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獣医史学に関する新刊のご案内

獣医学の狩人たち  20世紀の獣医偉人列伝

著者:大竹 修

獣医学の狩人たち
  •  明治新政府が招聘した、ヤンソン教師(東大)やカッター教師(北大)の薫陶を受けた、新進気鋭の和人学者が、教師陣に加わることによって、日本の近代獣医学の基礎が築かれた。
     20世紀になると、北里柴三郎の創立した伝染病研究所や、医学部に派遣されて修行に励む、若い研究者が続出した。また陸軍獣医学校では馬学の研究が進展した。これらの獣医学研究の中には、ノーベル賞に相当する素晴らしい業績も見られる。
     本書では、黎明期の俊英たちによって築き上あげられた近代獣医学を、移り行く20世紀の動乱の中で、さらに高め、発展させた28名の獣医科学者を紹介している。各人の生い立ち、新分野の開拓や新発見に至る苦労の過程、国際的な活躍などが、エピソードを交えながら、平易に解説されている。現在の分化し、社会の各方面で人々を支えている獣医学は、これら先人の努力の賜物であることが、よく理解できる書である。

<目 次>

  • 日本における近代獣医学の夜明け
    1. 牛痘苗と狂犬病ワクチンの創始者…梅野 信吉
    2. 人材育成の名人で家畜衛生学創始者の先達…葛西 勝弥
    3. 獣医寄生虫学を確立…板垣 四郎
    4. 競走馬の研究に生涯を捧げた外科の泰斗…松葉 重雄
    5. ひよこの雌雄鑑別法を開発…増井 清
    6. 幻に終わったノーベル賞…市川 厚一
    7. 獣医外科・産科学の巨頭…黒澤 亮助
    8. 顕微鏡とともに歩んだ偉大な神経病理学者…山極 三郎
    9. 麻酔・自律神経研究の権威…木全 春生
    10. 学術会議会長を務めた獣医界の巨星…越智 勇一
    11. 「NOSAI獣医師」育ての親…吉田 信行
    12. 日本の動物園を育てた名園長…古賀 忠道
    13. 北大に獣医学部を創った微生物学者…平戸 勝七
    14. 肝蛭症研究の第一人者…小野 豊
    15. レプトスピラ症の研究で日本学士院賞…山本 脩太郎
    16. ”天皇”と畏敬された鶏病学者…板垣 啓三郎
    17. エキノコックスの生態を明らかにした寄生虫学者…山下 次郎
    18. ワラビ中毒・白血病の研究に捧げた学者人生…三浦 定夫
    19. 不朽の名著”科学技術者としての獣医師のありよう”…中村 寛
    20. 犬糸状虫症撲滅への道を拓く…久米 清治
    21. 産業動物臨床獣医師の鑑…五十嵐 幸男
    22. 犬フィラリア症の心臓手術に挑んだ外科医…黒川 和雄
    23. オールマイティの国際獣医学者…臼井 和哉
    24. 名著「牛の臨床」を世に出した臨床学者…其田 三夫
    25. NOSAI出身の大学教授第1号…原 茂
    26. 「ノーベル賞を超えた男」と言われた生物学者…大野 乾
    27. 臨床獣医学の発展、獣医師の地位向上、動物愛護に尽くした超人…竹内 啓
    28. 女性獣医学者の草分け…増井 光子
  • 用語解説
  • あとがき
  • 著者:大竹 修
  • 体裁:A5判、並製本、412ページ
  • 定価:本体2,400円+税
  • ISBN978-4-907209-72-8 C0023

《出版社》

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