Q: 「うつ病」の生物学的なメカニズムは何ですか?
A:
うつ病は、うつ病へのなりやすさ(脆弱性)を持つ人が、ストレスにさらされた時に罹ります。従って、うつ病の原因には、脆弱性の原因は何か、ということと、ストレスに対する反応として何が起こるか、という二つの側面があります。
ストレスにさらされると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されますが、この反応は、ふつうはフィードバックが働いていずれ止まります。しかし、うつ病になりやすい人は、この反応が止まりにくい体質を持っているようです。こうして過剰に分泌されたコルチゾールが神経細胞を障害してしまうのかも知れません。
もう一つはセロトニン説で、うつ病になりやすい人は、元々神経伝達物質であるセロトニンが出にくい体質を持っていると考えられています。こうした人では、セロトニン低下がうつを招くという説もあります。逆に、セロトニンが欠乏している人では、セロトニンに対して過敏になっており、ストレスでセロトニンが過剰に分泌されるとうつになる、という説もあります。
神経細胞障害説とセロトニン説が互いに関係しているという説もあります。
いずれにせよ、うつ病の原因は、まだ完全には分かっていません。