訪書した漢喃研究院は金曜午後と土日の閲覧ができない。それで今回のベトナム調査訪問のリサーチビザ取得に尽力いただいた河口氏の推薦で、土日をハノイ市内とハロン湾一泊二日の豪華観光旅行(総額約300米ドル)をしてみた。河口氏は日本企業の従業員等への日本語研修をハノイで行っており、ベトナム通の彼が薦めるだけあって、これだけでもベトナムに来た価値が十分あったと思われた。
東京学芸大に1年留学したため今、大学5年のVanAnhさんがアルバイトで二日間の専属通訳。運転手つきの専用車で土曜の朝ホテルを出て、午後3時頃まで文廟・西湖・歴史博物館・クアンタイン寺・チャンコック寺・ゴックソン寺・民族学博物館をまわった。ベトナムの歴史など一切知らなかったが、フランス統治以前はずっと中国の侵略と闘争してきたことが簡単ながらよく理解できた。
下写真左はいずれかの寺の境内で見かけた不思議な形状の竹。VanAnhさんの話ではどこにでもある竹だそうだが、この時期に竹の子が出ていたのも興味深かった。写真右は西湖の畔にあった真武(鎮武)観という廟の門。街頭の看板等はすべて声調記号付きのアルファベット表記だが、このように寺院など伝統的建物には漢字が残っている。私は真武の文字で四神の真武のことで、西湖の北を守る廟と思い撮影したが、実際は鎮武を略したものと中に入って分かった。
翌日は朝8時から50人は乗れそうな観光船を私一人で借り切り、4時間のハロン湾観光。河口さんは中国の桂林に似た景色で、洞窟があるとしか説明してくれなかったが、とんでもない規模の絶景で、ただただ絶句だった。下写真左は出航直後で、こんな大きな舟を借り切り、二階のデッキでやや緊張気味の私。写真右は二階のデッキ船首側から撮ったもので、絶景のなか左が通訳のVanAnhさん、右が服務員・コック・売り子兼任の若い女性。彼女が中国語を上手に操り土産物を勧めるのにも驚いたが(その売り上げだけが彼女の給料とか)、作ってくれた昼食の魚介料理すべてが今回のベトナム期間中で一番の美味だった。