名 称 | 日本敗血症診断・治療研究会 |
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英名称 | Japan Sepsis Treatment and Diagnosis Study Group |
略 称 | J-STAD (ジェイスタッド) |
代表幹事 | 石倉 宏恭 |
事務局 | 洛和会音羽病院 内 〒607-8062 京都市山科区音羽珍事町2 |
J-STAD研究会 業務支援担当 |
株式会社 Grammy moment 〒105-0004 東京都港区新橋2-16-1 ニュー新橋ビル 702 TEL:03-6452-9411 FAX:03-6452-9417 E-mail:jstad-support@grammy-m.co.jp |
2025年5月10日(日)にSP日本橋で開催した第5回J-STADエキスパートカンファレンスは無事に終了しました。今回は初めての試みとして医師以外の医療従事者によるBest Presentation AWARDを開催し、3名の多職種の先生方に講演をしていただきました。皆、各職場で仕事をしながら斬新的かつ先鋭的な研究・検討を実施されている事に参加者一同脱帽しました。 結果は僅差で管理栄養士の宮城朋果先生がBest Presentation AWARDを獲得されました。おめでとうございました!
また、今回の当番幹事を北海道大学救急医学分野の和田 剛志教授が務められました。そのご縁もあって今回のMessage from the Masterには和田先生の師匠である丸藤 哲先生(北海道大学 名誉教授)に御登壇いただき、救急医を目指したきっかけに始まり、外傷患者の凝固異常に興味をもった話、欧米との論争、救急・集中治療医を目指す若者へのメッセージをとても熱く語って頂きました。また、紙面では書けないような本音トークもあり、丸藤先生の新たな一面に触れることが出来、本当に有意義なひとときでした。
J-STADメンバーや参加者の方々が実施するFuture visionとしては、公表されて約30年が経過したSOFAスコアの再検証の必要性や敗血症に関するECMOの可能性の検証等あたらしい斬新な話題について議論しました。加えて、血液細胞AI画像による病態解析やICUでの眠剤処方に関する他施設前向き研究の途中経過等の報告もありました。このように、新しい臨床検討を企画したり、ユニークな内容のReview論文の作成に取り掛かる等、J-STAD関係者の熱いマインドが感じられたカンファレンスになり、予定していた時間が足らないくらいでした。
今回参加して頂いた方々にこの紙面を借りて感謝致します。
J-STADは今後も敗血症に興味のある若手の先生方と参加型のカンファレンスを開催します。興味のある方は是非参加して下さい!
会 期 | 2025/05/10(土) |
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会 場 | AP日本橋 |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 和田 剛志(北海道大学 大学院医学研究院) |
第5回J-STAD Expert Conference 参加申込
参加方法:① 現地参加 ② WEB参加(ZOOM)
参 加 費 :1,000円
会 期 | 2022/04/23(土) |
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会 場 | TKP東京駅セントラルカンファレンスセンター |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 石倉 宏恭(福岡大学医学部 救命救急医学講座) |
会 期 | 2022/11/19(土) |
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会 場 | AP日本橋 |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 中村 謙介(神戸大学医学部附属病院) |
会 期 | 2023/5/27(土) |
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会 場 | AP日本橋 |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 小倉 崇以(済生会宇都宮病院 栃木県救命救急センター) |
会 期 | 2024/05/11(土) |
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会 場 | AP日本橋 |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 高橋 学(岩手医科大学附属病院) |
会 期 | 2025/05/10(土) |
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会 場 | AP日本橋 |
開催地 | 東京(ハイブリッド開催) |
当番幹事 | 和田 剛志(北海道大学 大学院医学研究院) |
第53回日本救急医学会総会・学術大会
会 期 :2025年10月28日(火)〜 30日(木)
会 場 :大阪国際会議場(グランキューブ大阪)
形 式 :学会のイブニングセミナーまたはアフタヌーンセミナー
主 催 :第53回日本救急医学会総会・学術大会
共 催 :J-STAD研究会/旭化成ファーマ株式会社/シスメックス株式会社/東レ株式会社/東レ・メディカル株式会社
J-STADは、昨年に引き続いて、第53回日本救急医学会総会・学術大会において「J-STADエキスパートセミナー」を開催する予定です。J-STAD発足から5年が経過し、現在は総説執筆に加えて、多施設共同前向き臨床試験の準備も開始しています。今回のセミナーでは、PIICSのfuture visionやAIを用いた最新の敗血症画像診断、そして敗血症治療の新たな可能性の検討など、盛りだくさんの内容となっています。 J-STADは、若手医師が活躍できる基盤づくりを担う団体です。敗血症を極めたい若手医師にとって必見の内容が満載ですので、多くの皆様のご参加をお待ちしています。 日時・会場につきましては、決定次第、ウェブサイト上に告知しますので、今しばらくお待ちください。 「J-STADエキスパートセミナー」に乞うご期待!
会 期 | 2023/11/28(火))17:50~18:50
第51回日本救急医学会総会・学術集会 イブニングセミナー3 |
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会 場 | 第6会場(東京ドームホテル B1F シンシア) |
開催地 | 東京 |
主 催 | 第51回日本救急医学会総会・学術集会 |
共 催 | J-STAD研究会/旭化成ファーマ株式会社/シスメックス株式会社/東レ株式会社/東レ・メディカル株式会社 |
会 期 | 2024年10月14日(月・祝)17:50 〜 19:20
第52回日本救急医学会総会・学術集会 イブニングセミナー1 |
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会 場 | 第4会場(仙台国際センター 会議棟2階 桜1) |
開催地 | 宮城県 |
主 催 | 第52回日本救急医学会総会・学術集会 |
共 催 | J-STAD研究会/旭化成ファーマ株式会社/シスメックス株式会社/東レ株式会社/東レ・メディカル株式会社 |
J-STADの仲間と楽しみながらReview論文を分担しよう!
3つのグループに分かれて、分担執筆、論文投稿を目指しています。
Review論文 第2章 テーマ
Aグループ:SOFAスコアの再評価
Bグループ:敗血症性ショックの循環モニタリングと治療
Cグループ:敗血症のChronic Critical Illness
Review論文 第1章 テーマ
Aグループ:DICとTMA
Bグループ:敗血症に対する血液浄化療法
Cグループ:敗血症関連のせん妄、PICS
幹事:田上 隆(東京慈恵会医科大学病院)
血液細胞携帯の定量評価をAI解析を用いた研究を行っています。
幹事:高谷 悠大(京都大学大学院医学研究科 初期診療・救急医学分野)
ICUにおけるせん妄は、人工呼吸管理期間・入院期間の延長、死亡率上昇などに関連する予後不良因子です。このせん妄発症の要因の1つとして睡眠覚醒サイクルの障害があり、この改善はせん妄の予防につながる可能性があります(J Clin Med. 2023;12(4):1273.)。非薬物的介入と薬物的介入の両面からアプローチする必要がありますが、特に薬物的介入については確立されておらず、定期的な眠剤の処方による積極的な不眠対策が有効か否かは不明です。
そこで私達J-STAD(Japan Sepsis Treatment and Diagnosis Study Group)のメンバーは本アンケート調査で、ICUにおける眠剤の定期的な処方の実態を調査します。
幹事:望月 勝徳(安曇野赤十字病院集中治療部・大阪医科薬科大学救急医学教室)
敗血症関連病態の制御と予後改善に向けて、臨床データの解析を主体とした臨床研究を行っています。
幹事:田上 隆(東京慈恵会医科大学病院)
以前より、循環動態モニタリングや敗血症性DICの研究をしております。
最近、COVID-19の全国規模の研究を始めております。
幹事:川副 友(国立病院機構仙台医療センター)
より重篤な敗血症性ショック患者に関するレジストリ研究を実施しています。
論文題名:Practical approach to thrombocytopenia in patients with sepsis: a
narrative review
発表雑誌:Thrombosis Journal
発行の巻(号) 頁, 年:Thromb J. 2024 Jul 22;22(1):67.
https://doi.org/10.1186/s12959-024-00637-0
著者:Satoh K, Wada T, Tampo A, Takahashi G, Hoshino K, Matsumoto H, Taira
T, Kazuma S, Masuda T, Tagami T, Ishikura H; J-STAD (JAPAN Sepsis Treatment
and Diagnosis) Study Group.
要約
敗血症患者では血小板減少症がしばしば発生します。播種性血管内凝固症候群
(DIC)は、発生が不良な予後に関連するため、血小板減少の原因として考慮される疾
患です。特にDICに対する関心が高く治療対象と考える本邦では、敗血症での血小板
減少はDICを想起しがちですが、他疾患の存在も念頭に置くことが重要です。血栓性
微小血管症(TMA)は、血栓性血小板減少性紫斑病、志賀毒素産生性大腸菌による溶血
性尿毒症症候群(HUS)、補体介在性HUSなどからなる症候群で、血小板減少症、微小血
管性溶血性貧血、臓器障害を呈します。TMAは特異的治療法の開発により近年広く認
識されるようになってきました。これまでの研究では、TMAの有病率はDICよりも著し
く低いと報告されているものの、その疫学は十分に解明されておらず、TMAが正しく
診断されずに不良な転帰をたどる症例が存在する可能性があります。そのため、DIC
とTMAを鑑別することが重要です。しかしDICとTMAの鑑別には課題があります。既報
ではTMA患者の多くが汎用的な凝固スコアリングを用いるとDICと診断されうることが
示されています。敗血症に関連するDICとTMAを鑑別するためのいくつかのアルゴリズ
ムが提案され、血小板減少を伴う敗血症患者のケア改善に貢献していますが、DICと
TMAが同時に共存する患者が報告されており、これらの患者に既存のアルゴリズムを
適用することは困難かもしれません。本レビューでは、DIC、TMA、およびその他の血
小板減少症を伴う疾患の特徴について述べ、DICの診断と並行してTMAの診断を開始す
ることを特徴とする新しいアプローチの診療フローを提示しました。この実践的なフ
ローは、TMAを念頭に置いた縦断的な診断・治療フローと実際の臨床の時間軸タイム
フレームにも言及しています。この新しいアプローチにより、複雑な症例の適切な診
断と治療につながり、患者の転帰を改善し、TMAに関する新たな疫学的エビデンスを
生み出すことが期待されます。
キーワード: Keywords Intensive Care Units (ICU), Disseminated Intravascular Coagulation (DIC), Thrombotic Microangiopathy (TMA), Thrombotic Thrombocytopenic Purpura (TTP), Anticoagulant therapy, Hemolytic Uremic Syndrome (HUS), Hemolytic Anemia, a disintegrin-like and metalloproteinase with thrombospondin type 1 motifs 13 (ADAMTS13)
論文題名:Sepsis-Associated Delirium: A Narrative Review
発表雑誌:Journal of Clinical Medicine
発行の巻(号) 頁, 年:J. Clin. Med. 2023, 12(4), 1273;
https://doi.org/10.3390/jcm12041273
著者:Rina Tokuda,Kensuke Nakamura,Yudai Takatani,Chie Tanaka,Yutaka Kondo,Hiroyuki Ohbe,Hiroshi Kamijo,Kosuke Otake,Atsuo Nakamura,Hiroyasu Ishikura,Yu Kawazoe,J-Stad Japan Sepsis Treatment And Diagnosis Study Group
要約
せん妄は、認知機能と注意力の低下を伴う精神状態の急激な変化を特徴としています。敗血症関連せん妄(SAD)と呼ばれる敗血症患者のせん妄は、集中治療室で通常遭遇する他のタイプのせん妄とはいくつかの特定の側面で異なります。敗血症とせん妄はどちらも罹患率と死亡率の増加と密接に関連しているため、SADを予防するだけでなく、迅速に診断して治療することが重要です。ここでは、コロナウイルス病2019(COVID-19)関連のせん妄を含むSADの病因、病因、危険因子、予防、診断、治療、および予後についてレビューしました。せん妄自体は長期予後を悪化させるだけでなく、集中治療後症候群の転帰に影響を与える重要な要因とも見なされています。COVID-19患者では、ABCDEFバンドルを適切に実装することに関連する困難(疼痛の評価、予防、管理;自発的覚醒と呼吸の両方の試験:鎮痛と鎮静の選択。せん妄は評価、予防、管理します。早期の運動と運動;家族の関与/エンパワーメント)と社会的孤立の必要性は、SADの従来のケアの開発を必要とする問題です。
キーワード: sepsis, delirium, COVID-19, post-intensive care syndrome
論文題名:Blood Purification in Patients with Sepsis Associated with Acute Kidney Injury: A Narrative Review
発表雑誌:Journal of Clinical Medicine
発行の巻(号) 頁, 年:J. Clin. Med. 2023, 12(19), 6388; https://doi.org/10.3390/jcm12196388
著者:Jun Kamei, Masafumi Kanamoto, Yutaka Igarashi, Kodai Suzuki, Kensuke Fujita, Tsukasa Kuwana, Takayuki Ogura, Katsunori Mochizuki, Yuki Banshotani, Hiroyasu Ishikura, Yoshihiko Nakamura, and J-STAD (Japan Sepsis Treatment and Diagnosis) Study Group
要約
敗血症は臓器機能障害を引き起こします。臓器機能障害の一般的なタイプである急性腎障害は、敗血症患者の高い死亡率と関連しています。腎補充療法は、急性腎障害によって引き起こされる代謝、電解質、および体液の不均衡を矯正することができます。この治療法は転帰を改善できるが、その有益な効果を示すエビデンスは不足している。ここでは、腎代替療法を含む血液浄化療法の適応と、急性腎障害に関する現在の知見を腎・非腎適応症の観点から概観する。腎臓の適応症は十分に文書化されていますが、敗血症における血液浄化療法の適応症(非腎の適応症)は依然として議論の余地があります。過度の炎症は敗血症の発症における重要な要素です。血液浄化療法は、炎症性メディエーターを減少させ、血行動態の不安定性を改善することが示されています。敗血症の病態生理学を考えると、血液浄化療法はこれらの患者の死亡率を低下させる可能性があります。.敗血症に対する血液浄化療法の有効性を確立するには、さらなる試験が必要である。
キーワード: sepsis, acute kidney injury, kidney replacement therapy, renal indication,non-renal indication
論文題名:Definitions, epidemiology, and outcomes of persistent/chronic critical illness: a scoping review for translation to clinical practice
発表雑誌:Critical Care
発行の巻(号) 頁, 年:Crit. Care. 2024, 28, 435.
https://doi.org/10.1186/s13054-024-05215-4
著者:Hiroyuki Ohbe, Kasumi Satoh, Takaaki Totoki, Atsushi Tanikawa, Kasumi Shirasaki, Yoshihide Kuribayashi, Miku Tamura, Yudai Takatani, Hiroyasu Ishikura, Kensuke Nakamura and J-STAD (JAPAN Sepsis Treatment and Diagnosis) Study Group
要約
背景:集中治療の進歩により、急性期の重症病態から脱して生存はするものの、その後もICUでの長期療養が必要となり、慢性的な重症状態に陥る新たな患者群が出現しています。この状態は「持続的重症状態(Persistent Critical Illness:PerCI)」または「慢性重症状態(Chronic Critical Illness:CCI)」と呼ばれますが、その定義や報告にはばらつきが大きく、臨床現場での活用が進んでいない状況にあります。本スコーピングレビューの目的は、PerCI/CCIに関する既報の文献を体系的に整理・統合し、PerCI/CCIの定義、疫学、予後などを明らかにすることで、臨床応用への橋渡をすることです。
方法:我々はMEDLINEおよびScopusを用いて、PRISMA-ScRガイドラインに基づいたスコーピングレビューを実施しました。2024年5月31日までに発表された査読済みの原著論文のうち、成人のPerCI/CCI患者に関する定義、共変量、転帰(アウトカム)を記載したものを対象としました。対象論文から定義、疫学、アウトカムに関するデータを抽出し、統合しました。
結果:最終的に99件の研究が対象となりました。そのうち、64件がCCIという用語を使用し、18件がPerCIを使用し、17件がその他の用語を用いていました。CCIの定義にはばらつきが多く見られましたが、sの一方で、PerCIの定義は比較的一貫しており、CCIは「ICU入室14日以上」、PerCIは「ICU入室10日以上」と定義する研究が最多でした。PerCI/CCIの有病率を「全ICU患者」「敗血症」「外傷」「COVID-19」の4群に分けてメタ解析を実施したところ、それぞれ11%(95%信頼区間:10–12%)、28%(22–34%)、24%(15–33%)、35%(20–50%)という結果でした。死亡率のメタ解析では院内死亡率が27%(26–29%)、1年後の死亡率は45%(32–58%)という結果でした。また、CCIおよびPerCI毎の有病率はそれぞれ17%(16–18%)、18%(16–20%)、院内死亡率はそれぞれ28%(26–30%)、26%(24–29%)でした。機能的予後は総じて不良であり、多くの生存者が長期的な介護を必要としていました。
結論:本スコーピングレビューは、PerCI/CCIに関する多くの研究を統合し、これらの状態が患者の長期予後に深刻な影響を与えることを明らかにしました。今後は統一された用語と質の高い研究が求められます。今回のレビューの結果は、患者や家族と予後や治療方針について話し合う際の有用な情報となります。
キーワード: Intensive care unit, Persistent critical illness, Chronic critical illness, Scoping review
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