会長挨拶

第170回日本循環器学会東北地方会
会長 森野 禎浩
岩手医科大学内科学講座 循環器内科分野 教授


 新型コロナウイルスが再び蔓延し始め、移動制限の強化や更に徹底した感染対策が必要となってきました。梅雨時から夏にかけては感染率の勢いが落ちるのではないか、と淡い期待を抱いていましたが、経済活動をある程度動かすと、再び戻ることがわかってきました。従って、比較的長期戦でwithコロナのあるべき変化について、我々は模索していく必要が出て参りました。

 第170回日循東北地方会は、この春の感染状況から集会形式を早々に断念しましたが、中止も含めいくつかの選択肢がありました。一通り思案しましたが、循環器緊急を生業にしてきた者として、やはり安易に「折れてはいけない」と思い、時期をずらしWEB開催で、会員の皆様には自宅や職場からアクセス頂く方法を取り入れてみようと、若干の冒険心で決めました。

 それから数ヶ月のうちに、多くの会議がオンラインになり、WEB講演を経験し、何とかできそうだと後から手応えが出てきました。それから、国内最大規模の日本循環器学会学術集会の予定したプログラム全てをWEB配信しきるという木村剛大会長の快挙(参加者の高い満足度も)を目の当たりにしました。本来なら小さな会議室で少人数を相手に行うはずだった小さなセッションにも、ライブで500人を超える参加者がアクセスし、座長をしながら、この新しい方法の可能性を確信しました。支部会員の皆様も参加することで、経験値がかなり上がったと思います。東北地方会を安易に中止せず、オンライン開催する方向を選択して良かったと思います。

 プログラムに関しては、いくつかの制約があるものの、例年の地方会のプログラム構成を極力踏襲しました。講演、会議、オンデマンドの3つのチャンネルを準備します。
 講演チャンネルでは、YIAの研究と症例部門の発表審査をライブ配信致します(演者と審査員のディスカッションあり)。昼には、支部役員会や支部評議員会を会議チャンネルで行い、午後からは、再び講演チャンネルで「教育セッション」(別途聴講に単位がつきます)にアクセスして下さい。メインゲストとして、長崎大学 前村浩二教授に「循環器病克服5ヶ年計画」に関するご講演を頂きライブ配信致します。このご講演を元に、東北地区の循環器医療のあり方について一緒に考えましょう。

 今回は放送事故を危惧し、YIAを含めた一般演題は事前録画物を配信することに致しました。教育セッション終了後、オンデマンドチャンネルで一般演題、ランチョンセミナー、アフタヌーンセミナーを含め、全てのコンテンツを9月6日まで配信致します。掲載期間中に1つでも多くの演題をご視聴頂きますこと、お願い申し上げます。 

 8月3日時点で276名の事前登録頂きました。驚いたことに、このうち、144名(53%)が東北支部以外からの登録でした。WEB開催は、支部以外の日循会員と地方会を通じ交流できる、新しい価値を提供してくれることがわかりました。第二次事前参加登録をHPにオープン致しますので、特にまだ登録されていない東北支部会員の皆様、急ぎ参加登録をお願いしたいと思います。

 初めての開催で不明な点が多いところ、当方からの情報発信が少なくご迷惑をかけて参りました。開催まで2週間強となりましたので、開催HPに順次情報を掲載して参ります。

 初のWEB開催となる第170回日循東北地方会ですが、何とかつつがなく終了して新たな成功体験を作りたいと思います。支部会員の皆様の寛大なご理解と、篤いご支援をともに賜れますこと、心よりお願い申し上げます。

8月23日にオンラインでお会いしましょう。