会長 挨拶

緒方  ■ご挨拶
 コロナパンデミックで人類が揺さぶられている令和3年に愛媛県形成外科医会の3代目の会長を仰せつかった小林一夫です。愛媛県立中央病院形成外科に21年在職、現在、福角病院に勤務しています。

 愛媛県で初めて形成外科診療が始まる1978年(昭和53年)以前は、愛媛県の頭頚部腫瘍の再建、唇裂口蓋裂など先天性疾患、顔面骨外傷、皮膚腫瘍は、それぞれ耳鼻科、整形外科、口腔外科、皮膚科の先生方が腫瘍の切除、骨接合または皮膚・軟部組織の再建を担当されていました。当時の頭頚部腫瘍は、腫瘍切除に朝から午後まで、体位変換・筋皮弁術再建に12時間、終刀は翌朝、それも2名の術者で頑張り、術後の管理もするという、働き方改革を進めている昨今では想像できない時代です。

 わたくしが愛媛に赴任した当時、愛媛県内で形成外科を標榜していたのは、愛媛大学、愛媛県立中央病院、四国がんセンターで、唇裂口蓋裂・手の形態異常、顔面外傷・骨折、熱傷、頭頚部腫瘍摘出後の再建が主な手術内容でした。各病院とも1名の形成外科医と研修医1名という体制でした。

 愛媛県形成外科医の技術習熟、新知識獲得を目的に、1998年(平成10年)に愛媛形成外科研修会が発足しました。年2回、旧四国がんセンターに集まり、唇裂口蓋裂、顎顔面骨切り、マイクロ手技など実用的な技術を発表・伝授をしながら、お互いの信頼と技術の進歩を支え合ってきました。その活動が認められ、2010年(平成22年)に愛媛県医師会の第14番目の分科会として愛媛県形成外科医会が発足し、初代会長に大塚壽先生、2代会長に緒方茂寛先生が就かれました。

 現在、愛媛県の形成外科は主に5つの大学の出身者で構成されています。この分科会では、各大学がもつそれぞれの特徴を、大学の垣根をこえて相互に学び合い助け合える会と位置づけています。その中で、ひとりひとりの形成外科医が生涯にわたり、研鑽できる会でありつづけられる事を願っております。個々の形成外科医の質の向上によって、他科の先生方や県内の患者さんたちに認識され、その結果として形成外科の普及につながるものと信じております。

 会員の皆様、形成外科医が再建した機能的かつ形態の素晴らしい手技を学び、マイクロ技術を利用したprimary外傷への応用、形成外科医の美容外科・皮膚科分野への進出など多くの夢と大きな希望があります。皆様方のご協力で、より充実した形成医会が継続していくことを願っています。

                  2021年12月吉日  小林一夫


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