お国柄

添付文書の安全性部分の記載を定量的に見ると、全診療分野平均では、日米英全く差はありません。診療分野別では三極ばらばらです。

Shimazawa R, Ikeda M. Safety information in drug labeling: a comparison of the United States, the United Kingdom, and Japan. Pharmacoepidemiol Drug Saf 2013;22:306-18

それがさらに個々の品目に対する一般市民の行動となると全く違ってきます。お国柄が端的に見られるのが、ワクチンを始めとする感染症治療・予防薬 で す。

日本では予防接種やタミフルの副作用には非常に過敏になっても、有効性についても、備蓄の無駄についても、国民の皆様はは非常に「おおらか」で、 気前が良くていらっしゃる。そのため、財務省も会計検査院も手を出せない。そんな国の対極にあるのが、NICEを運営し、タミフル備蓄の無駄に対 する非難が巻き起こる、”Value for Money”の国です。

命と金のトレードオフを、自動的に意識下のレベルで御法度と捉えるのか、それとも、「なぜ命と金のトレードオフ御法度になるのか?薬だって、手術 だって、あんた、お金を払うだろう、それは命と金のトレードオフそのものではないのか?」という「素朴な疑問」を圧殺しない「純朴さ」を尊重する のか。どちらがいい悪いではなく、この違いは早期の英語教育なんぞではとてもじゃないが変えられない、深遠な相違ですな。

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【イギリス】英国下院 「タミフル」データの完全開示を要求 Risfax 2014/1/6
http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=43506
英国下院決算委員会は3日、抗インフルエンザ用薬「タミフル」について報告書を発表した。政府はパンデミック対策の備蓄用にタミフルを4.24億 ドル購入したが、「実際に効くのかコンセンサス」のない購入だった事実に驚いているとして、政府、研究者、産業界を挙げて医薬品に関する臨床デー タをすべて入手できる体制に取り組むことを促した。昨年夏には科学技術委員会がデータの完全開示を求める報告をまとめている。
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有効性不明確なタミフル備蓄への政府支払いを英国議員が非難 BioTodayニュースレター 2014年1月6日
効果が疑わしいRoche(ロシュ)社インフルエンザ薬Tamiflu(タミフル;oseltamivir、オセルタミビル)の備蓄に英国政府が 4億2400万ポンド(7億200万ドル)を費やしたことを同国議員が避難しています。Tamifluのような処方薬の臨床試験方法やその結果の 非公開の蔓延を憂慮しており、Tamifluの効果は定まっていないとPublic Accounts Committee (PAC) は言っています。Tamifluはインフルエンザ流行に備えて多くの国で備蓄されていますが、Tamifluの効果の裏付けは殆どないと主張する専門家も います。
UK lawmakers criticise govt's stockpiling of Roche drug Tamiflu
http://in.reuters.com/article/2014/01/03/roche-tamiflu-britain-idINL6N0KC1NH20140103
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