わが国の「がん対策推進基本計画」において、がん患者の療養生活の質の維持・向上や、がん診療における多職種連携の推進が重視されています。口腔の管理についても、歯科医師や歯科衛生士等の口腔ケアチームと連携して対応することが求められており、がん診療連携拠点病院等における医科歯科連携に加え、地域の歯科医療機関との連携体制の整備が重要です。
また、地域において効率的かつ質の高い医療提供体制を構築するため、2014年度から地域医療介護総合確保基金を活用した取組が全国で進められています。
岡山大学病院医療支援歯科治療部では、岡山県から「がん患者を対象とした地域歯科保健医療の実態調査及び基盤整備」事業の委託を受け、2023年度から2025年度までの3年間、本事業を実施しました。
がん治療においては、治療に伴う口腔合併症の予防・軽減や、治療を安全かつ円滑に進めるための歯科治療・口腔管理(がん口腔支持療法)が重要です。そのためには、がん診療を行う医療機関と地域の歯科医療機関との連携が必要です。一方、本事業開始時には、岡山県内の歯科医療機関におけるがん患者の受入状況や、受入可能な歯科医療機関に関する情報が十分に整理されていませんでした。
そこで本事業では、岡山県内の歯科医療機関を対象として、がん患者の歯科治療・口腔管理等の受入状況に関する実態調査を実施するとともに、受入れを行う歯科医療機関の情報を整理・公開しました。また、県内各地域においてシンポジウムやセミナー等を開催し、がん診療における医科歯科連携の普及と、地域連携体制の基盤整備に取り組みました。
本事業は2025年度をもって終了しましたが、2026年9月からは、関連事業として「がん診療連携拠点病院の医科歯科連携の普及啓発事業」を実施し、本事業で得られた知見や構築した連携基盤を活用しながら、がん診療における医科歯科連携の普及・啓発に引き続き取り組んでいます。その取組の一環として、本事業で整備した、がん患者の歯科治療・口腔管理等を受け入れる歯科医療機関の情報についても、引き続き更新・公開しています。
事業責任者
岡山大学病院 医療支援歯科治療部
准教授 曽我 賢彦




