重要なお知らせ
~完全Web開催への変更~(2021年8月23日)
日本産婦人科手術学会
会員各位
会員の皆様におかれましては、ますますご健勝にてご活躍のこととお慶び申し上げます。ご存知のように学術集会HPでは、9月25日(土)、26日(日)に城山ホテル鹿児島でハイブリッド開催する旨お伝えしていました。その後、新型コロナウイルス感染症第5波に対する緊急事態宣言、蔓延防止等重点措置が発出され、九州でも不要不急の集会等の自粛が強く求められています。学術集会で現地に集合し活発な質疑応答を行うことは“不要不急”ではない重要な学術活動なのですが、最近の感染状況の悪化により、それすらも許されない状況となって参りました。熟慮の結果、まさに断腸の思いで完全Web開催へ移行することに致しました。いままでご来鹿の準備を予定して頂いていた会員の皆様には心よりお詫び申しあげます。
それに伴い、現地での行事はすべて中止ですが、会員の皆様には可能な限りの演題をご視聴いただけるよう早急に準備にとりかかります。会長企画シンポジウム、教育講演、ワークショップ、主題、一般演題をご発表予定の先生方には、お手数ながら事前に音声入りの発表スライドを作成・送付いただき、学会初日の9月25日(土)からオンデマンド配信(各種単位取得は当初の7日間)する予定です。今後別途ご案内申し上げますが、日程的にも座長・演者一同に会した前撮りは困難ですので、座長不在での配信となります。コロナ禍のなか、鹿児島に来て下さることにご承諾いただいていた座長の先生方には心よりお詫び申し上げます。スポンサードセミナーに関しては、オンデマンド配信できない企業の場合は25-26日の土日にライブ配信を予定しています。座長・演者の先生方にはお手数をおかけしますが、各企業・運営事務局からのご案内をお待ちください。
皆様ご存知のように手術学会は動画を見ながら手術のコツやピットフォールをFace to Faceで熱く意見交換する学会です。今回の学会テーマ「伝承の刃(やいば)~次世代に伝える~」の象徴的会長企画シンポジウムとして、高名な3名の先生方に“次世代の先生方に継承していただきたい手術に対する手技や考え方”をご披露いただく予定でしたので、現地でできないのは本当に残念でなりません。他にも興味深い演題が目白押しですので、会員の皆様には見直しも可能なオンデマンド視聴で、多くのものを継承していただければ幸いです。完全Web開催への変更に伴う各種ご案内は本HPで順次お伝えしてまいりますので、ご確認のほどお願い致します。
以上、取り急ぎのご連絡とお詫びを申し上げますとともに、演題を応募下さった先生方、座長を快諾して下さっていた先生方に心より感謝申し上げます。会員の皆様におかれましては、Web参加へのご協力を何卒宜しくお願い申し上げます。
令和3年8月23日
第44回日本産婦人科手術学会
会長 小林 裕明
令和3年3月版
会 長 挨 拶
第44回 日本産婦人科手術学会
会長 小林 裕明
鹿児島大学医学部産科婦人科 教授
このたびは伝統ある日本産婦人科手術学会の第44回学術集会を2021年9月25日(土)、26日(日)の2日間会期で開催させていただくことになりました。大変光栄に存じ上げますとともに心より御礼申し上げます。新型コロナ感染はまだまだ先の見通せない状況ではありますが、本会は手術手技の動画や静止画を含んだ講演と十分な質疑応答を行うことが特徴の学術集会ですので、城山ホテル鹿児島において現地開催させていただく予定です。
ドイツの名宰相オットー・ビスマルクの言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」という格言がありますが、まさに手術に関しては“とりあえず1例目を執刀(経験)してみて、失敗したらその経験を次の執刀で活かせば良い”では困ります。熟練者の手術(歴史)を見学したり、近年豊富になったビデオライブラリーなどで視聴することによって、1例目の患者さんにも良質な手術を届けるべきです。私は大学院と留学の時期を除いて実臨床に従事してきた30年間中、29年超を大学病院で過ごしましたので、“先輩方から手ほどきを受ける時代”にはじまり、“自分で執刀する時代”、“後輩を指導しながら手術する時代”のすべてを医育機関で経験しました。最後の“後輩に継承する時代”にいつも心がけているのは、自分が起こしてしまった失敗を後輩が繰り返さないように、症例別の留意点、執刀上のピットフォールと手技上のコツ、術後管理の要点等を余すなく伝えることでした。スプーンフィーディングで過保護と言われるかもしれませんが、患者さんに不利益を与える修練は絶対に避けるべきですし、なにより自分が失敗したときの落ち込んだ気持ちを後輩には味わわせたくないという思いでした。その分、術後カンファレンスでの後輩執刀の症例に対するコメントは厳しくなり、うまく行かなかった症例はもちろん、順調に終わった症例でもさらに良い執刀ができなかったかに関して事後評価ができているか、次の症例ではそれをどう改善する予定か、などを追求します。このように“失敗例から学ぶこと”は非常に重要なのですが、そこにフォーカスが当てられることは論文はもちろん、学術集会でも滅多にありません。そこで本学会の主題を「失敗から学ぶ~手術における我々の取り組みやコツ~」として、全領域にわたり演題を公募することにしました。手術に関する失敗例からどのような点をどう改善されたか、皆様の取り組みやコツなどご披露いただき、患者さんのベネフィットに直結する意見交換をしたいと思います。
以上も踏まえて、本学会のテーマを「伝承の刃(やいば)~次世代に伝える~」としました。最近流行ったアニメに似たタイトルと背景マークがポスターに描かれていますが、その奥に見えるモニュメントは、鹿児島中央駅前に建つ“若き薩摩の群像”です。薩英戦争でヨーロッパの力に圧倒された薩摩藩が1865年、青年19名による使節団を英国に派遣するわけですが、その命がけの“留学”から帰国した彼らは日本の近代化に大きく貢献しました。まさにこのモニュメントのごとく本学術集会を通して、先人からの“伝承の刃(メス)”を次世代の手術の進歩につなげて頂ければ嬉しい限りです。一般演題、主題演題以外にも特別講演、教育講演、講習単位取得講演、共催セミナー、ハンズオンセミナー等々予定しております。会長講演では妊娠中やロボット支援のトラケレクトミー、新規ロボット仙骨前面固定術やデュアルドッキング手術、産科領域ではTACやポロ―手術等々、自分が取り組んできた術式の開発と工夫を披露して“伝承の刃”ができればと考えています。先の見通せない新型コロナ感染を受けて、今回は海外からの招聘講演は見送ることにしました。残念ですが、ご理解ご了承いただければ幸いです。
その分、国内の先生方には本学会が大切にしてきた、「各分野の“手術好き”が集まって手術の手技・術式について忌憚なき討論を行う」雰囲気を会場で存分に味わっていただき、その後は感染対策に配慮した懇親会で、久方のFace to Faceの親交を深めていただきたいと思います。懇親会ではアトラクションに加え、森伊蔵、魔王、村尾の3Mをはじめとする面々もお待ちしていますので、ぜひご来鹿いただき、秋のベストシーズンを雄大な桜島、各種の温泉とともにご堪能下さい。新型コロナウイルス感染が落ち着き、より多くの皆様と会場でお目にかかれることを心より願っています。