロニウム中毒であると誤診したからです。国が指定した難病を負った患者が、解剖学を習ったこともない裁判官らによる、無責任極まりないお医者さんごっこの犠牲となっている。それが再審請求を棄却した地裁決定の本質です。

 

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医学の素人である裁判官らによる初歩的な事実誤認の数々

仙 台地裁の裁判官らは神経内科専門医である私の診断を全面的に否定し、A子さんがベクロニウム中毒であると誤診しました。専門医の診断を全面的に否定するか らには、再審請求から棄却決定までの2年の間、さぞかし専門の医学書を大量に読み込み、専門医にも負けないぐらいの豊富な知識を持っているのだろうと思い きや、全く反対に、彼らは専門知識どころか、家庭医学書にも書いてあるような初歩的な医学知識さえ持ち合わせていなかったことが、以下のように数々の医学 的事実の誤認として明らかになっています。

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1.裁判官らはCTの感度に関する事実を誤認した

「平成121031日午後8時過ぎに撮影された頭部CT検査で異常がなかったから脳症ではない」(地裁決定P31

この判断は、仙台地裁の裁判官らは臨床検査(医療で使われる検査)の感度(参考資料1, 2)の意味が理解できなかったことをよく示しています。臨床検査の感度は医学部3年生までには必ず習得しておかねばならない基礎知識です。将棋にたとえれば、「飛車は縦横にしか動けない」ぐらいの基本的なルールです。にもかかわらず、脳症に対するCT感度さえ知らずに、専門医の診断を否定しようとした裁判官の行動は、プロ棋士相手に、自陣の飛車を斜めに敵陣まで動かして勝ったと喜んでいる素人も同然です。お話になりませんが、そのままでは仙台地裁の裁判官らが、自分達のどこが間違っているのかわからないでしょうから、以下に懇切丁寧に説明しますので、自分たちがなぜ誤診したのかを理解するために、よく読んでください。

どんな検査も100%病気を見つけられるわけではありません。この限界のことを感度と呼びます。仙台地裁の裁判官らの誤解とは全く逆に、A子さんのような急性脳症に対するCTの感度はゼロに近いため、CTは脳症の診断には役に立ちません。それゆえ、脳症を疑った時、CTを推奨する医師はいません。脳症を疑った時は、CTではなく、MRIを使います(参考資料3-5)。さらに、CTのみでMRIを行わなかったために脳梗塞を見逃したとして、滋賀県成人病センターが損害賠償500万円を支払った事例が報告されています(参考資料6A子さんの場合もCTではなく、MRIを行なっていれば、ミトコンドリア病による脳症を見逃さすに済んだ可能性が極めて高いのです。

このように仙台地裁の裁判官らは脳症に対するCTの感度について、初歩的な事実誤認をして、ミトコンドリア病を見逃し、ベクロニウム中毒と誤診しました。この事実誤認は確定判決にも見られますから、仙台地裁の裁判官らは確定判決の事実誤認を再現していることにもなります。

感度は臨床検査診断学の初歩的な知識ですから、仙台地裁の裁判官らが陥ったCTの感度に関する事実誤認は、医学を学び始めた初心者にとって典型的な反面教師的教材になります。下記の文章は私が長崎大学医学部教授の時に、医学部3年生に対して、臨床検査診断学の初歩として感度について教えた時の講義録の一部です。

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た とえば便検査で異常がなかったからといって、胃がんではないとは言えません。便検査では見落としが非常に多いからです。だから、胃がんではないことを確か めたいとバリウムを飲んで胃のレントゲン写真を撮る人もいます。しかし苦労してバリウムを飲んで胃のレントゲン写真を撮っても、進行した胃がんが見つかる だけで、早期胃がんはしばしば見落とします。ですから胃がんを早期に見つけたい場合には、胃の内視鏡(いわゆる胃カメラ)が必要です。この場合、「便検査 は胃がんの感度が非常に低い(見落としが非常に多い)。バリウムを飲んで胃のレントゲン写真も早期胃がんに対する感度は非常に低い(見落としが非常に多 い)。一方胃の内視鏡は早期胃がんに対して十分な感度がある(見落としが極めて少ない)」と表現します。

感度の考え方は、便検査のような簡単な検査にも、CTMRIのような大型の高価な機械を使った値段の高い検査にも適用されます。この時に最も注意すべきは、簡単な検査だからと言って感度が低い、大型の高価な機械を使った値段の高い検査だからといって感度が高いわけではないことです。たとえば、CTは、脳出血に対する感度は高くても、脳症(低血糖や尿毒症など全身臓器の機能障害による脳の機能異常)に対する感度はゼロに等しいのです。

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「脳症に対するCTの感度は非常に高いから、CTに異常がなければ脳症を否定できる」と主張した仙台地裁の裁判官の 医学知識は、私の講義をサボタージュした学生と同じレベルです。しかし、そんな学生達と仙台地裁の裁判官らの間には決定的な差があります。学生達はたとえ 私の講義をサボタージュするようなことはあっても、医学部教授であり専門医でもある私の診断を否定して誤診するような非常識な真似は決してしなかったから です。CTの感度に対する事実誤認により私の診断を否定し、ベクロニウム中毒と誤診した仙台地裁の裁判官らの持っている社会常識は、私の講義をサボタージュした医学生以下です。

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2.裁判官らは脳症と脳炎の区別もつかなかった

脳症においては、高熱、意識障害、けいれんが三主徴であるとされているが、A子の症状経過においては、当初、高熱や意識障害がなかったことが認められ」(地裁決定P31

ここでも脳症と脳炎の取り違えという、事実認定の初歩的な誤りが認められます。脳症では熱は出ません。熱が出るのは脳炎(参考資料 5, 7)です。脳炎と脳症とは字面が似ているだけで全く違う病気であることは、誰でも家庭医学書(参考資料 (参考資料7)を開けばわかります。

以下の説明も長崎大学医学部3年生に対する講義録からの抜粋です。なお同様の内容は家庭医学書にも書いてあるので、今からでも脳炎と脳症の違いを勉強したいと思う奇特な裁判官諸氏のために参考資料として添付します(参考資料7, 8)。

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脳 炎とは、人間の体の外から侵入してくるウイルスや細菌などの病原体に代表される異物を排除しようとする体の反応(炎症反応)が脳に起きる病気です。それに 対し、脳症は、肝臓、腎臓、内分泌(ホルモン)などの体内環境を司る臓器の機能に異常が起きて、その環境変化の影響で脳の機能に異常が生じた状態です。こ のように脳症は脳炎とは全く異なる病気です。この二つの病気を取り違える誤診をすれば、適切な治療ができずに患者は死亡します。さらに脳炎は炎症ですから 熱が出ることもありますが、必ず出るとは限りません。熱が出ない脳炎もあります。それに対して脳症では炎症反応は起きません。ですから脳症では熱は出ませ ん。

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上記のCTの 感度問題と同様に、脳症と脳炎を取り違えた仙台地裁の裁判官らの医学知識は、私の講義をさぼった学生と同じレベルです。しかし、そんな学生達と仙台地裁の 裁判官らの間には決定的な差があります。学生達はたとえ私の講義をサボタージュするようなことはあっても、医学部教授であり専門医でもある私の診断を否定 するような非常識な真似は決してしなかったのです。私の診断を否定し、ベクロニウム中毒と誤診した仙台地裁の裁判官らの社会常識は、ここでも私の講義をサ ボタージュした医学生以下というわけです。

 

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3.裁判官らは診療録も確認しなかった(あるいは意識障害を知らなかった)

「脳症においては、高熱、意識障害、けいれんが三主徴であるとされているが、A子の症状経過においては、当初、高熱や意識障害がなかったことが認められ」(地裁決定P31

綾 子さんに意識障害がなかったとの仙台地裁の裁判官らの主張も、またまた重大な事実誤認です。北陵クリニックの診療録を見ればA子さんが受診時から急速に意 識障害に陥っていることが明白だからです。このような重大な事実誤認の原因として二通りの可能性が考えられます。もし、裁判官が、意識障害とは何かとい う、これも家庭医学書にも書いてある知識(参考資料9)を知っていたとすれば、原資料である診療録を見ていないことになります。もし、診療録を見ていたとしたら、彼らは意識障害の何たるかを知らなかったことになります。どちらにしても、重大な事実誤認であることには変わりありません。

意識障害を呈する疾患は極めて多岐にわたりますから、意識障害の評価はあらゆる診療科の医師に求められる基本的な診断技術です。もちろん医学生は病棟で学ぶ5年生になる前に、意識障害の評価法を習得していなければなりません。仙台地裁の裁判官らの知識も判断は、ここでもまた医学生にさえ及ばないのです。

 

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4.裁判官らは診断学の基本も知らなかった

内科の病気の診断には、内科診断学が必須です。内科診断学では、取得した知識をどのように組み合わせて診断論理を構築するかを学びます(参考資料1)。医学部は5年 生で実際に病棟に出て患者さんに接する前、3年生から4年生にかけて内科診断学を習得します。警察鑑定をベクロニウム中毒の唯一の診断根拠とする仙台地裁 の裁判官らの主張は、彼らが内科診断学という言葉さえも知らないことを示しています。ここでも裁判官の診断力は医学部4年生以下ということになります。以 下は、長崎大学医学部3年生に対する内科診断学の私の講義ノートからの抜粋です。

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診 断の基本は患者を第一に考えることです。言い換えれば、機械が出した臨床検査結果に飛びつく前に、患者の症状経過を最も合理的に説明できる疾患を慎重に判 断することにあります。有能な医師ほど、機械信仰に陥らずに、人を診るという原点を常に大切にするのです。患者の話をじっくり聴き(問診)、丁寧に診察し た後、初めて、複数の観点から臨床検査を行い、最終的に診断を確認するのです。

慎 重な問診・診察を行った上で、複数の観点から臨床検査を行うのは、単一の臨床検査だけでは、判断を誤るためです。そこで、全ての臨床検査結果が患者の症状 経過と矛盾がなければ診断が確定しますが、もし、複数の臨床検査のうち、一部の臨床検査だけが症状経過を説明できず、他の多くの臨床検査が症状経過を説明 できれば、症状経過を説明できない臨床検査を棄却します。ここでも患者の症状経過を第一に考える。これが正しい診断プロセスです。

自 分が患者になって、絶対に誤診されたくない立場になってみると、このことがよくわかります。あなたが、急な腹痛・嘔吐で救急外来を受診したとしましょう。 医師が適切な問診と診察を行った後、超音波検査を行って、肝臓に癌と思われる腫瘍が見つかったとします。しかし、超音波検査の結果だけで、いきなり救急外 来であなたに抗がん剤を投与したり肝癌の手術を行なったりするような医師はいません。

急な腹痛・嘔吐の患者を診たとき、十二指腸潰瘍の穿孔、急性膵炎、急性胆嚢炎、腸閉塞など、決して見逃してはならない緊急性の高い疾患が数多くあることを知っている医師は、そこで一旦、超音波検査の結果とは全く独立別個に、血液、尿、X線写真撮影等を行い、問診で得られた症状経過、診察所見、臨床検査結果を全て含めて総合的に考えます。それでもやはり肝癌が一番疑わしいとなれば、そこで初めて、抗がん剤や手術治療をじっくり相談できるような再来日を設定して、その日は一旦帰ってもらいます。

し かし、症状経過、診察所見、そして超音波以外の臨床検査結果全てが十二指腸潰瘍の穿孔(穴が開くこと)に見合った所見であれば、全く話は違ってきます。超 音波検査の結果は棄却し、十二指腸潰瘍穿孔に対して緊急手術をします。そこでもし超音波検査の結果だけを優先し、本当は十二指腸潰瘍穿孔なのに肝癌と誤診 して鎮痛剤だけを処方して帰宅させれば、十二指腸の穴から漏れ出た腸液や細菌が、あっという間に本来無菌状態の腹腔内(内臓が納まっているお腹の空間)の 中に広がり、腹膜炎を合併してあなたは急死します。

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仙 台地裁の裁判官らの誤診は、まさにこの内科診断学の基本を弁えなかったことにありました。超音波検査という高度医療機器による検査結果だけを信用し、十二 指腸潰瘍穿孔を見逃して患者を死亡させた医師(実際にはこのような不届きな医師はいませんが)と全く同様に、鑑定のみにこだわり、腹痛、嘔吐、軟便といっ たA子さんの大切な主訴を無視したために、ミトコンドリア病を見逃したのです。

そ れに対して、私がベクロニウム中毒を除外し、ミトコンドリア病であると診断できたのも、内科診断学の基本を知っているからです。鑑定とは全く独立別個に、 A子さんの症状経過とベクロニウム検出以外の検査結果が、ベクロニウム中毒で整合性を持って説明できるかを検証するのが、基本的な内科診断学を習得した医 師たる者の務めです。

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5.裁判官らに医師の判断の是非を判断する能力はない

「確定判決は ,橋本教授の前記見解について,マスキュラックス等筋弛緩剤の一般的な筋弛緩効果の発現機序 ,発現態様 に沿うものであること,橋本教授が筋弛緩剤についての専門的知識を有していることなどから,十分にその正当性を肯定することができると判断」(地裁決定P31

将棋のルールを知らない素人が、棋士の腕前を評価することはできません。それと全く同様に、家庭医学書さえ開いたことのない仙台地裁の裁判官らに、10年間の医学の進歩から取り残された橋本氏の判断の是非を評価する資格はありません。

そ もそも鑑定ではなく、単なる口述筆記に過ぎない橋本証言・調書には医学的診断価値はありません。医師の診断は、必ず自らの思考過程を文章として表現し、さ らに文献的根拠を明示しなくてはなりません。医師の診断を明記する文書としては、症例報告としての医学論文が最も正式な形であり、鑑定として裁判に提出す る場合も、症例報告に準じた形で行います。論文の形をとらず、考察も不十分ながら、後藤意見書さえも一応根拠文献と思考過程を文書で示しています。

と ころが、橋本証言・調書は彼の言葉を筆記したものに過ぎず、文献的根拠とそれに関する考察が全く示されていません。橋本証言・調書には医学的根拠が一切示 されていない、それも検察官、裁判官、弁護士といった医学知識のない人々とのただのお喋りの口述筆記に過ぎないのです。このような診断根拠を示さない口述 筆記は、診療現場では紙くず同然です。

さらに、橋本氏の証言・調書が作成されてから、すでに10年以上が経過しており、日進月歩の医学の世界では、もはや価値を完全に失っていることにも、仙台地裁の裁判官らは全く気づいていません。医学は古文書学ではありません。今や世界標準の教科書の改訂が1年では追いつかない時代です。10年以上前の一人の医師の見解など、誰も振り向きません。

以上のように、仙台地裁の裁判官らによる誤診は、彼らに医学的な知識も医学的な思考能力もなかったために、橋本証言・調書を批判的に吟味することなく、盲目的に依存してしまったことが大きな原因です。

もしも、橋本氏の主張とベクロニウム中毒という診断に、あらゆる点で何の疑念もないとするならば、日本中の麻酔科医の誰一人として意見書一つ書こうとしない現実を、仙台地裁の裁判官らはどう説明するのでしょうかベクロニウム中毒という彼の誤診を擁護するのが、日本中で仙台地裁の中でも3人の裁判官らだけになってしまった事実は、医学の進歩の中で、10年以上前の橋本氏の証言・調書も、ベクロニウム中毒という診断も、もはやその価値が完全に消失したことを示しています。

 

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6.裁判官らは神経症候学も知らずにでたらめを書き連ねた

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(地裁決定P39中段) (2)池田意見書のうち,A子の症状がマスキュラックス投与による効果では説 明できないとする部分について池田意見書の前記部分は ,前記 3 (2)記載のとおり ,新規性が否定されるところであるが,なお念のため,その明白性について検討するに、以下のとおり,明白性も否定される。(中略)

酸素飽和度が回復しつつある段階 にあったと考える ことができるのである から,午後 7 8 分以前に低酸素脳症が生じていた可能性を否定することはできない。

(P40)

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北陵クリニックに来院後のA子さんの急激な症状の悪化は,脳の中脳・脳幹という部位(参考資料10, 11)の障害によります。このことは、再審請求意見書で私が明らかにしました。そこで展開した緻密な論理は、この10年間にも着実に進歩してきた神経症候学の学問体系(参考資料12)を踏まえています。

神 経症候学を学ぶためには、医学部1年生から2年生にかけで習得する解剖学、組織学、生理学、生化学、薬理学といった基礎医学の知識が必須です。中脳・脳幹 の解剖学さえ知らない、医学部1年生以下の仙台地裁の裁判官らが最新の神経症候学を知っているはずがありません。また仙台地裁の裁判官らがよりどころにし た橋本氏の証言や調書にも、神経症候学的考察は見当たりません。麻酔科医の診療では神経症候学的考察は不要ですから、無理もありません。麻酔科医に神経症 候学的考察を求めることは、そば屋に入ってうまいカレーを食わせろと言うのと同様の無い物ねだりです。

仙台地裁の裁判官らは、あたかも橋本氏が私の意見書に対して反論したかのように装っていますが、私 が意見書を書いたときは、すでに橋本氏は亡くなっていましたから、私の意見書に対する橋本氏の反論はこの世に存在しません。したがって、橋本氏の見解を擁 護し、私の意見を否定する仙台地裁の裁判官らの主張は、全て医学的根拠のない、彼らの勝手な想像です。上述のように、そもそも家庭医学書レベルの知識さえ ない仙台地裁の裁判官らには、医師の判断を云々する資格も能力もありません。

もしも、橋本氏の主張とベクロニウム中毒という診断に、あらゆる点で何の疑念もないとするならば、日本中の麻酔科医の誰一人として意見書一つ書こうとしない現実を、仙台地裁の裁判官らはどう説明するのでしょうかベクロニウム中毒を否定する私の除外診断に対して反論を試みているのは、中脳の解剖も知らない仙台地裁の裁判官らだけなのです。彼らは、将棋のルールも知らずして、プロの棋士に戦いを挑んだ素人も同然です。

そんな仙台地裁の裁判官らの1ペー ジ半にわたる主張(下記)は、何らの医学的文献の引用もない、神経症候学を踏まえない素人のでたらめな空想に過ぎず、何の診断的価値もありません。将棋に 例えれば、プロ棋士を相手に、飛車を斜めに動かし、角を縦横に動かして自分の勝ちを主張している素人の戯れ言に過ぎません。明白性が否定されるのは、基本的な知識もなくでたらめばかり書き連ねた地裁決定の方です。

診 断学も神経症候学も知らず、もちろんミトコンドリア病という病気がどんな病気で、ベクロニウム中毒がどういう症状経過を示すかも全く知らない仙台地裁の裁 判官らは、日本という国を知らない外国人が、フジヤマ、ゲイシャと、めがねをかけた出っ歯の男性に満ちあふれた国を思い浮かべるように、空想の世界に遊ぶ ことによって、ミトコンドリア病という病気は、たぶんこんな感じだろう、それに比べてベクロニウム中毒はたぶんこんな感じだろうと想像することしかできな かったであろうことは理解できます。

自分が診療したこともない病気についてあれこれ想像するのは個人の勝手ですが、仙台地裁の裁判官らは、その個人な勝手な空想だけを根拠に、専門医である私が責任を持って下したミトコンドリア病という診断を否定し、ベクロニウム中毒と誤診したのです。

 

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7.裁判官らは国の認定基準も間違えた

し かしながら前記認定基準は、患者が国から医療費の助成を受けるために利用される基準であり、池田意見書に参考文献として添付された資料によれば、これ (注:後藤氏が作成した現行の認定基準のことを指す)とは別に厚生労働省の研究班が作成したミトコンドリア病メラスの診断基準がある(P37

裁判官が私の診断を否定しようと持ち出してきた認定基準はもうすでに使われていません。失効しているのです。ここでもまた医学の進歩を全く考慮しない仙台地裁の裁判官らによる事実誤認が明らかです。

ミ トコンドリア病の医学は常に進歩しており、後藤氏が作成した診断基準が最新のものです。国から医療費の助成を受けることと医学診断は常に同一の行為であ り、用いる基準も常に同一であり、厚生労働省は二重基準を設定していません。今は後藤氏自身が作った基準が唯一の認定基準として使われています。このこと は、難病情報センターのホームページを閲覧すれば一目瞭然ですから、裁判官は一般市民でも見られる基本的な公開情報さえ確認を怠っていたことになります。 お話になりません。

い やしくもミトコンドリア病の診断を云々して再審請求の可否を決定するのですから、国の現行基準を自らの目で確認するのは本事案に関わる人間にとって最低限 の義務です。現に検察官は古い基準が失効していることを知っていたからこそ、意見書の中でもそれを引用しなかったのです。再 審裁判官として最低限の義務さえ果たさなかった仙台地裁の裁判官らの見識は、医学生以下どころか、一般市民にさえも劣ることを自ら露呈したのです。肝心要 の診断基準を間違えるような初歩的な間違いは、仙台地裁の裁判官らの杜撰な仕事ぶりを象徴しています。そんな彼らには、専門医である私の診断を斟酌する資 格も能力も一切ありません。

先の意見書で私が証明した通り、A子さんは後藤氏が作成した現行の国の認定基準で確実例なのですから、一日も早く国がA子さんをミトコンドリア病と認定し、救済しなくてはなりません。裁判所がそれを知りながら誤診し、A子さんを放置することは、国の政策を妨害し、難病患者が適切な治療を受ける権利を踏みにじる行為に他なりません。

 

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8.裁判官らはEBMも臨床推論も知らなかった

地裁決定P35 4池田意見書の明白性からP37の 中程までに至る部分では、仙台地裁の裁判官らはあたかもミトコンドリア病を否定できるかのように誤解していますが、そもそも後藤氏は、仙台地裁の裁判官ら の誤解とは逆に、診断はミトコンドリア病以外にはないと考えています(後述の「後藤氏の診断もミトコンドリア病以外にはない」参照)。

ここで仙台地裁の裁判官らが陥った事実誤認は、近年急速に進歩した診断学の進歩、つまり根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine 以下EBM)と臨床推論(clinical reasoning)を考慮できなかったために生じました

血中乳酸の上昇がグリセロールでも説明できるからA子さんがミトンドリア病ではないとする後藤氏の主張は、EBMと臨床推論に対する後藤氏の認識不足から来る、臨床推論の初歩的な間違いであり、その初歩的な間違いによって、EBMと臨床推論という言葉さえ知らない仙台地裁の裁判官らは事実誤認に陥ったのです。

EBMも臨床推論も、ともに2000年以降、主に北米(カナダ・米国)や英国を中心に急速に進歩した医学分野です。このため、亡くなった橋本氏はもちろんEBMも臨床推論も知りませんでした。後藤氏の意見書にもEBMや臨床推論の形跡は見あたりません。EBMや臨床推論は後藤氏の専門外の分野であり、30年以上前に医学部を卒業した後藤氏にそこまで考えろと要求するのは無理な話です。従って、この点については、決して橋本氏や後藤氏を責めるわけにはいきません。

今やEBMも臨床推論も医学生の必修科目となっています。私は、2000年から米国内科学会のプログラムを利用し、EBMと臨床推論を習得し、訳書を著し(参考資料2)、研究成果は世界一流の臨床誌である英国医師会誌に掲載されています(参考資料13)。さらに医学教育でもEBMと臨床推論を積極的に推進しています。EBMと臨床推論に関する教育活動が評価され、2011年から4年間連続してNHK総合テレビジョン「総合診療医ドクターG]で、私の医学教育活動が1時間番組で紹介されています。その内容の質の高さは、米国の伝統あるHugoテレビ賞を獲得したほどです。EBMも臨床推論も今や医学生の必修科目となっているのですから、私の診断を否定しようとする裁判官にも必修科目です。NHKの放送をDVDを参考資料として添付しますので、是非御覧ください(参考資料14)。

以下に仙台地裁の裁判官らの間違いを、長崎大学医学部3年生に対して私の講義録からの抜粋を使って、わかりやすく以下に説明します。もしNHKに出演するほど教育能力が高く評価されている私の説明がわからないとすれば、それは取りも直さず裁判官らの見識が、医学部3年の落第生以下という証左に他なりません。

EBMも臨床推論も決して特別に難しい理論ではありません。それを患者の立場に経って考えてみましょう。たとえば、あなたが細菌性肺炎で入院したとしましょう。細菌性肺炎の診断では、発熱、咳、痰、呼吸音の異常、喀痰中の細菌の存在、X線写真の陰といった症状経過や、いろいろな検査所見を総合的に考えて、最も可能性の高い疾患として肺炎を強く疑い、抗菌薬による治療を開始します。

こ こで大切なのは、患者の症状経過といろいろな検査所見を総合的に考える点です。決して特定の症状や検査所見をばらばらに分解して考えてはいけません。も し、そんなことをすれば、病気を見逃し、患者の命を失うことになります。たとえば、「発熱は胆嚢炎でも生じるから、咳は結核でも出るから、痰はウイルス性 の風邪でも出るから、呼吸音の異常は喘息でも起こるから、喀痰中の細菌は口腔内の常在菌(注:健康人の口の中にも細菌がたくさんいます)の可能性もあるか ら、X線写真の陰は肺がんでも起こるから、だからこの患者は肺炎ではない。だから肺炎治療の必要はない」と結論すれば、あなたの肺炎は見逃され、あなたは死にます。

ミトコンドリア病の一つ一つの症状・所見は、ミトコンドリア病以外でも生じます。だからといって、上記の肺炎の否定と同じ論法を使ってミトコンドリア病を否定すれば、全てのミトコンドリア病の患者を見逃すことになります。これが正にA子さんの身に降りかかった不幸です。

たしかに血 中乳酸値の上昇はグリセロールでも説明できるかもしれません。だからA子さんはグリセロール中毒であるとでも後藤氏は言うのでしょうか?馬鹿げています。 A子さんはグリセロール中毒ではありません。グリセロールでは、A子さんの腹痛も、嘔吐も、意識障害も、複視も、脳病変も、絶対に説明できません。しかし ミトコンドリア病では全て説明できるのです。だからA子さんはグリセロール中毒ではなく、ミトコンドリア病なのです。

さ らに「血中乳酸値の上昇がグリセロールでも起きるから、難聴もミトコンドリア病以外の原因で起きるから、心筋症もミトコンドリア病以外の原因で起きるか ら・・・だからA子さんはミトコンドリア病ではない」という理屈を使えば、ミトコンドリア病が否定されるよりも先に、下記に示すように、ベクロニウム中毒 の診断が全面的に否定されるのです。このことに仙台地裁の裁判官らが気づかなかった事実は、彼らがEBMも臨床推論も全く理解していなかったことを表しています。

血 中乳酸値の上昇にせよ、心筋症にせよ、難聴にせよ、ベクロニウム中毒で起きたという報告は、今まで世界中で一例も報告されていません。一方、ミトコンドリ ア病では、血中乳酸値の上昇も心筋症も難聴もすべて起こることが後藤氏自身の報告を含めて何百何千という論文で証明されています。さらに、A子さんが北陵 クリニックを受診する主訴となった腹痛も、嘔吐も、軟便も、やはり、ベクロニウム中毒では絶対に説明できませんが、後藤氏自身の報告を含めて何百何千とい う論文で腹痛も、嘔吐も、軟便もミトコンドリア病で生じることが証明されています。このように、腹痛も嘔吐も軟便も、血中乳酸値の上昇も心筋症も難聴も、 すべてベクロニウム中毒ではなく、ミトコンドリア病という診断の方に軍配を上げる決定的な証拠なのです。にもかかわらず、グリセロールで血中乳酸が上昇す ることをミトコンドリア病否定の根拠と考えた仙台地裁の裁判官らはもちろん、後藤氏でさえも、EBMも臨床推論も理解できていなかったのです。

 

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後藤氏の診断もミトコンドリア病以外にはない

一 体A子さんの病名は何なのか?A子さんとそのご家族の問いに対して、後藤氏は、真摯に答える使命があります。後藤氏は大学卒業後30年以上経過したベテラ ン医師であるばかりでなく、ミトコンドリア病の専門家なのですから、責任を持って明確な判断を示せるはずです。後藤氏もまさかA子さんがグリセロール中毒 とは言わないでしょう。

後藤氏のようなベテラン医師であれば「検査してみないとミトコンドリア病かどうかはわかりません」などと1年目の研修医のように答えをはぐらかすことは決してありません。そう考えてみると、後藤氏が考えている診断名は、下記に示すように、ミトコンドリア病であることが、自ら明らかとなります。

後藤氏が意見書を書く前の段階では、病名の選択肢は三つありました。それはA. ベクロニウム中毒、B.ミトコンドリア病、C.そ の他の病気です。そこで後藤氏の意見書を読むと、そこにはA子さんがベクロニウム中毒であるとは一言も書いてありません。また、その他の病気の病名も一切 書いてありません。さらに意見書には、「ミトコンドリア病は否定できない」とあります。そして、A子さんの症状経過と所見は、後藤氏自身の作った認定基準 の確実例です。以上から、後藤意見書の結論は、A子さんの病名はミトコンドリア病以外には考えられないということになります。

後 藤氏はミトコンドリア病以外にはありえないと思っているのです。にもかかわらず、あたかも後藤氏が、「グリセロール中毒である」とか、「ベクロニウム中毒 と信じて疑わない」とか、「ミトコンドリア病以外の病気と考えるが自分にはよくわかない」と答えをはぐらかしているかのように受け取っている仙台地裁の裁 判官らは、後藤氏のことを、ミトコンドリア病の専門家どころか、自分たちと同じように家庭医学書を開いたこともない人間か、あるいは患者や家族に対して真 摯に向き合わない、不誠実な研修医ぐらいにしか考えていないことになります。

 

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おわりに:仙台地裁の裁判官らは難病患者の人権を踏みにじっている

“し かし、たとえ検察官の起訴が誤っていたとしても、審理する裁判官さえ慎重に科学的・合理的に判断する構えで審理をし、「疑わしきは被告人の利益に」との憲 法上の原則に従って判決をしたならば、茂子さんがこれほどまでに苦しむこともなかった筈である。この事件における裁判官の事実認定は、通常、要求されてい る科学的・合理的判断というレベルからはあまりにも逸脱している”(参考資料15

A子さんが急変してから15年 近くの年月が経過した今、この間の医学の進歩を的確に反映した判断を示し、A子さんの幸せに貢献するのが医師たる私の使命です。一方、再審請求を棄却した 仙台地裁の裁判官らは、謙虚に専門医の意見に耳を傾けようとするどころか、家庭医学書さえ開くこともなく、医学・診断学を全く無視した揣摩憶測による事実 誤認を積み重ねることによって、専門医である私の診断を全面的に否定しようと試みました。その結果,A子さんは国の難病指定も、ミトコンドリア病に対する 適切な治療も受けられずに、今日も放置されています。ベクロニウム中毒と誤診した仙台地裁の裁判官らは、数々の事実認定を誤っただけでなく、ミトコンドリ ア病の見逃しという重大な医療事故の犠牲者であるA子さんの人権を踏みにじっているのです.

 


参考資料

1.           診断検査. メルクマニュアル日本語版 メルク社.

2.           相原守夫, 池田正行, 三原華子, 村山隆之. 診断検査 医学文献ユーザーズガイド 根拠に基づく診療のマニュアル  2011

3.           日本放射線科専門医会: 脳神経系と頭頸部. 画像診断ガイドライン 2003,

4.           高梨潤一. 特集 急性脳炎・脳症 III.急性脳炎・脳症の検査・診断 画像・脳波検査 日本臨牀 2011;69:490-8.

5.           脳炎. メルクマニュアル  メルク社.

6.           読売新聞. MRIせず脳梗塞見逃す 成人病センター 20140528

7.           脳炎. メルクマニュアル医学百科家庭版  メルク社,2008

8.           脳、脊髄、神経の病気の診断 メルクマニュアル医学百科家庭版. ,2007

9.           昏迷と昏睡 メルクマニュアル医学百科家庭版 2008

10.         神経眼科障害および脳神経障害 メルクマニュアル日本語版 メルク社 2005

11.         混迷と昏睡. メルクマニュアル日本語版 メルク社.

12.         神経疾患. メルクマニュアル日本語版 メルク社.

13.         Ikeda M, Matsunaga T, Irabu N, Yoshida S. Using vital signs to diagnose impaired consciousness: cross sectional observational study. BMJ 2002;325:800.(日本語訳あり)

14.         NHK総合テレビジョン. 総合診療医ドクターG 20116月放送録画DVD

15.         秋山賢三. 第三章 再審請求を審理するー徳島ラジオ商殺し事件ー. 裁判官はなぜ誤るのか 岩波書店, 2010.

 

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履歴・業績

学歴

昭和57年 東京医科歯科大学医学部卒

昭和63年 東京医科歯科大学大学院医学研究科 博士課程修了

職歴

昭和57年 東京医科歯科大学医学部付属病院にて内科研修

昭和59年 関東逓信病院神経内科

昭和61年 国立精神神経センター神経研究所

昭和63年 旭中央病院神経内科 医長

平成 2  英国グラスゴー大学ウェルカム研究所研究員

平成 4年 東京医科歯科大学大学院細胞機能制御学講座助手

平成 5年 重症心身障害児施設埼玉県立コロニー嵐山郷 医長

平成11年 国立犀潟病院臨床研究部生化学室長

平成15年 厚生労働省 医薬品医療機器審査センター主任審査官

平成16年 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 審査役

平成19年 知的障害児施設 国立秩父学園 医長

平成20年 長崎大学 医歯薬学総合研究科 教授

平成25年 法務技官・矯正医官(高松少年鑑別所 医務課長)

香川大学医学部附属病院医療情報部 客員研究員

 

専門分野 臨床薬理学 神経内科学 医薬品評価学、臨床推論、EBM (Evidence-based Medicine 根拠に基づく医療)

専門医  アメリカ内科学会認定医、日本内科学会認定総合内科専門医、日本神経学会認定神経内科専門医

 

賞 罰  平成145月 第26回 国際内科学会 優秀演題

 

著 書

認定医・専門医のための内科学レビュー(総合医学社)

神経系の診察(金芳堂)

医学文献ユーザーズガイド−根拠に基づく診療のマニュアル(凸版メディア出版)

 

所属学会 アメリカ内科学会、 日本内科学会、日本神経学会、日本臨床薬理学会, 日本プライマリケア連合学会

 

審議会委員等

  平成20年〜独立行政法人医薬品医療機器総合機構 専門委員

  平成22年〜厚生労働省 未承認薬・適応外検討会議ワーキンググループ委員

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