Yutaka Miura's home page (the third page level) |
It was my first experience to climb the rock wall without belaying from the top of the route by leading climber. There was no rope ahead of me. I experienced wonderful freedom to lead the climbing on the face of Ichinokabe at Mt.Gozaisyo (1212 m) on 7th October 2012.
リードクライミングの初挑戦:一の壁(藤内壁)の第2ルートをリードで登った。グレードIV だから大した壁ではない。しかし半年前の4月に初めて一の壁に挑戦したときには、第2ルート途中のオーバーハング気味の場所で立ち往生して、「ロッククライミングは自分には無理だ…。もう止めたい….。」と真剣に悩んだ。岩壁には所々に5mm程度の凹みが有る。しかし、そんなちょっとした凹みを、ホールドやスタンスにして全体重を支えて登れる気持ちにはなれない。下をみれば50mの絶壁だ。しかし上でビレーしている先輩クライマーや、下から見上げている仲間は、皆平気でニコニコ私を見て「ガンバー!」と激励するけだった。そんな私であったが、夏の剱岳の合宿で源次郎尾根を登り、これまでに数回岩壁を登る経験を積んだおかげで、今回の一の壁はまったく怖くなかった。岩壁に足を乗せて立ち上がってグイグイ登れる自分の変化に驚いた。 伊藤聡(南山大学山岳部OB)さんにビレーしてもらい、初めてリードクライミングも経験した。半年前の自分は、ただただ両腕で岩にしがみついて怖がっていたが、今回は岩の上に足で立って手を振る余裕もあった。クライミングを「楽しい」と思えるようになったことに心から感謝している。
続いてこの日の午後は、前尾根もアイゼンを付けてP7からP3まで登ることにした。午前中は楽勝だったので、午後も楽勝か?と思ったけれどもP7を登り始めた矢先にアイゼンを乗せた足が滑って、アイゼンから火花を散らしながら1mぐらいフォールした。上で伊藤聡さんがオートロッックでビレーしていたので体は無傷だったけれども、心理的にすごく落ち込んだ。伊藤聡さんは、私の気持ちを察しつつ、「P7、P6はちょっと難しいか、巻いてP5からまたアイゼンを装着して登ろう!」と私を励ましてくれた。私は一人で下山する気持ちになっていたけれども、その気持ちを切り換えて、P5からP3までアイゼンを装着したまま完全登攀した。P3に到着した時には、真っ暗になってしまいヘッドランプが必要になっていた。濃尾平野の夜景が眩しいほど美しく輝いていた。空には夏の第三角がはっきりと見えて、ほんとうにきれいな星空だった。P3のコルを登り切って、伊藤聡さんの手を握り締め「どうもありがとうございました。」と申し上げた。
三浦 裕
愛知県山岳連盟所属 社会人山岳会 チーム猫屋敷
名古屋市立大学医学部分子医学研究所分子神経生物学(生体制御部門)准教授
連絡先:
(Last modification October 17, 2012)