平成28年度日本生化学会九州支部例会シンポジウムのご案内

「合成化学と免疫・創薬」

 20世紀末にToll-like receptor 4(TLR4)がグラム陰性菌細胞表層の糖脂質であるリポ多糖(LPS)のレセプターであることが初めて明らかにされました。その後、現在までにヒトでは10種類のTLRが存在すること、また類似した機能を果たすレセプター群としてNLR、RLR、CLR も報告され、自然免疫の活性化と、引きつづく獲得免疫を誘導する重要なパターン認識レセプター (PRRs)であることが広く認識されるようになっています。PRRsに結合するリガンドはPathogen Associated Molecular Patterns(PAMPs)といわれる微生物由来の分子であり、それぞれのレセプターに特異的に作用することも明らかとなってきました。これらリガンドの中には、アゴニストやアンタゴニストとなる低分子の化合物が合成化学により発見され、それらの分子は免疫系を活性化することにより、抗がん剤などの薬剤として積極的に利用されつつあります。本シンポジウムでは、PRRsのリガンド分子との相互作用解析をChemical Biology の立場で解明されているご研究、またPRRsのリガンドを用いた創薬を目指したご研究を紹介いただき、合成化学と免疫・創薬のクロストークについて理解を深めるための場を提供したいと考えております。どうぞ、みなさま奮ってご参加下さい。

オーガナイザー:隅田泰生(鹿児島大学理工学研究科・教授)
日時:平成28年5月14日(土)16:00~18:15
場所:鹿児島大学郡元キャンパス稲盛会館
参加費:無料(申し込み不要)

1)橋本 雅仁(鹿児島大学理工学研究科・教授)
 「グラム陽性細菌のTLR2リガンド」

2)藤本 ゆかり(慶應義塾大学理工学部・教授)
 「微生物表層由来複合糖質の合成フラグメント・ライブラリ構築と免疫調節機構解析」

3)瀬谷 司(北海道大学医学研究科・教授)
 「TLR3特異的アゴニストによるワクチン免疫療法の開発」

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