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死者79人のうち半数以上の43人は、胸や腹部にできる石綿特有のがん中皮腫が死因
社員の石綿関連病による死者は78年度から出始め、1954年以降、水道に使う石綿管などを製造し、累計約24万トンの石綿を使用した。- 6月29日
(毎日新聞 大島秀利記者を改変)
いま、勤務しているところは、海軍の職人さん工員さん相手の病院だった。裏山に団地ができて客筋が変わりつつあるが、それでも海軍工厰の為に全国から集まって、戦後も居着いて米軍基地や造船で暮らしてきた超高齢者が主なお客様であることに違いはない。
厚生農業協同組合の病院ではまず中皮腫はみることはなかった。
しかし、今は大体年に一人くらいは見つけている。
暴露をうけてから、かなりの時間を経て発症するので、勤めていた会社が無くなっている(海軍も無くなった事業所のうちではある)ため、訴訟も苦労する
さて、労働災害と呼吸器疾患の係争で留意しなければいけないのは、タバコである。
タバコだけでも、慢性閉塞性肺疾患[COPD]という肺機能の低下を伴い酸素吸入の必要な状態に追い込まれる。スパイトメトリーの低下という検査だけではこのCOPDも含まれる。
もちろん、タバコによる肺癌も生じる。
そうすると、被告は原告に対して、タバコの点をついてくる。これも係争を長期化させる。
としている。ただし、タバコは健康に悪いというのは、今後は事業所の衛生講話などでもひろく雇員に伝えられ、学校教育でも行われるであろうから、過去の判例だけを頼りにするのは、心もとないといえよう。
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