右も左もわからない異国の地で,渡航直後の2−3週間をどう凌ぐかは極めて切実な問題だ.そのためのアイディアを提案しよう.渡航直後にはどんな突発事故があるやもしれず,すぐにコンピュータが使えるとは限らないから,最低限必要なデータはプリントアウトしておくこと.
仮住まい
住まいを決めるまでに雨露しのぐところが必要だ.受け入れ先から宿舎の提供があればいいが,もしも自分で決めなければならない時はどうするか?これはあらかじめ予約しておくべきだ.→宿探しPC環境の日本語化(別ページ.インターネットカフェで,面倒な設定変更無しで日本語を読み書きする方法も)家族連れの場合,お薦めは,Self-Catering(自炊)の宿である.台所にはコンロ/オーブン,電子レンジ,冷蔵庫/冷凍庫,洗濯機,アイロン,ヘアドライヤーと一通りの食器なども揃っているので,長期滞在が可能である.専用の電話があればインターネットもできる.定住先をじっくり決めたい時はお薦め.一般のホテルよりは安上がり.ただし,町中から離れているところにある場合には,位置を確認した上で,かつ,お金の余裕があれば,レンタカーを週単位で借りて動き回ることを考えた方がいい.お決まりの雨の中をとぼとぼ歩いてアパート探しをするのは,それだけでも消耗し,うつ状態になってしまう.→レンタカー
単身であれば,町中の安いB&Bに泊まり,食い物は外食/持ち帰り/スーパーのコンビニ系統の食べ物でしのぐのが一番安上がり.
地図について
まず地図を買う.これはストリートアトラスというもので,A5版の本である.カラーと単色があるがどちらでもよい.ニューズエージェントで売っている.この地図には市内すべての街路が掲載されて索引になっており,目的の住所を捜すのには完璧である.番地は原則として市中心部に近いほど番号が若い.バス路線図があれば市内のおおよそを把握するのに役に立つ.食事,炊事
梅干しや納豆が食べたいというわがまま者がいなければ,Self-Catering Accomodationなら,まず心配はいらない.スーパーマーケットへ行けば食料品の品揃えはまず不自由ない.バス(グラスゴーの例)外食:B&Bならば朝食は問題ない.平日の昼食は大学や病院あるいは博物館や美術館の食堂がよい.何と言っても安上がりだからだ.適当に出かけていって,canteen(大きな施設の”食堂”を指す時も最も一般的な言葉)やカフェはどこだと聞けばよい.難しいのは夕食.日本と違って気軽に外食のできるところがない.いわゆる”レストラン”というと,本格的な料理屋であって,気軽に食事ができるところではない.
自炊ができなければ,パブ(といっても特に夕方以降は,パブは酒を飲むところであって,食事をするのは少数派となる.もちろん,定番のFish'n Chips, Lamb Chopsといったbar mealsを食べても,もちろんいいんだが)を利用するか,マクドナルド,バーガーキングの類のジャンクフードの店か,中華料理,ケバブ(羊肉の”細切りハンバーグ”みたいなもの),カレーといった料理のtake away(持ち帰り)で買って,調理しないで住むような食べ物を食べるしかない.
鉄道なんて,主要都市間を結ぶ幹線だけしかないから,日常生活とは縁が薄い.スコットランドの主要都市での日常の公共交通機関はバスしかない.定期券(season ticket)の買い方乗り方と降り方:目的のバスが来たら黙って立っていては通り過ぎてしまう.バスに正対し左手を道路に出してとうせんぼするアクションで乗車の意志を明らかにするのがスコットランド式.バスが連なっている時は後のバスに乗車したい時は後のバスに近寄って行って運転手に意思表示しないと前のバスを追越して通り過ぎて行ってしまう.
多くの場合はワンマンバスで,ワンマンの時は乗降口ともに前一つだけ.料金は先払いのことが多い.乗る時は目的地までの料金が判らない時は運転手に行き先を告げると料金を教えてくれるので,その額を料金箱に入れると箱の脇の発券機から切符が出てくるのでそれをちぎりとる.料金が判っている時は,例えば50ペンスなら"Fifity please"と言って料金を箱に入れると発券してくれる.定期券を持っていないときは小銭が必要.ワンマンでもおつりをくれるシステムになっているときとそうでないときがある.おつりをくれるかどうかはバス会社や地方によって違う.
時たま検札が乗車してくるので注意.車内では路線図も停留所のアナウンスも何もないし,停留所自体にも名称はないので目的地についたら教えてくれるように運転手にあらかじめ頼んでおくか,地図と首っ引きで街路の名前を頼りに今どのあたりを走っているかを判別するしかない.降りる時は極めて原始的かつ簡便である.前の乗降口のところに立ち次の停留所で降りるぞという意思表示をする.日本のようにボタンで知らせるようなことはない.
バスを頻繁に利用する人はすぐ定期券を購入すべきである.なぜなら運賃は決して安くないし,バスはおつりをくれない路線が圧倒的に多いので,いらいらすることこの上ないからだ.市内のInformationとか,Travel Centreとかで聞けば,どこでseson ticketが手にはいるかすぐにわかるはずだ.グラスゴーの定期券を例にとると,路線を指定する日本方式と異なり,zoneを指定する形である.自分の住まいと行動範囲を路線図で確認してzoneを決定し,購入する.通過するzoneが多いほど,定期券の値段は高くなる.ちなみに運転手に定期券を見せる時は,水戸黄門の印篭のように,目に入らないかといった格好で見せるのがスコットランド風レンタカー (car hire):到着直後こそ,いろいろなところを動き回る.定住地を見極めるために,実地見聞にも出かけなくてはならない.日本よりはるかに安上がりなので,ある程度お金に余裕があれば,到着直後にレンタカーを借りたい→レンタカー
役に立つチェーン店
以下のようなチェーン店はスコットランド主要都市のどこにでもあり,ホームページも持っているから,あらかじめ,自分の渡航先にある店の住所や電話番号,営業時間を調べておくことができる.プリントアウトしておき,渡航直後の右も左もわからない時期でも,最低限の品物はすぐ揃えられるようにしておこう.自分の写真をとっておこうArgos(家庭電気),B & Q(DIYホームセンター),Marks & Spencer(衣料品+食料品:UKのダイエーあるいはイトーヨーカドー),Safeway(食品スーパー),Tandy(電気製品),Woolworths(日用雑貨),WH Smith(日用雑貨,文房具),
グラスゴーに住む人にはより詳しいお店の解説あり
定期券購入の際に1枚必要.街のスピード写真で十分である.スピード写真の機械は大きな郵便局やスーパーマーケットにある.また,自分の髪型の写真がなかったら,それをチャンスに,正面ばかりでなく,横向きや後ろ向きに撮影しておいて,美容院や床屋へ行く時に示すとよい.疲れたら