ご挨拶
| 第200回日本胸部外科学会関東甲信越地方会 会長 慶應義塾大学医学部 外科学(心臓血管) 志水 秀行 |
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| 副会長 慶應義塾大学医学部 外科学(呼吸器) 朝倉 啓介 |
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関東甲信越地方会会長ご挨拶
このたび、第200回日本胸部外科学会関東甲信越地方会の会長に任ぜられ、2026年3月7日(土曜日)、京王プラザホテルにおいて会を開催させて頂くこととなりました。
日本胸部外科学会は1948年に設立され、本地方会の前身となる日本胸部外科学会「関東地方会」は1965年に発足されました(第1回会長 日本大学 宮本 忍先生)。1985年には現在の「関東甲信越地方会」の形となり、これまで一貫して諸先輩方ならびに多くの会員の皆様の熱意と努力によって支えられ、発足から60年以上の時を経た今、遂に200回という金字塔を打ち立てるに至りました。
このたび、第200回という大きな節目となる地方会を私どもが主宰する機会を頂戴致しましたことは誠に光栄であり、平素よりわれわれの活動にご理解、ご協力頂いている会員の先生方、関係者の皆様に心より感謝致しております。本地方会では、本学呼吸器外科の朝倉啓介教授を副会長に任命し一層のパワーアップを図り、事務局長の橋詰賢一准教授をはじめ慶應外科学教室の3領域のスタッフ一同が一丸となってしっかりと準備を進めております。
地方会は歴史的にも症例報告を中心とした構成で開催され、主に若手胸部外科医の学会発表の登竜門として位置付けられています。私自身、人生初の学会発表は、第64回地方会(東京医大 早田義博会長)で経験させて頂きました。先天性心疾患に対する治験例の報告でしたが、全くの初学者だった自分が、諸先輩の熱い指導のもとで周到な準備を目指した中で、疾患や手術の知識を深め、論文検索の仕方やプレゼンテーションの基本、さらには諸先輩の科学的思考過程や哲学などを少しずつ学ばせて頂く良い機会となりました。その後、中堅として大動脈外科を専門とするスタッフとなってからは、朝から夕方まで大動脈関連のセッションをひたすら聴講し続け、専門領域の知識の確認と蓄積に活かして参りました。
本地方会の場で自身が経験した貴重な症例、治療に難渋した症例、手術に工夫を要した症例などを報告すること、それらを聴講すること、互いに討議を重ねることは、若手はもちろん、すべての胸部外科医にとって、それが発表者の立場でも聴講者の立場でも、きわめて有用な学習機会になるはずだと思います。胸部外科の3領域いずれにおいても、新しいデバイスの登場、ロボット手術に代表される術式の開発、周術期治療の進歩などは急速に進んでおり、一方で働き方改革が求められるという大きな変革期にあって、効率的な学びの重要性が一層高まっている現状の中で、地方会を実践的かつ効率的な学習ツールとして活用して頂ければ幸いです。さらに、その後に、口頭発表の場における議論や多くの専門家の意見をもとに論文としてまとめ上げることは、この分野の進歩発展の基盤となります。本地方会をそのための端緒として活用して頂けることを願っています。また、胸部外科領域に興味のある研修医や医学生に対しても学会発表の場を提供しておりますので、本地方会での発表、参加をきっかけとして、一人でも多くの若手医師が胸部外科医を目指すことは胸部外科の更なる発展にもつながれば幸いです。
日本胸部外科学会関東甲信越地方会は会員数3,000名を誇り、日本胸部外科学会の5地方会の中で最大規模の地方会として本領域を牽引しています。第200回を迎える今回の地方会は、これまで伝統を継承してきた金字塔としての役割に加え、胸部外科領域の更なる発展のための道標となることを目指しています。
皆様の学びの場として、そして、交流の場として活用して頂き、皆様と共に、実りのある第200回日本胸部外科学会関東甲信越地方会にしたいと切に願っております。
多くの皆様のご来場を心よりお待ちしております。







