J-DOIT3

多くの人が、「もう、どうでもいい」あるいは「触れられたくない」のどちらかと思っているであろう、J-DOIT3の論文(Lancet Diabetes Endocrinol 2017; 5: 951-64)を、敢えて読んでみた。何しろ読まないと何も言えないからね。そして、読んだからこそ、よくわかった。

結論は「すべてが金と時間と手間暇の無駄遣いだった」。その原因は「試験デザインの失敗」。スポンサーだけでなく、すべての被害者、じゃなかった(でもいい加減な試験の被害を受けたことは確か)、被験者に対してどう言い訳するのだろうか。尤も言い訳なんかするつもりは一切ないのだろうが。

●オープン試験で、対照群に対する「強化療法群」では、食事、運動、薬剤のあらゆる手段を用いて「血糖、血圧、脂質の管理目標値をより厳格に定めた強化治療」が行われたので、結局、何がやりたかったのか、つまりどんな介入の効果を見たかったのかが全くわからない。
●その結果、血糖、血圧、LDLコレステロールのすべてが強化療法群で下がった。
●でも、主要評価指標(全死亡、心筋梗塞、脳卒中に加え、血管内治療の数々(冠動脈手術、ステント留置、経皮的冠動脈・脳血管形成術に頸動脈内膜剥離術まで)も加えた)でも、副次評価指標のいずれでも、対照群と有意差が認められなかった。
●おまけに、全死亡は有意差無しながら強化治療群の方が多かった(対照群3.2%(40/1271) vs 強化療法群3.5%(45/1269))
●つまり、せっかく強化治療までしたのに、その甲斐が認められなかった。
●それで後の言い訳が、イベントが少なく、パワー不足だったとのことだが、それは言い訳にはならない。
●なぜなら、PROBEのリスクを負い、さらに恥も外聞もなく血管内治療を主要評価項目にぶち込んでまで、イベント数を稼いだからだ。
●厚労科研に加えほとんどの製薬企業からもお金をもらってこの始末か?

今日はとりあえず、この辺で。

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