labquiz ラボクイズ-01(labquiz)

労作時呼吸困難(Hugh-Jones 4度)

症例 68歳、女性
主訴 労作時呼吸困難(Hugh-Jones 4度)
現病歴
'90年  歩行中に息苦しさが出現し、階段や坂道を登れなくなった。
またこのころから高血圧(最高180前後)を指摘され投薬にてコントロール。
94年12月 喘息発作にて近医入院。95年から呼吸困難感が増悪し、遠出を避けるようになった。96年2月 再び喘息発作で近医入院。
97年4月 当院受診。低酸素血症、高炭酸ガス血症を認め精査治療目的に入院。 経過中痰を伴う咳の持続は明かでなかった。
既往歴 15歳結核。45歳アトピー性皮膚炎 
家族歴 父脳梗塞 母高血圧、胃潰瘍 妹高血圧
生活歴 喫煙15本/日 30年 飲酒 3年前から禁酒
輸血歴 なし
入院時 労作時呼吸困難(+)、咳(+)、痰(-)、呼吸音正常

表1
検査結果4月22日
VC 1.38 L %VC 61% 
   FVC 1.16 L
FEV1.0 0.59  L %FEV1.0 35%
FEV1.0%G 50.9 %
MMF 0.29 L/S  
   PEFR 1.42 L/S
V75 0.65 L/S
V25 0.11 L/S
FRC 2.98 L % FRC 165%
RV/TLC 57.9 %
DLco 測定不可
     吸入負荷検査
吸入前FEV1.0 1.47L
吸入後FEV1.0 1.72L
テルシガン投与後5月8日
VC 1.91 L %VC 83% 
FVC 1.74 L
FEV1.0 0.91 L %FEV1.0 53%
FEV1.0%G 52.3 %
MMF 0.40 L/S   
  PEFR 3.21 L/S
V75 1.53 L/S
V25 0.16 L/S
FRC 3.17 L % FRC 170%
RV/TLC 58.5 %
DLco 9.21 ml/min/mmHg
%DLco 58.3 % 
DLco/VA 69.3 %
pH 7.395
Pco2 46.7 Torr
Po2 74.3 Torr
HCO3 - 28.6 mEq/l
O2SAT 94.7 %
問題1.図1は慢性閉塞性肺疾患の概念、すなわち慢性気管支炎、肺気腫、喘息の相互のかかわり合いについて示したものである。この症例は図1の1〜9のどれに属するか。
図1

問題2.吸入負荷検査の改善率を求めよ
解答01-2
ラボクイズ
東京大学医学部附属病院検査部
滑川妙子、佐藤道子、佐々木賀津乃、小川桂子、片山弘文、滝沢 始
著者連絡先:滑川妙子
〒113-8655
文京区本郷7ー3ー1
電話03ー3815ー5411内線5045
ファクス03ー5689ー0495


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