会長挨拶

第43回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会
会長  宮脇 剛司
(東京慈恵会医科大学形成外科学講座 教授)

この度、第43回日本頭蓋顎顔面外科学会学術集会を主催させていただきます東京慈恵会医科大学形成外科学講座の宮脇剛司です。会期は2025年11月20日(木)・21日(金)の2日間にわたり、会場はイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区内幸町)で開催いたします。

頭蓋顎顔面外科は東京慈恵会医科大学形成外科学講座にとって大きな柱の一つであり、本学会は丸毛英二教授が第3回(1985年)を、児島忠雄教授が第14回(1995年)を、そして栗原邦弘教授が第21回(2003年)を主催して以来22年ぶり、4回目となります。歴史と伝統のある本学会を主催させていただけることは大変光栄であり、会員の諸先生に心より感謝申し上げます。

第43回の本学会のテーマは「心地よい顔を求めて ―ラインを極める-」としました。心地よい顔とは、機能的・整容的に自身が心地良いと感じる主観的側面と、周囲が感じる客観的側面の2つの要素があります。患者立脚型評価は前者に、治療者である医師の評価は後者に相当し、いずれも治療成果を評価する重要な要素です。慈恵医大には“病気を診ずして病人を診よ“という学祖高木兼寛の言葉があります。外科手術の結果においては、患者の言葉に耳を傾けることは今後より一層重要になると考えます。

今回は頭蓋顎顔面領域における患者立脚型評価、耳鼻咽喉科、口腔外科、形成外科、肥満外科の専門家による睡眠外科や、顔の輪郭形成術後のフェイスリフトなどについていくつかのシンポジウムを企画します。教育講演には下顎骨骨折治療を基礎から学べるよう大阪歯科大学口腔外科の竹信俊彦教授に、また鼻腔機能とアレルギーについて東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科学講座の鴻信義教授にご講演いただく予定です。

頭蓋顎顔面領域は脳神経外科、耳鼻咽喉科、口腔外科、矯正歯科、眼科、放射線科などさまざまな分野が関わっています。多くの領域の専門家が集まる本学会で議論を深め、患者さんの更なるQOLの向上に寄与できればと考えています。

会員の皆様にとって有意義な会となるよう、プログラムの企画を進めてまいりますので、多数の方々のご参加を心よりお待ちしております。