第25回 日本異種移植研究会

当番世話人ご挨拶

 

 
 皆さん、こんにちは。異種移植研究会が発足し四半世紀が経過しました。今回、節目となる第25回研究会をお世話させていただくことになりました愛知医科大学・腎移植外科の小林孝彰です。
 
 2021年秋から2022年初めにかけて、アメリカで異種移植の臨床研究が始まりました。遺伝子組換えブタから脳死患者への腎移植、そして、待機患者への心移植です。2022年6月に行われたアメリカ移植学会では、メイン会場で異種移植が大きく取り上げられ、移植関係者の関心の高さを窺い知ることができました。今後、世界で大きな動きがあるものと思われます。
 
 本研究会のタイトルを「REVISITING XENOTRANSPLANTATION〜臨床応用に今、必要なこと〜」といたしました。今までに何回か、臨床応用に向けて大きな波(うねり)がありましたが、様々な理由で一般化せずに、減衰していきました。今後どのようになるかわかりませんが、今までにない素晴らしい道具が揃っているのは事実です。日本でも、異種移植を真剣に考える時が来ているのではないかと思います。本研究会では、異種移植を進めるにあたり、足りないものはないか、何をすべきか、皆さんで一緒に考えてみたいと思います。
 
 異種移植領域では世界の第一人者であるDavid KC Cooper先生(MGH、USA)に特別講演を依頼しました。世界最先端の情報をお話しいただきます。そして、シンポジウムでは、「異種移植を日本で実施するためには何が必要か?」というタイトルで、
遺伝子組換え/ブタ管理、感染症、免疫応答、再生医療、倫理、法・規制などの専門家を交えての話し合いを計画しております。一般演題では、基礎研究から、臨床応用をめざした研究まで、再生、移植などあらゆる研究成果を報告していただきます。 

 
 コロナ禍の中にありますが、In-Person Meetingをめざしております。真の意味での情報交換、そして、明日からの研究につながる糧(刺激)を得るためには、Face-to-Face での話し合いが不可欠です。この時期に不謹慎かもしれませんが、懇親会の実現も切に願っております。皆様が楽しめる研究会をめざしておりますので、積極的なご参加を心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願いします。