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私の職場である大学研究室の西側には、大きな硝子窓がある。しかし通常はブラインドが下がって、外の風景はそのブラインドを傾けないとほとんど見えない。ただしブラインドを傾けて外を見たとしても、そこには都会のくすんだ空気と、その下に沈む灰色ビルや汚い煙突の煙が見えるだけだ。そのような風景には私は全く魅力を感じないから、外を眺めようとも思わない。外が雨なのか晴れなのか?まったく分からないまま、一日が終ることが多い。
2015年1月7日は晴れ。最低気温3.0度、最高気温8.7度の冬らしい寒い日だった。午後、私がブラインドの前に立った時に、外で何か光るようなものが見えた気がした。少しブラインドを傾けた。その瞬間に、真っ白に輝く煙が見えた。何の煙だろう?窓から見える何本もの煙突の中のたった1本の煙突の煙だけに偶然に太陽に光が当たっている。不思議な輝きに感動したので、いそいでカバンの中に入れてあるカメラでこの写真を撮影した。
これまで長年網膜には投影されてもまったく感動なく見えていた煙の筈である。この光のおかげで、この日の、この時間の、この一瞬だけ、私の心に感動を与えてくれる特別な煙(芸術作品)に変貌した。そして撮影1分後に、いつもの灰色の煙に戻ってしまった。
2015年1月7日
三浦裕(みうらゆたか)
Yutaka Miura, M.D., Ph.D.
Associate Professor at Molecular Neurosciences
Department of Molecular Neurobiology
Graduate School of Medical Sciences
Nagoya City University
名古屋市立大学大学院医学研究科分子神経生物学准教授
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(Last modification April 23, 2015)