健保様々、糖尿病

Diabetes management in the USA and England: comparative analysis of national sur veys. Mainous AG 3rd. J R Soc Med. 2006 Sep;99(9):463-9.

H18.9/5

NHSという英国の健保体制は日本の微温湯の現状に馴れた身からは苦言が多い(池田先生のまとめのページ)。さりながら、NHSといえども安全網として機能を果たしているというのが、この英米を比較した糖尿病治療の実態リポートである。
米国では65歳を過ぎるとMedicareの対象となるので医療水準が英NHSのそれと近づく。一方で、65歳未満では、保険に未加入の割合が20%いる。
米国の保険未加入者の場合はHbA1cで1%悪く、総コレステロールは0.8mmol/L(=30mg/dl強)高い。血圧に差はないが、ガイドラインで推奨されている腎保護作用で知られているACE阻害薬の処方は少ない。インスリンや経口血糖降下薬の処方も手控えられる(Fig1. TIFFファイル)。スタチンや抗血小板剤の言及はないが、同様であろう。
十分な治療目標を達していないと、将来に禍根を残す可能性がある。HbA1c1%で37%微量アルブミン尿の進展や透析を含むESRDの出現が増える。

60歳白人喫煙なし罹病期間5年HDL45mg/dlで想定した。UKPDS Risk Engine

64歳以下の英米比較
所属HbA1c拡張期血圧総コレステロール心血管事故脳卒中
保険なし米国8.612824821.36.1
保険あり米国7.512621616.05.7
NHS加入英国7.613621216.56.0
単位mmHgmg/dl%/10年%/10年

70歳白人喫煙なし罹患期間10年HDL40mg/dlで想定したUKPDS Risk Engine

健保が使える(メデディケア)と米国も追い抜く65歳以上
所属HbA1c拡張期血圧総コレステロール心血管事故脳卒中
65歳以上米国7.013820038.319.9
65歳以上英国7.214321241.821.0
単位mmHgmg/dl%/10年%/10年

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