東京大学大学院医学系研究科・医学部 倫理委員会において承認を受けた研究
BLEIA HCV抗原の研究(承認番号3333-74)
- 研究課題名
BLEIA HCV抗原の研究 - 承認番号,承認日
平成25年9月10日(承認番号3333-74)
- 内容
C型慢性肝炎に対するIFN治療において,効果予測,効果判定及び患者の病態把握にウイルス(HCV)量が重要な指標となる.現在ではこのウイルス量を測定する検査として,PCR法によるHCV-RNA定量法や免疫学的測定法によるHCVコア蛋白質定量法がある.当検査部ではCOBAS AmpliPrep,COBAS TaqManを用いたリアルタイムPCR(RT-PCR)法によるHCV-RNA定量を行っているが,@サンプル量が多い(1,020μL),A測定時間が長い(21検体測定で約5時間30分),B保険点数が高い(450点)等の問題点がある.またHCVコア蛋白質定量法は化学発光酵素免疫測定(CLEIA)によるもが発売されているが,@検体の前処理が必要 A検出感度がRT-PCR法より劣るなどの問題がある.今回栄研化学株式会社が発売した「BLEIAR-1200」および専用試薬「BLEIAR‘栄研’HCV抗原」のHCVコア蛋白質定量法は,@従来のHCV粒子からコア粒子を露出・分解する前処理から自動化,A分子高率が高いルシフェリン・ルシフェラーゼによる生物発光免疫測定法 (BLEIA法)による高感度自動分析,B検出感度が高く,測定レンジが1.0〜100,000.0fmol/Lと広域(検出感度:1fmol/L 100コピー相当,測定レンジ1.0〜100,000.0fmol/L) log amol/Lでの測定値を出力することが可能(測定レンジ3.00〜8.00 log amol/L),C全自動生物化学免疫測定装置BLEIAR-1200により120テスト/時間の多検体処理が可能であるとの特徴があげられている.また保険点数も150点とHCV-RNA定量検査と比べ低くなっている.このHCVコア蛋白質定量法はC型肝炎患者のウイルス血症の観察,インターフェロン治療の経過観察および感染者の病態把握をより安価・迅速に行い,有用な情報を提供するものと考える.今回,全自動生物化学発光免疫測定装置「BLEIAR-1200」および専用試薬「BLEIAR‘栄研’HCV抗原」の性能評価を行う.(佐藤 美知子)