第2回の「HTLV-1研究会」の開催にあたり東京大学の渡邉からHTLV研究会会長としてご案内申し上げます。昨年から今年にかけて、HTLV-1に関連していくつかの動きがあります。まず、7月初めにはブラジルで第14回のHTLV-1国際会議が開催されました。また、厚生労働省の研究班が20年ぶりにHTLV-1の感染者の全国調査を行い、現時点での推定感染者数が明らかになりました。結果は、HTLV-1が決して「消え行くウイルス」ではないことが実証されました。また、著名人がATLに罹患したことがマスコミでも取り上げられこの疾患についての関心が高まっております。患者団体等の活動がきっかけとなり、昨年度にはHAMが特定疾患に認定され、更に、厚生労働省でもHTLV-1感染に対する総合対策を検討する方向の動きが出て来ております。我々研究者および臨床家の立場からも、これを機会に更に研究を発展させてゆきたいと思っております。
今回も、昨年同様に、文部科学省および厚生労働省の科学研究費による幾つかのHTLV-1関係の班研究の班会議を合同で開催いたします。
関係各位におかれましては、研究成果の発表と情報交換に積極的に参加されます事を期待しております。
東京大学大学院
渡邉 俊樹