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ink

万年筆用インクの耐性試験

Lane 1, Lane 3 MB: Mont Blanc, Midnight blue (Made in Germany)
Lane 2, Lane 4 SA: Sailor, Seiboku(青墨)(Made in Japan)
Lane 3, Lane 4: Treatment with 30-35% Hydoxyperoxide
ろ紙にインクをスポットし、水で展開した。展開後にろ紙を過酸化水素水溶液に1時間浸して酸化処理をした(Lane 3, Lane 4)。Lane 3はほぼ完全に褪色して形跡が消えた。

一般に青色系のインクは不安定で、褪色が問題になる。その中でもMont BlancのBlue Blackインクは比較的耐久性が高いと考えてきた。Mont BlancのBlue Blacは現行商品のMidnight Blueに引き継がれている。今回の験結果はセーラー万年筆製の「青墨」(顔料インク)が、Mont Blanc のMidnight Blueより格段に耐久性の高いインクであることを示している。「青墨」は耐久性のみならず、描いた瞬間でもスポットした場所の色の滲みが少ない。つまり雨などに濡れた際にも滲みが少ない特性は、手紙の宛先を書くためのインクとしても理想的な性質を持っていると思われる。

以下は、1977年、1985年の自分の実験ノートの抜粋である。

余談:インクのことを考えると、私はカナダCalgary大学留学中にProf. Morley D. Hollenbergとの話を思い出す。私は大学内のセミナーで、どういう訳か彼とよく同席して意見を交換した。私は自己紹介で、自分の描いた水彩画の絵葉書を彼にプレゼントしたら彼は私を自室(薬理学研究室)に誘ってくれた。彼の部屋の中に、奇妙な象形文字の額がいっぱいあるのに驚いた。その時初めて、彼が前衛芸術家であることを知った。それは前衛書道か?抽象画か?よくわからない不思議な墨による表現だった。

Morleyは「Indian ink(墨汁)という名称には二つの間違いが含まれている。Indian inkは第1にIndianの発明ではない。第2に化合物のインクではない。」と主張していた。たしかに墨汁は、複雑な化合物ではない。単純な炭素粒子の懸濁液でしかない。しかし液体状の着色物質の総称をInkと定義できるならば、Indian ink(墨汁)もインクの一種に分類できる。 

三浦裕(みうらゆたか)
Yutaka Miura, M.D., Ph.D.
Associate Professor at Molecular Neurosciences
Department of Molecular Neurobiology
Graduate School of Medical Sciences
Nagoya City University
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学准教授


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(Last modification June 2, 2015)