弱い自分を掘り起こす

下記はある研修医の方から悩み事の相談を受けたときにまとめたものです。あなたが研修医でなくても、十分役立つ道具です。御自由にお使いください。

●弱い自分を掘り起こす:逃げたい、避けたい、楽をしたい、さぼりたい、先送りしたい自分。そんな自分を否認したまま放置せず、掘り起こす。ただし、掘り起こして弱い自分を「克服する」ということではない。逆に弱い自分を大切にするという意味→下記。

●本来一番優先順位の高い存在である「自分」にこだわること。自分よりも優先順位の低い「他人」のために働こうとすると、他人の中の順位付けという大変苦しい作業を強いられ、結局は他人を恨むことにもなりかねない。

●自分にこだわって働けば、他人の発言や考えに左右されない自分の尊厳を取り戻すことができる

●自分はコントロールできるが、他人はコントロールできない。自分は神ではないから、コントロールできること(=つまり自分)に集中して、コントロールできない他人の発言や思考には一切関わらない。(「自分のコントロールできることに集中する」というのは松井秀喜の決まり文句。松井秀喜ほどの一流選手さえ、自分のコントロールできることに集中するのだから、凡人を自称するあなたが自分のコントロールできることに集中するのは当然でしょう)

●コントロールできない他人の発言や思考に左右されるぐらい非効率的なことはない。無茶苦茶忙しいのだから非効率的なことは止めましょう。

●迷う自分・悩む自分に安心する。迷うということは複数の選択肢が見えていることを意味するし、悩むということは思考停止に陥っていないことを意味するから。

●今すぐ正解が得られない自分(=正解が得られたと思って思考停止に陥っていない自分)に安心する。

●答えは自分の頭の中にしかない。その答えも、今日得られるものではなく、時間をかけて、迷って悩んで組み立てていくもの。

●「時間がかかる」(被害者意識)と思ったら「時間をかける」(当事者意識)と読み替える。→時間に使われるのではなく、時間を主体的に投資する。

●正解依存症に注意。山のあなたの空遠くに臨床の素晴らしい神様がいて、輝ける回答を持っている。そんな妄想とは無限大の距離をとる。

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