数百ボルトの発電をする電気ウナギや電気ナマズなどはかなり危険で扱いも
難しいので,家庭で簡単に飼育することはできません。強発電魚は水族館で見ることにしましょう。
数十ミリボルトの発電をする弱電気魚は,熱帯魚として家庭の水槽でも飼育が可能です。
ただいくつか注意することがありますので,以下の飼い方を良く読んで,飼育して下さい。
- 弱電気魚の性質
- なわばり意識が強く,しつこく攻撃します。
なわばりとは自分の生活範囲を主張することです。そこに入ってくるものは攻撃します。
弱電気魚は放電をして,自分の周りの状況を把握しますので,なわばりに侵入してきたものは
原則的に相手を排除するまで(つまり死ぬまで)攻撃します。小競り合いがあるのを放置して
おいたら,翌朝は死んでいた,なんてこともあります。
- 階級がある。
一つの水槽に数匹の弱電気魚を一緒にしておきますと,必ずボスが決まります。水槽の大きさにも
よりますが,攻撃性の強い魚ですので,最後の一匹になるまで階級闘争が続きます。
- 群れるのが好き。
階級があるにもかかわらず,一つの水槽に10匹以上の高密度で飼うと,群を作ります。そこでも
必ずボスはいますが,それ以外の魚は,一見仲良しのように群れています。しかし頻繁な攻撃行動が
ありますので,大きな水槽と隠れ家をたくさん用意しましょう。
弱電気魚を飼う
- 準備するもの
水槽: 60 x 25 x 40 cm位の上おき濾過槽付き。
必ずガラスなどで完全にふたができるようにします。
エアポンプ: フィルター付きがよい。
レギュレーター付きヒーター: 水温を摂氏25度位に保つため。
隠れ家: 塩ビの筒(直径7-10cmくらい)
水草(プラスチック製でも良い)を多く入れ,
隠れ家をたくさん用意すること。
- 餌と給餌
餌:生き餌:アカムシ,イトミミズなど。
冷凍赤虫
乾燥赤虫など
給餌間隔:2-3日に一回,食べ残さない程度与える
* 餌を与えるときは,ポンプを止め,暗くすると良い。
* 食べ残しは,必ずすくって捨てる。放っておくと水が腐りやすい。
(写真は:エレファントが長い顎でイトミミズを探りながら,
食べているところです。)
- 水の交換
- 水の用意
熱帯魚の飼育と同じく,水道水は塩素を除くこと。活性炭とイオン交換樹脂を
通して脱イオン化した水を用いる方がよい。
水温は,24-28度位。夏はクーラーの利いた部屋に水槽を置き,ヒーターを
いれ温度調節をすること。水温の急な変化には弱い。
- 水の換え方
1−2週間に一度,4分の1から3分の1位の水を交換する。その時,フィルターも
水洗いしておく。少しづつ,まめに水を交換するのが長生きさせる秘訣です。
- 砂利を水槽の底に敷いているとき
砂利は水槽を見た目に美しくしますが,エレファントの場合は柔らかい吻先を
傷めることがありますので,あまりおすすめしません。どうしても入れたい場合は,
丸い小さな砂利を使いましょう。砂利の隙間に餌が入り込んで腐敗しがちですので,
2-3ヶ月に一回は砂利の清掃をしましょう。
- 砂利の清掃
(1) まず水槽の水が3分の2くらい入るバケツと砂利を洗うための洗面器などを用意
します。
(2) バケツに水槽の水を3分の2くらい汲み出します。水草や隠れ家も移します。
エアーポンプも忘れずに入れましょう。
(3) 弱電気魚を網でそっとすくい,バケツに移します。
(4) 魚をバケツに移し終えたら,砂利を洗面器などに移します。
(5) 水槽は空っぽになったはずですから,まず水槽を柔らかいスポンジを使って
洗います。洗剤は使いません。ガラス面やアクリル面を傷つけないように,汚れを落
とし,最後に水で良くすすいで,乾かします。
(6) 砂利は,隙間にたまった食べかすなどを水で流し,そのあとお米をとぐ要領で,ごしごし
汚れのとれるまで洗います。砂利やフィルターを洗うときも洗剤は使わない方がベターです。
魚が病気で死んだりしたあとは,洗剤を使いたくなりますが,良く洗って,数日間天日干しをする
方が良いでしょう。
(7) バケツの中の水草や隠れ家を水で良く洗って,水槽に戻します。
(8) 魚が病気でない限り,バケツの水と一緒に魚を水槽にそっと戻します。
(9) 水の足りない分を,新しい水で補います。
- 緊急避難
エレファントの腹部のウロコが白っぽく立って見えるようでしたら,その魚は他の魚からいじめられるか頻繁に
攻撃されていますので,すぐに緊急避難させます。水槽を用意して,単独飼育をし,回復を待つ必要が
あります。隠れ家がたくさんある場合は,「いじめるーいじめられる」関係があっても体を傷つけるほどは
攻撃されません。日頃よく観察して,いじめられることの多い魚を見つけたら,ウロコが傷ついていなくて
も隔離します。放置しておいたら,水槽から飛び出して死んでいた,なんてことになります。
毎日よく観察しましょう。
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