学会について

The Mt. Fuji Workshop on CVD

1. 設立の目的

より良いCVDの治療法を模索するため、現在実際に行われている治療法をもちより、参加者の集中的討議を行って、その治療法の可能性と限界を明らかにする。Proceedingを出版して、正しい治療法の指針とする。

2. 学会開催

時 期:毎年1回 8月末
場 所:「Mt. Fuji」の近い所
参加者:毎年CVDに関する主題を選び、参加者はその主題に関し過去に経験を発表している方とする。人選は幹事に一任とする。

3. 開催記録

  • 主題にそって目次を作成する。
  • 記載の形式を、治療法を中心にできるだけ統一をはかる
  • 「双書」の形で継続する

4. 学会設立の経緯

脳血管障害は悪性腫瘍とともにわが国の死亡統計の両大関の位置を占めていることは周知の事実である。しかも悪性腫瘍の診断とそれにつづく治療はできるだけ早いにこしたことはないが、分時をあらそうというほどの緊急性は幸いにしてない。これに反して脳血管障害は通常は脳卒中の形をとって急激に発症し、緊急治療の対象となるのが大部分である。すなわち発症するまではまったく無症状のことが少なくなく、一旦発症すれば寸刻を争ってその診断と治療に力をつくさねばならぬのである。そのためには医師は日常の研鑽をおこたらず常時患者の状態に応じて的確な診療を行わなければならない。
脳血管障害(CVD, Cerebrovascular disease)の治療にはCVDをもってあたれというのが筆者のかねがねの持論である。あとの方のCVDとはCeleritas(迅速性)、Vigilantia(常時油断のない看護、観察)、Dexteritas(治療には日頃の錬磨による熟練した技術をもって治療に当る)の略である。
CVDに対してこのCVDのレベルを向上させ患者の福祉に貢献しようといいうのがこのMt. Fuji Workshop on CVDの目的である。いうまでもなくMt. Fujiは日本の象徴であり最高の山である。このWorkshopを通じてお互いに切磋琢磨し、患者の診療の改善、進歩をはかりついにはMt. Fujiの頂上すなわち最高の水準に達したいというのがわれわれの念願である。

昭和58年7月

佐野圭司