お知らせ
○ 2016年度年輪の会講演会のお知らせ (開催日 2016年6月19日(日))
2016年度の年輪の会講演会が、6月19日に都内にて、下記の通り行われます。
どうぞご参加下さい!
日時:2016年 6月19日(日)13:00〜17:00
内容:
当事者体験発表会:(さいたま市精神障害者当事者会ウィーズ会員2名)
司会:年輪の会 会長 佐藤諦吉
講演会:「最新の脳科学研究で見えて来た精神疾患の治療・診断法」
〜精神疾患ブレインバンクの最新研究〜
司会:丹羽真一(福島県立医科大学 会津医療センター 精神医学講座 特任教授)
1. 精神疾患死後脳を用いたジェネティックニューロパソロジーの展開
國井泰人(福島県立医科大学医学部精神医学講座 講師)
2. ストレスと脳内の微小な炎症 〜精神疾患病態改善法の開発に向けて〜
富田博秋(東北大学 災害科学国際研究所 教授)
3.双極性障害の新しい動物モデルと原因脳部位の探索
〜診断法・治療法の開発に向けて〜
加藤忠史(理化学研究所 脳科学総合研究センター 副センター長)
質疑応答有
講演会参加費無料
講演会の後、懇親会(有料)があります
会場:
スクエア荏原(品川区立荏原平塚総合区民会館)3F大会議室
〒142-0063 東京都品川区荏原4丁目5番28号
TEL: 03-5788-5321 FAX:03-5788-5322
東急目黒線武蔵小山駅より徒歩15分
講演会参加ご希望の方はFAX(年輪の会事務局 03-5875-0433)またはE-mail(teikichi.satoh@gmail.com)にてお申し込みください。
主催:年輪の会(品川区精神障害者当事者会)
共催:特定非営利活動法人全国精神障害者団体連合会
後援:品川区社会福祉協議会
http://genki365.net/gnks16/pub/sheet.php?id=57580
○ 2015年度年輪の会講演会のお知らせ (2015年6月13日開催)
2015年度の年輪の会講演会が、6月13日に都内にて、下記の通り行われます。
どうぞご参加下さい!
日時:2015年 6月13日(土)13:00〜17:00
内容:
当事者体験発表会:2名(年輪の会 会員)
特別講演:「日本に於ける精神疾患ブレインバンクの意義」 丹羽真一(福島県立医大 特任教授)
シンポジウム:「全国規模精神疾患ブレインバンクを構築するためには何をなすべきか」
発表者: 佐藤 諦吉 (当事者代表、年輪の会会長)
大沼 裕美 (福島精神疾患ブレインバンク)
討論: 上記発表者3名
富田 博秋(東北大学教授)
加藤 忠史(理研脳センターチームリーダー)(司会)
質疑応答有
講演会参加費無料
講演会の後、懇親会(有料)があります
会場:スクエア荏原(品川区立荏原平塚総合区民会館)3F大会議室
〒142-0063 東京都品川区荏原4丁目5番28号
TEL: 03-5788-5321 FAX:03-5788-5322
東急目黒線武蔵小山駅より徒歩15分
講演会参加ご希望の方はFAX(年輪の会事務局 03-5875-0433)またはE-mail(teikichi.satoh@gmail.com)にてお申し込みください。
主催:年輪の会(品川区精神障害者当事者会)
共催:特定非営利活動法人全国精神障害者団体連合会
後援:品川区社会福祉協議会
○ 日本臨床精神神経薬理学会・日本神経精神薬理学会・市民公開講座のお知らせ (2014年11月22日)
日本臨床精神神経薬理学会・日本神経精神薬理学会主催の市民公開講座が、下記の通り行われます。
どうぞご参加下さい!
日時: 2014年11月22日(土) 13:30〜15:00
会場: 名古屋国際会議場 国際会議室
参加費: 無料
プログラム
双極性障害とつきあうために
演者: 加藤忠史 (理化学研究所 脳科学総合研究センター)
眠れない、眠たい、どうすれば良いか?
演者: 尾崎紀夫 (名古屋大学大学院医学系研究科 精神医学・親と子どもの心療学分野)
司会: 岩田仲生 (藤田保健衛生大学医学部 精神神経科学)
共催 名古屋大学 脳とこころの研究センター
新学術領域 グリアアセンブリによる脳機能発現の制御と病態
後援 愛知県
お問い合わせ
第24回日本臨床精神神経薬理学会、第44回日本神経精神薬理学会 合同年会 運営事務局
株式会社コンベンションリンケージ内
〒460-0008 名古屋市中区栄3-32-20 朝日生命ビル
TEL:052-262-5070/FAX:052-262-5084
E-mail:cnp-np2014@c-linkage.co.jp
http://www.c-linkage.co.jp/cnp-np2014/lecture.html
○ 2014年度年輪の会講演会のお知らせ (2014年6月14日)
2014年度の年輪の会講演会が、6月14日に都内にて、下記の通り行われます。
どうぞご参加下さい!
日時:2014年 6月14日(土)13:00〜17:00
内容:
当事者体験発表会:2名(年輪の会 会員)
講演会:「精神疾患脳組織研究の成果とブレインバンクの未来」鼎談形式
講演者: 1)國井 泰人先生(福島県立医科大学神経精神医学講座 講師・医局長)
2)富田 博秋先生(東北大学 災害精神医学分野 教授)
3)加藤 忠史(理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チーム・シニアチームリーダー、鼎談司会)
質疑応答有
講演会参加費無料
講演会の後、懇親会(有料)があります
会場:スクエア荏原(品川区立荏原平塚総合区民会館)3F大会議室(定員73名)
〒142-0063 東京都品川区荏原4丁目5番28号
TEL:03-5788-5321 FAX:03-5788-5322
東急目黒線武蔵小山駅より徒歩15分
講演会参加希望希望の方は03-3788-0422にFAXして下さい。(佐藤諦吉様宛)
主催:年輪の会(品川区精神障害者当事者会)
後援:品川区社会福祉協議会
共催:特定非営利活動法人全国精神障害者団体連合会
助成:アステラス製薬患者支援活動、日本財団
○ 世界双極性障害デー (平成26年3月30日)
2014年から、3月30日を「世界双極性障害デー(World Bipolar Day)」とすることを、世界双極性障害財団(IBPF)、国際双極性障害学会(ISBD)などが決定しました。
この日を双極性障害の日と定めて国際協力を進めることによって、この疾患についての知識を伝え、人々に理解を深めていただくことによって、社会的なスティグマをなくすことを目的としています。
http://www.isbd.org/advocacy-and-patient-resources/world-bipolar-day
https://www.facebook.com/worldbipolarday
○ ノーチラス会講演会『双極性障害の最前線』のお知らせ(平成25年1月5日)
来年、平成25年1月5日、東京都品川区大井町近くの「きゅりあん」にてノーチラス会(NPO法人日本双極性障害団体連合会)主催の講演会『双極性障害の最前線』が開催されます。
日時:平成25年1月5日(土)13時〜16時半
場所:きゅりあん 小ホール (最寄り駅:大井町駅[JR・東急大井町線・りんかい線])
講師:山脇成人先生 精神療法と脳科学
内海健先生 双極性障害の方の心理
鈴木映二先生 双極性障害の新しい薬
加藤忠史 双極性障害研究の最前線 (いずれも仮題)
申し込み締め切りは12月3日(月)ですが、まだまだ席に余裕があるとのことです。
関心のある方はどうお申し込みください。
以下のHPからオンラインで申し込むことができます。
http://bipolar-disorder.or.jp/
詳しくは、ノーチラス会事務局までお問い合わせください。
○ 年輪の会講演会無事終了
2012年6月9日、年輪の会講演会が無事に終了しました。
当事者の体験発表の後、鼎談「ブレインバンクの現状と未来・現状の精神科薬物療法を考える」が行われました。
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鼎談「ブレインバンクの現状と未来・現状の精神科薬物療法を考える」
日時:2012年6月9日(土)13~17時
場所:きゅりあん(品川区総合区民会館)
藤田保健衛生大学精神科 岩田仲生教授
国際医療福祉大学精神科 鈴木映二教授
理化学研究所脳科学総合研究センター 精神疾患動態研究チーム 加藤忠史(司会)
コメンテーター:年輪の会 会長 佐藤諦吉氏
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まずは、10分ずつのプレゼンテーション。加藤が「精神疾患の病因解明に向けて〜ブレインバンクの必要性」と題して、研究することによって、精神科診療をよりよいものにできるはずだが、死後脳研究が不足している、ということを話しました。また、研究者は精神疾患や発達障害の死後脳研究を進めたいと思っているのに、日本で保存されている脳は、認知症や神経変性疾患の方のものが多く、精神疾患の方の脳はほとんど保存されていない現状があり、脳科学研究戦略推進プログラム(脳プロ)で、ブレインバンクの準備調査研究が始まっていることをお話しました。
次に、鈴木先生が、現在の向精神薬の問題点として、効き方に個人差が大きく、副作用があること、そして根本的な治療にはなり得ていないことを話されました。個人差については、ミルタザピン(レメロン、リフレックス)の血中濃度が、女性では男性の倍であること、ブロナンセリン(ロナセン)の血中濃度は、空腹時服用では、食後服用の2.6分の1と大幅に低くなってしまうことなど、具体例を挙げて話されました。(後の鼎談で話題になりましたが、ブロナンセリンの服用法については、添付文書でも注意が喚起されているものの、ミルタザピンの用法・用量に男女差がないのは不思議です。) リチウムのように、間違った仮説に基づいて偶然に見つかった薬に頼っている現状があり、薬のメカニズムを研究して病気の原因がわかるとは限らない(例えば、解熱剤を研究して感染症の原因はわからない等)ことから、やはり死後脳研究が必要である、という話をされました。
最後に、脳プロで双極性障害のゲノムワイド関連研究を進めている岩田仲生先生が、ゲノム研究のお話をされました。現在、遺伝子研究が誤解されやすいのは、そもそも遺伝学(genetics)は、遺伝(heredity)と多様性(variation)の科学なのに、heredityとgeneticsを同じ「遺伝」と訳したのが問題であり、自分たちが研究しているのは、多様性についてである、とお話しされました。そして、最近発表されたばかりの統合失調症とNOTCH4に関するゲノム研究を紹介されました。これは、2011年に発表された患者575 名、対照群564名のゲノムワイド関連研究で見いだされたNOTCH4遺伝子との関連が、患者6668名、対照群12791名で確認され、ゲノムワイドに有意であることを確認した研究です。また、カルバマゼピンの副作用であるStevens-Johnson症候群の日本人におけるゲノムワイド関連研究で、HLA-A*3101との関連が見つかり、添付文書にも記載された話をされました。
その後の鼎談では、そもそも精神疾患を病気とみるのは一面的で、多様性とみるべきだ、という話や、当事者がもっと研究して治療を改善して欲しいと声を上げないと治療は改善しないのではないか、という話がでました。また、現状のままでは精神疾患の死後脳研究は進まず、PhD研究者が研究に参加できるようにするという意味でも、ブレインバンクが必要だ、と議論されました。そして、やはり、研究推進の最大の推進力は当事者の方々の声である、という話になりました。
最後に佐藤さんから、当事者主体のブレインバンクの構想が提案され、早くブレインバンクを作ってくれないと死ぬに死ねない、とお話されました。
質疑応答では、副作用についてのご質問があり、岩田先生から、日本では多剤大量療法が問題なので、多剤併用されている患者さんについて、減らす群、減らさない群でのランダム化比較試験を行っているとのお話もありました。偏見についての話では、研究を進めることで脳の病気であることを理解してもらう必要があるが、偏見の打破は最終的にはヒューマニズムの問題、という話になりました。
今回、当事者会主催の講演会で、ブレインバンクというテーマが扱われたのは、大変画期的なことだったと思います。海外でも、当事者主体でこうした活動が行われていますし、日本における今後のブレインバンク活動においても、当事者の役割は大きいと思います。
この講演会に協力して下さった方々、ご参加下さった皆様、どうもありがとうございました!
○ オランザピン、双極性障害のうつ症状への適応追加!
「双極性障害における躁症状の改善」の適応を持つオランザピン(商品名ジプレキサ、錠[1.5mg、5mg、10mg]、細粒1%、ザイディス錠[5mg、10mg])に、新たに「双極性障害におけるうつ症状の改善」の効能・効果追加が認められました(記事)。米国、台湾、韓国、中国、日本の国際共同で行われた臨床試験によって効果が確認され、日本での申請に至ったとのことです(記事)。
双極性障害のうつ症状の改善を適応とする薬剤は初めてです。
また、双極性障害の躁症状とうつ症状の両方に適応を持つ薬剤は、日本ではオランザピンが初めてとなります。
オランザピンは、糖尿病の誘発に注意が必要で、血糖値の測定等の観察が必要となります。また、体重増加がみられる場合があります。
双極性障害の新たな治療の選択肢が、また一つ増えたのは喜ばしいことです。
○ アリピプラゾール、双極性障害の適応追加!
アリピプラゾール(大塚製薬、エビリファイ[3mg錠、6mg錠、12mg錠、1%散])に、「双極性障害における躁症状の改善」の効能・効果が追加されました(プレス発表)。アリピプラゾールは、躁状態に対する効果が示されています。
アリピプラゾールの副作用はさまざまですが、特徴的なのは、アカシジアという、じっとしていられない感覚、あるいは不眠です。こうした副作用の予防には、量の調節が大切ですので、アリピプラゾールを服用する際には、主治医、薬剤師によくご相談下さい。
双極性障害の新たな治療の選択肢が増えたことは喜ばしいことです。
また、この薬は、日本で開発された薬である点が、これまでの双極性障害の薬剤とは異なります。
日本で開発された薬が世界的に活躍していることも、また喜ばしいことだと思います。
○ ノーチラス会講演会「双極性障害のいま」開催
ノーチラス会主催のシンポジウム、「双極性障害のいま」が、2012年1月7日土曜日に開催されました。
水島広子先生による対人関係・社会リズム療法のお話の他、当事者のお二人の体験発表、ノーチラス会顧問の尾崎紀夫先生、鈴木映二先生、そして加藤忠史より、双極性障害委員会の活動について、双極性障害の新薬情報、そして最新研究情報など。
http://bipolar-disorder.or.jp/
主催:NPO法人ノーチラス会
日時:2012年1月7日(土) 12時30分開場、13時開演
場所:牛込箪笥区民ホール(東京都新宿区) 入場無料
○ シンポジウム「うつ病克服へのロードマップ」
日本うつ病学会、日本生物学的精神医学会、日本心身医学会の主催、日本精神神経学会を初めとする9学会の共催により、シンポジウム「うつ病克服へのロードマップ」が、2011年12月18日に開催されました。
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緊急シンポジウム「うつ病克服へのロードマップ」
がん、循環器病と並ぶ三大疾患である精神疾患。
中でも最大の問題がうつ病です。
しかし、うつ病を巡って、さまざまな報道が飛び交い、
今、私たちは道標を失いかけているのではないでしょうか。
私たちが如何にしてうつ病を克服できるか。
それが今、問われています。
日時 2011年12月18日 13時〜15時(開場12時半)
場所 新宿明治安田生命ホール(新宿西口正面)
ポスター
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○ うつ病・認知症コンソーシアム
気分障害や認知症は、社会に大きな影響を与えている疾患です。
米国では、元下院議員で、ジョン・F・ケネディー氏の甥である、パトリック・ケネディー氏が、「One Mind for Research」と銘打って、進んだ脳科学で脳疾患を解明しよう、いうキャンペーンを進めているそうです。
医療と脳科学の先進国である日本も、米国と並んで、その解明を進める責務を持っていると思います。
しかし、これまで、日本では、こうした動きは大きくありませんでした。
そこで、我が国でも、うつ病、認知症を初めとする精神・神経疾患の解明にむけた研究への取り組みを強化すべく、研究者が中心となって、「うつ病・認知症コンソーシアム」を立ち上げることになりました。
今回は特に、社会の構造の変化のなかで、更なる増加が想定されるうつ病や認知症について、社員やその家族という立場で直面する企業がとるべき戦略とは何か、という視点を中心とした討論を通じて、両疾患の解明・治療に向けた研究の進め方について考える、シンポジウムを開きました。
詳しくは、うつ病・認知症コンソーシアムのウェッブページをご覧下さい。
日時: 2011年12月8日(木)14時〜17時(開場13時半)
場所: イイノホール(東京都千代田区内幸町2-4-1)
出演者:藻谷 浩介、渥美 由喜、岩坪 威、神庭 重信、加藤 忠史
司会・ファシリテーター: 薮本 雅子
要事前申し込み:11月下旬から受付予定
お問い合わせ:うつ病・認知症コンソーシアム事務局
主催:うつ病・認知症コンソーシアム、理化学研究所
後援:日本うつ病学会、日本認知症学会、21世紀医療フォーラム、文部科学省(予定)、厚生労働省(予定)
○ 訃報
2011年10月24日、北杜夫さんが亡くなられました。84歳でした。
「夜と霧の隅で」で芥川賞を受賞され、「楡家の人びと」など、数多くの作品を残された文豪、北杜夫さんは、ユーモラスなエッセイ、どくとるマンボウシリーズでも人気を博し、躁うつ病を患っておられたことでも知られています。
最近、躁うつ病(双極性障害)は、やっとメディアでも取り上げられるようになってきましたが、1990年代までは、躁うつ病といえば北杜夫さん、と言うほど、北杜夫さんの著作の他には、一般にはまったく情報がありませんでした。それほど、精神科医でもある北杜夫さんが躁うつ病の啓発に果たされた役割は大きかったと思います。
今はただ、ご家族の皆様にお悔やみを申し上げますと共に、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
○ お知らせ
双極性障害にまつわる最新ニュース、最新研究成果情報(+雑感)は、「双極性障害研究ネットワークニュース」で、月1回お送りしておりますので、どうぞご購読下さい。(当事者やご家族の方のためのニュースですが、もちろんどなたでもOKです。)
お申し込みは、bipolar-admin@umin.ac.jpまで、件名を「メーリングリスト申し込み」としていただき、本文には登録希望名(ハンドルネームでも構いません)をご記入の上、申し込み下さい。登録終了のお知らせが自動配信され、メーリングリストに登録されます。
間もなく、第6号が発行されます。
登録していただくと、過去ログも読むことができます。
○ ラモトリギン、双極性障害の適応追加!
ラモトリギン(グラクソ・スミスクライン社、ラミクタール [25mg錠、100mg錠])に、「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」の効能・効果が追加されました。双極性障害における維持療法の適応を取得した薬剤は、我が国では初めてとなります。ラモトリギンは、うつ状態、躁状態の再発を予防する効果が示されており、特にうつ状態の予防効果が高いのが特徴です。
双極性障害の治療薬に、新たな選択肢が加わったことは、大変喜ばしいことだと思います。
ラモトリギンが登場しても、リチウムがまず使うべき薬(第一選択薬)であることには変わりありません。しかし、残念ながら、リチウムだけではうつ病相を完全にコントロールできない場合も少なくありません。躁病相の予防効果の方が強いリチウムとは異なり、特にうつ病相の予防効果が強いラモトリギンには、期待がかかるところです。また、リチウムとラモトリギンの併用療法の有効性も確認されています。
ただし、ラモトリギンは、ゆっくり増量しないと、全身の発疹から始まる重い発疹(スティーヴンス・ジョンソン症候群)の副作用が起きることがあるため、飲み始めの際に、服用量をゆっくり増やしていくことが大事です。
特に、バルプロ酸(デパケンなど)と併用する場合が、要注意です。バルプロ酸と併用する場合は、特にラモトリギンの血中濃度が高くなりやすいため、1日おきに25mg錠服用するという風に、慎重に服用を始める必要があります。
逆に、カルバマゼピンを飲んでいる場合には、ラモトリギンの血中濃度が上がりにくくなってしまうので、1日50mgから始める必要があります。
このように、スティーヴンス・ジョンソン症候群を予防するためには、服用する量の設定が鍵で、その設定が非常に難しくなっています。
ラモトリギンを服用する際には、主治医、薬剤師によくご相談下さい。
○ 英国大使館におけるセミナー
英国大使館は、日英の科学技術分野における連携を促進する目的で毎年ワークショップを開いているそうです。
これまで、iPS細胞、システムバイオロジー、ブレインマシンインターフェース、地球温暖化など、最先端の興味深いテーマが取り扱われてきました。
このワークショップの今回のテーマに選ばれたのが、何と「気分障害」でした!
英国の研究者5名をお招きし、日本側5名の講演者と共に英国大使館で行われるクローズドのワークショップにひき続いて、2日目の2011年2月23日(水)14:30〜17:30に行われた一般向けセミナー、「気分障害:日英における研究と政策」が、Ustreamにて引き続きご覧になれます。
http://www.ustream.tv/recorded/12881030
どうぞご利用下さい。
○ 双極性障害への適応拡大申請状況
大塚製薬のアリピプラゾール(商品名:エビリファイ)の双極性障害に対する適応拡大申請(2011年1月24日)に続いて、グラクソ・スミスクライン社が、ラモトリギン(商品名:ラミクタル)の双極性障害に対する適応拡大を申請、また、オランザピンは、双極性障害のうつ状態についての適応拡大を申請するなど、次々と双極性障害の新たな治療薬の申請が行われています。しばらく新薬ラッシュになりそうです。以前、日本では新薬承認が遅いと本HPでも述べましたが、国の新薬承認加速への努力が実りつつあるのだと思います。ありがたいことです。
○ NPO法人ノーチラス会・年輪の会 2010年度講演会
2011年2月19日(土) 13:45〜17:00に、NPO法人ノーチラス会・年輪の会の講演会が行われました。
○ オランザピンの双極性障害の適応拡大承認
2010年10月27日付で、オランザピン(商品名ジプレキサ)に、「双極性障害における躁症状の改善」の効能・効果追加が認められたようです。双極性障害に対する適応を持つ薬の承認は、実に2002年9月のバルプロ酸の承認以来、実に8年ぶりのことです。また、適応病名が、「躁うつ病」でなく、「双極性障害」となったのは、今回が初めてです。