第29回日本病院総合診療医学会学術総会

会長挨拶

藤島 清太郎

第29回 日本病院総合診療医学会学術総会
会長 藤島 清太郎
慶應義塾⼤学予防医療センター

 第29回日本病院総合診療医学会学術総会の大会長を拝命し、この度2024年9月7日(土)、8日(日)に東京有明で開催させていただきます。本学術総会の開催に際し、ご挨拶させていただきます。

 総合診療科のフィールドは地域とともに病院が基盤であり、本学会も2010年の発足以降、順調に発展を遂げてきました。病院における総合診療医の主要な役割として、様々な急性・慢性の症状・徴候を呈する患者さんの初期診療があり、救急疾患や稀少疾患も見逃さないためには、幅広い疾患および診断推論の知識が必要になります。一方で、慢性疾患を複数抱える患者さんの長期的ケアやHospitalistとして病棟診療も担っています。このように多彩な役割を担うことが、やり甲斐や魅力にも繋がっています。

 今回の学術総会のメインテーマは「病院総合診療の魅力を深掘りする」としました。我々が日々の診療で感じているワクワク感を様々な切り口から明らかにし、総合診療に関わる/目指す方々と共有できればと思います。加えて、総合診療の様々な局面で求められる最新知識も得られるように配慮致しました。

 また、サブテーマを「多様性と連携がもたらす明るい未来」としました。総合診療は、ジェネラリストという点で内科はもちろん、救急や集中治療にも通じるところがあり、実際これらの出身者を含む多彩なキャリアの医師が活躍しています。加えて、多職種連携なしに総合診療は成り立ちません。Matthew Syed著『Rebel Ideas:The power of diverse thinking(多様性の科学)』にも示されていますように、この多様性を尊重し、様々な分野・人々との交流を深めることが、総合診療科の発展にも繋がると考え、プログラムを企画しました。

 ホテルや大規模ショッピングセンターの建設など開発が進み、豊洲市場にも隣接、都内各所や全国からのアクセスが良くなった有明の地で、潮風を感じながら仲間との再会を歓び・切磋琢磨する機会としていただければ幸いです。皆様のご参加を、心よりお待ち申し上げております。

令和6年4月

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