北京の首都図書館(2002年11月1日・5日に訪書)
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 中医研究院針灸研究所の黄竜祥教授から、首都図書館には日本関連の医薬古典籍が多いとうかがい、今回の訪中では北京到着後、まずここを訪書することにした。かつて首都図書館に行ったことはなかったが、たしか以前は北2環路の付近にあったと思う。つい最近、3環路の南東、骨董市場のある潘家園の近くに新築移転したとのこと。写真左は正門をクローズアップ、は敷地の一番端から全景を収めようとしたが、収まりきれなかった。ともかく中国はみな大きい。

 この地下(たぶん2階)に善本古籍閲覧室がある。そこへ下る階段からして豪華な絨毯敷きで、すでに檜のよい香りに満ちている。防虫のため保存庫全体を檜系統で作っているのだろうが、尋ねると樟木ということだった。閲覧室は机・椅子とも紅木製の豪華さ、カードケースも立派で、他の閲覧室とは格段に違う。これは古典籍部門の世界的特徴だが、いつも閲覧者が数人前後というのも同じ。

 黄さんが私を著名な書誌学者と過大に紹介したというせいか、館員の態度・サービスは台湾故宮の図書文献館に匹敵する良さ。1957年に孔版出版の所蔵医薬古典籍目録まで貸してくれたし、調査にお借りした物差しは新品だった。また北京の某図書館のように、各種の閲覧費を請求されることもなかった。ここの豪華さを撮影したかったが、諸事情で遠慮することにした。

 上写真で二階の正門に上がる階段の下は、いわゆる美食城という庶民レストランになっており、とても便利。近くには私が大好きな骨董市場の潘家園がある。今回は二日で計17点を調査しただけだが、来年夏に二ヶ月ほど中国での訪書を予定しているので、この付近に一週間ほど住んで毎日、図書館と潘家園に通うことに決めた。