研究会について

この度、2023年7月に開催されました世話人・施設代表者会にて、愛知医科大学腎移植外科学教授 小林孝彰先生の後任として東海北陸HLA研究会会長を拝命いたしました。

本会は、小林孝彰先生と愛知医科大学造血細胞移植振興寄附講座客員教授の森島泰雄先生が中心となり、組織適合性に関する基礎・臨床研究を行い、学会発表、臨床応用、人材育成を通して、より良い医療を達成することを目的として、2016年5月に設立されました。2016年は東海北陸HLAセミナーとして、2017年からは東海北陸HLA研究会として、2020年のコロナ禍による中止を除き、年1回の研究会を開催するなど、臓器移植と造血幹細胞移植の臨床医・研究者が研究成果や臨床での経験を共有、意見交換を行う貴重な会として、東海北陸地区において重要な役割を果たしてきました。

HLAは自己と非自己の識別する上で重要な抗原であり、自己免疫、感染症、がんなど様々な疾患に関与しています。また、臓器移植後の拒絶反応、造血幹細胞移植では拒絶に加え、移植片対宿主病といった移植後の免疫反応において重要な役割を担っています。近年、免疫抑制療法や感染制御の進歩、HLAタイピングなどの検査法の開発などで移植成績は改善してきていますが、まだ多くの課題が残っています。

HLAという共通ワードを通じて、臓器移植領域、造血幹細胞移植領域、検査領域が融合することで、課題の克服、各領域の更なる発展に本会が貢献できるように努力して参りますので、会員の皆様方のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年7月

東海北陸HLA研究会 会長

日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 血液内科

西田徹也