会長挨拶

第63回日本先天代謝異常学会学術集会
第18回アジア先天代謝異常症シンポジウム
会長 中村公俊
(熊本大学大学院生命科学研究部小児科学講座 教授)

 この度、第63回日本先天代謝異常学会学術集会、第18回アジア先天代謝異常症シンポジウムを、2022年(令和4年)11月24日(木)~26日(土)に熊本市の熊本城ホールで開催させていただくことになりました。熊本ではこれまでに、1985年に松田一郎名誉教授が第28回、2005年に遠藤文夫名誉教授が第48回学術集会を開催されてきました。昭和、平成、令和と続くなかで、また皆様を熊本にお迎えできることはこの上ない喜びです。「先天代謝異常の持続可能な医療を目指して」をテーマとして、希少疾患である先天代謝異常症の医療をどのように持続させるのか、皆様と一緒に考えてまいります。
 2016年4月に熊本は震災に遭い、多くの皆様からのご支援を受けました。その復興は少しずつ進み、被災した病院は再開を果たし、新しいコンベンションホールが開業し、熊本城天守閣の修復が完了しました。ところが、2020年から新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、当初は2020年11月に開催を予定していたこの学術集会は2022年に延期を余儀なくされました。その中で私たちはWebで開催する会議や講義の便利さとその限界を学びました。私が実行委員長を務めました日本先天代謝異常学会セミナーも対面開催を中止しましたが、講師の先生方のご協力を得てWebセミナーの実現に成功しました。これまでに参加できなかった受講者がWebで参加できる便利さを得る一方で、対面で気軽に相談できるというこのセミナーの良さはWebではなかなか再現できませんでした。 本学術集会では、国内外の皆様の気兼ねない出会いが持続できるように対面参加の開催の準備を行いながら、さまざまな事情や状況に応じた対策も進めております。熊本城では、数十年にわたる修復を続けながら、天守閣内部に入場できる特別公開がおこなわれています。くまモンスクエアには相変わらずくまモンも登場するようです。会場の内外で持続する熊本らしさを感じていただける学術集会にしたいと考えています。皆様のご参加を心からお待ちしております。