Q: 現在、大学院の修士1年です。私の病気である躁うつ病についての情報を得るためにネットサーフをしていたのは、躁うつと両立可能な仕事とはどんな仕事だろうと考えたからです。私は4月から休学するのですが、本来ならばリクルートスーツに身を包んで就職活動をしている時期ですし、遅くとも1年後にはやはり就職について考えなければなりません。

 私の場合は、春夏とうつ状態になり、大学にも行けない状態になります。秋冬になると今度は躁状態になり、うまく研究に向かうこともあれば、全然関係ないNGO活動に必死になってしまうこともあります。修士1年の1年間は、そんなこんなで研究はちっとも進みませんでした。躁うつ病だと診断され、やむなくリーマスを飲み始めたのは昨年の11月。発病は2年前くらいですが、うつ病と誤診されていたこともあって、うつ状態のときに抗うつ薬を少し服用する程度でした。

昨年の11月に治療をはじめてから、私には普通の学生と同じように一般企業に入って働くことはできないのではないかという気がしています。就職活動がうまくいったとしても、入社後に年中同じ精神状態を保って、ハードな仕事をこなせるとは思えません。下手に入社して、すぐ辞めるくらいならば、はた迷惑だから入社しないほうがいいのではという気もします。

躁うつ病患者の方々は、みなさんどんなお仕事をされてるのでしょうか。うつ状態のときに仕事を休むことができるような仕事ってあるのでしょうか。何も事情を知らない周りの人は、躁状態の私を見て政治家に向いてるとか、商社か新聞社あたりが合ってるなどと言ってくれます。私自身、すごく興味のある仕事です。けれど、やはりこの病気をもう少しコントロールできるようになるまでは、無謀な夢のような気もしています。いくら病気があるとはいえ、大学院を出てフリーターはさすがに嫌なので。

躁うつと両立できる仕事ってあるのでしょうか。何かアドバイスをいただければ幸いです。長くなりまして、すみませんでした。失礼します。

 

A: 躁うつ病に適した仕事と言うことですが、まずはリチウムやバルプロ酸で症状がどの程度コントロールできるかどうかが大きな問題です。

 完全に病相がコントロールできれば、どんな仕事でも特に問題はないはずです。また、仕事を休まないでも何とかなる程度にコントロールできれば、多くの仕事はできると思います。

 どちらで治療されているのかわかりませんが、リーマス(リチウム)でコントロールできないのなら、バルプロ酸やカルバマゼピンは服用されないのでしょうか。他にも有効な薬があるのに、試さないままで、就職の方を妥協されるのはもったいない気がします。

  私が今までに担当させていただいた躁うつ病の患者さんの職業を思いつく限りに書き並べますと、

 

 会社員(課長さん、工場勤務など)

   牧師さん

   大学教授

   医師 

   研究者

   フリーアルバイター

   主婦

   公務員

   職人さん

   編集者

   獣医さん

 

といったところです。

 特に、この職業はだめ、ということはないのではないと思いますが、営業のように、(と経験もないのに決めつけるのも良くないと思いますが、営業職の経験がある、「躁うつ病との出会いとたたかい」の作者、Kさんと話し合っているうちにまとまった意見です)、自分をハイに追い込まないとつらい仕事は、躁状態を招く危険があり、あまり勧められない気がします。あとは、生活が不規則な仕事も、躁転のリスクが高まります。

 とにかく、病気に合わせた仕事を選択するのは最後の手段で、好きな仕事に就けるくらいに治すことをまず考えてもよいのではないかと思います。

 

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