尿を出して体の老廃物を排泄します。取り過ぎた塩分や水分を外にだして調節します。
それが出来なくなると、塩分や水分が増えて浮腫みます。丁度よい尿量が保てないと、尿が少なくなったり多すぎたりします。昼間は足の浮腫みがあり、夜寝ると上半身に水分が移動すると、夜間の多尿が起きたり、肺に浮腫みが移ると息苦しくなったり、夜しばしば起きることもあります。
老廃物がたまるとダルさや痒みが生じます。
水分がたまるとお腹や胸に水が溜まります(腹水・胸水)。
カルシウムやカリウムなどのミネラルのバランスが崩れると、脚が攣ったりします。心臓の脈が遅くなったり乱れたりします。
◇尿
尿をみてタンパクが降りてないか、薄かったり濃くなってしていないか調べます。
円柱という所見や血尿・白血球尿がないか顕微鏡で覗きます。貯めて尿量をしらべます。
糸球体性ではアルブミンが増えます。尿細管障害ではL-FABPやβ2MG, NAGが増加します。
◇採血
尿毒(BUN)が溜まってないか、老廃物がちゃんと外にだされているか(クレアチニンやシスタチンC)、電解質のバランスが崩れていないか、血中のタンパクが減ったり、貧血になっていないか調べます。
クレアチニンをもとにeGFRを計算します。
腎臓学会の腎機能計算サイト https://jsn.or.jp/general/check/
eGFRが60を切ると中等度、30を切ると高度の腎不全です。15を切ると透析を考慮します。
◇画像検査
腎臓を超音波でみたり、放射線同位元素で腎臓の血流や尿のでき方を調べます。MRIやCTも使います。
◇腎生検
背中から針を刺して腎臓の一部を採取して顕微鏡でしらべます。
臓は表面に糸球体という毛細血管でできた毛糸玉のような構造がありそこで血液を漉します。漉した尿は1日ドラム缶1本分180Lくらいになります。尿細管という組織が尿の成分を調節します。ブドウ糖を回収したり塩分を出し入れして、最終的には一升瓶1本1.8Lくらいが膀胱から外に排泄されます。
腎不全になるときは、糸球体が減ったり炎症を起こす糸球体性、尿細管が堅くなったりする間質性の2種類の腎性と、血圧が下がり過ぎたり脱水だったりする腎前性、作った尿が外に出せない腎後性があります。
https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/kabi_shizendoku.html
Q IV-18 かび毒はどのようなもので、人に対して、どのような影響を及ぼすのですか。また、かび毒の対策は、どうなっていますか。
https://jsn.or.jp/medic/newstopics/formember/post-555.php
https://www.med.or.jp/people/knkshoku/
自然毒 原料の穀物がカビで汚染していた場合 黄変米
https://doi.org/10.2520/myco1975.1994.40_11
https://doi.org/10.11468/seikatsueisei1948.6.2_13
十分なロット管理が出来ず別の微生物が種麹に紛れていた場合
紅麹の主目的である「HMG-CoA還元酵素阻害物質」が増えていた場合
https://doi.org/10.1253/jjcsc.18.2_362
上記と併用している薬剤との相互作用の場合
以前、武田のセルタが回収されたが、これも併用による相互作用が加味されていた。横紋筋融解症を来した場合、ミオグロビン尿から腎不全に至ることは想像できる。事前に腎不全があると横紋筋融解症が起こりやすい。
明示されていないがPuberulonic acid CAS Registry Number 82-83-7 , J-GLOBAL ID:200907080125166982 Nikkaji number:J939.491E が検出されたと報道や会見で述べられている。青カビのほかズキンタケ目盤菌類も産生するようである。
入院中は紅麹サプリは摂取せず症状が改善し、一度は退院しましたが、その後、サプリの摂取を再開したところ再度、急性腎障害で入院したといいます。(静岡第一テレビ)
(富士市立中央病院 腎臓内科 高橋康人 部長)「2回目の入院で各種検査をしたが、今回の報道を受け、紅麴による尿細管障害が原因の急性腎障害と診断した」
日本腎臓学会のアンケート結果で、「Fanconi」であって、「糸球体性」や「横紋筋融解症」は偶発症として存在しても、主因では無いという結果が出た。
「HMG-CoA還元酵素阻害物質」は従犯ですら無いらしい。
既存の社内規定に基づく、手順道理の情報回覧・意思決定が成されてきたかという手続きを法的に回顧したものである。
ガバナンスが働いているかという点に絞られる。
医学的、薬務的、製造工程・生産管理的、品質管理的に、評価することは、弁護士による第三者評価なので、手薄である。
ここで、この動きをすれば良かったという判断は、少ない。また、判断の妥当性の検討、より良い方法があったかという、なぜなぜのレベルには至っていない。
報告した医師らの間違い
小林製薬へ情報提供する前に、食品安全委員会や消費者庁に、医師は稟告すべきであった。
(本件、本来はPMDAであるべきであったが、「食品」の扱いになる)
小林製薬の間違い
苦情が入っても、生産現場の調査が行われたのが遅い。
ロットについて医師から報告を受けていたのに着目がなかった(外部調査の一環で医師兼弁護士の助言を受けるまで特定のロットという発想がみられていない。)
特定のロットにおけるピークについての検査は、ロットチェックでも見受けられるのに、気が付いていない。
中央研究所を巻き込んで調査しようという初動が遅い。
危機管理本部を立ち上げるのが遅い。
1/15~2/1までに3か所の医療機関から6例の問い合わせ (この時点は、被疑成分はシトリニン)
尿細管障害と判明している。
医師への聞き取りは2月後半に予定
2月13日の執行役員会(GOM)で社長が【安全性を軽視した対応はあり得ず、調査の結果次第では、本件製品の回収・終売の可能性もある
と考えており、実際その旨の発言も行った。】
調査の結果ではなく、この時点で「止める(販売中止)」「呼ぶ(行政との相談)」「まつ(消費者からの回収)」を実施すべきだった。
会長は電子メールを読まず、GOMのレポートを秘書が印刷して渡す、渡したのが2月20日、被疑成分としてHMG-CoA還元物質阻害剤のモコナリンKをという仮定を受け入れて成分を減らすモデルチェンジを追認している。
会長も、行政報告や回収を念頭に置いていない。
1名の社外取締役には電子メールされているが、読んでいない。
監査役会もブレーキを掛けず、本件に数分しか割いていない。
2月末までに症例が10例蓄積した。
3月6日に医師兼弁護士の助言を依頼した。「特定のロットの検討」という指摘はこの医師兼弁護士の助言を受けるまでなかった。
社内規定として行政への報告や発売中止を「しない」のは逸脱ではないものの、当然回収や相談をすべきと伝えた。
助言を受けて通販履歴から、製品と原料ロットに行き着いたのは、3月8日であり、助言を受けてからの判明時間は短かったが、製造業の立場として、特定のロットという発想は最初に念頭に置くべきであった。
製造現場との打ち合わせは3月12日に最初に行われたが、帳票の検討に留まり、外注先への検討も未実施であった。
ロットの確定から、中央研究所が未知のピークXを同定したのは3月15日であり、ここも速やかであった。
同日出荷前の品質管理のためのHPLCのピークを見直したところ後顧的にピークXを見出すことが可能だった。
これを受けて3月18日に「3月22日の報道発表、回収開始」を決定し、報道発表の連絡として消費者庁に3月21日に面談の予約の申込を行った。
この時点でも保健所への有症苦情としての相談や食中毒の届出の発想は無かった。(例:雪印)
製造現場の問題
製造従事者が10名以下、品質管理担当者1名
生産現場での問題聴取が外部委員会が入るまで実施されなかった。
①問題となる本件製品に用いられた原料ロットの製造時(2022年11月上旬)に、その乾燥工程において、乾燥機が壊れて当該原料ロットの紅麹菌が一定時間乾燥されないまま放置されていたこと
②紅麹を培養するタンクの蓋の内側に青カビが付着していたことがあり、その旨を品質管理担当者に伝えたところ、当該担当者からは、青カビはある程度は混じることがある旨を告げられたことがあること
③大阪工場から紀の川工場へ紅麹製造ラインを移設する際、製造における乾燥工程の設備の一部である排気ダクトの深奥部が目詰まりしていることが発見され、それまで適切に排気ができていなかった可能性があることを述べる者がいた。
「健康食品安全情報システム」事業 は日本医師会非会員の場合利用に困難である。
医薬基盤健康安全研のHFnetにも稟告の様式がない。