北米看護系大学院−留学案内


IV. 試験はあるのか?:事前に必要な試験と準備

私はTOEFLGREの受験が予定より遅くなり,行きたいと思っていた時期より大分遅れての渡米・入学となりました。これらの試験は,行き先を決める前から受けておくことをお勧めします。時間を無駄にしないために,試験の点数をそろえておいて(多少悪くても),いくつかの志望校に併願しておき,入学許可が下りた時点で行き先を選ぶ方法をお勧めします。

1.英語の関門 TOEFL

思い立ったら吉日で,勢いに乗って準備をはじめましょう。TOEFL(Test of English as a Second Language)の基準点をクリアすることは,留学の第一条件です。今の自分の英語力を試すためにも,また準備の意欲を沸き立たせるためにも,とりあえず受けてみることです。これは英語そのものの能力もさることながら,出題形式に対する慣れやストラテジーを身につける必要があります。CBT(Conputer Based Testing)という方式−コンピュータ画面を見ながらマウスの操作だけで受けられる−に切り替わったので、日程・時間の予約は電話でOKです。一般に学部レベルで240点以上,大学院レベルで213点以上が要求されます。詳しくは、国際教育交換協議会(CIEE)のウェブサイトhttp://www.cieej.or.jp/またはTOEFLのウェブサイトhttp://www.toefl.org/をご覧ください。

2.語彙・数量・分析の関門 GRE

ほとんどの修士課程とすべての博士課程が,GRE(Graduate Record Exam)という試験の一般(語彙:Verbal,数量:Quantitative,分析:Analytical3部)が必須になっています。これもCBT(Computer Based Testing)方式になりました。GREは英語を母国語とする人たちでも相当難しい語彙,速読,内容分析などの能力が要求されます。これは英語を母国語としない人には相当不利で,TOEFL以上にある対策が必要です。一部数学の問題があり,これは日本の高校数学レベルなので内容は簡単ですが,出題方式と時間配分には慣れておく必要があります。詳しくは,http://www.gre.org/ を参照して下さい。

大学・大学院によっては,大学学部時代の成績(GPA)で学力審査を行い,GREを必須としていないところもあるので,そういう機関を狙う手もあります。

3.看護師免許(CGFNSNCLEX-RN

北米各州の看護師免許は,Nurse Practitionerのコースはほとんどどこでも要求されますが,CNS関係は要求される所とそうでない所があります。しかしワシントン大学など「人気」の高い所は,出願者全員に免許が要求されています。免許を取るには連邦共通の試験:NCLEX-RN (National Council Licensure Examination-Registered Nurse)を各州の看護評議員会(State Board of Nursing)で受けます。しかし,大抵の州が前段階としてCGFNS(The Commission on Graduates of Foreign Nursing Schools)の試験を要求しています。日本では年2回行なっていますが,海外では年3回のところもあります。試験内容は,北米の看護の常識,価値観,教育内容,語彙などを知る上でいい勉強になりますので,試しに受けみるとよいと思います。

いくつかの州は,CGFNSを要求せずいきなりNCLEX-RNを受けることが可能なところもあります(例えばカリフォルニア州など)。これらの州で試験を受けておき,あとで自分が行きたい州のState Boardに申し込めば,免許の変更手続きだけで済むようです。CGFNSの連絡先は下記の通りです。

CGFNS
3600 Market Street, Suite 400
Philadelphia, PA 19104-2651
FAX: 1+215-662-0425
http://www.cgfns.org/

4.その他の準備:エッセイ,推薦状,面接

以上は入学要件の必要条件ではありますが,その他に入学の重要な決め手となるつまり十分条件となるのは,エッセイと推薦状です。エッセイは,志望の動機・背景,勉強したい目的(短期的−卒業時までの目標,長期的−一生の目標)などについて,与えられた質問事項に従って書きます。必ずnative speakereditorに校閲してもらい,規定の様式でワープロで仕上げます。分量は多すぎても少なすぎても駄目です。「○○病院の○○病棟で何年看護をした」という事実を述べるだけでなく,そのことを通して自分が何を学び考えてきたのか,どうして修士で勉強したいのか,どうしてその大学・プログラムを選らんだのか,という熱意を伝えることが必要です。

エッセイと並んで非常に重要なのが推薦状です。大学によりますが,一般的に修士では3通,博士では2通要求されます。大学時代の指導教官(mentor academic advisor),臨床の上司(婦長・部長)(supervisor)などに推薦状を依頼します。これも指定の用紙や書式が決まっていることが多いです。

これらに加え,電話または面接でのインタビューを行う大学もあります。エッセイや推薦状だけでは得られないような「人物像」や「細かい希望条件」などの情報を得ることが目的です。希望コースや指導教官を応募学生に割り当てることが出来るか,総合的に判断するために行われるようです。

願書の締切り時期は,開始予定学期の半年から1年前と早いので,余裕を持って準備を進めて下さい。


 

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2013-11-05
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