飛行機の脚にモーター

2006-07-01

ボーイング社 ファントム工場、電気モーターでの地上走行を実験

 ボーイング社は電気モーターを使った民間機の地上走行実験を、B767型を使用して行っていたことを明らかにした。実用化されると、民間機はエンジンを使用したり、牽引車に引かれることなく、空港内を走行できるようになる。
 実験はボーイング社のファントム工場が、英国領ジブラルタルのチョラス・モータース社製の電気モーターを、機首にある着陸装置の車輪部に装着し、様々な滑走路や誘導路の状態を想定して行ったとしている。(航空事情05-08-08)

飛行機の飛行場での移動はランプから出る時に牽引車をつかい、エプロンから先はジェットやプロペラの推進力で自走するのが普通である。整備中の場合は牽引車で移動する事もあるが、営業運転中ではまず行われない。半分は暖気運転の様な物であるし、滑走路の端でイザ点火して不具合なら笑いどころではなくなる。
しかし、石油がバレルあたり$70にもなると省エネを心掛けたくなる。よって、上の様なアイデアが再考されてくる。
しかし、1,000kmも10,000kmも飛ぶ飛行機の両端の10kmばかりのためにモーターという死重を積むのが合理的なのか?という疑問もある。80kgの人を1Lの燃料で20kmくらい飛ばせるのがB747-400なので、インバーターやモーター配線が2tだと東京大阪間でドラム缶6本分の燃料が余計に掛かる。そうなると、設備投資や整備の経費を入れても、「モーター要らない」という結論になる。
ダイレクトドライブモーターにはホィールインの東洋電機のものや電車で採用されたもの[ pdf 東芝]がある。
 STOLとはエンジンの推力を翼で下向きにすることで揚力を高め隣着陸を短くする方法であるが、もし制御系も含めて着陸脚の車輪のモーターで離陸速度に短い滑走路で到達する方法が開発されれば、死重による燃費の低下や複雑化によるシステムの不具合を乗り越える事が出来るかもしれない。

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